日総研さんのセミナーは
1、大人と高齢者に向けたエンゼルケア・死化粧とグリーフケア、
2、赤ちゃん・子どもさん向けたエンゼルケア・死化粧とグリーフケア
の2種類のセミナーで全国を回らせていただいています。対象は医療・介護職の皆さま。今回は大人の方に向けたエンゼルケア・グリーフケアのセミナーで、おかげさまでこちらのセミナーは19回目を迎え、受講いただきました方も1000名を超えました。今回も、遠くは福島県からも受講いただいて、管理職である総看護部長さんも多く受講いただきました。質問も大変多くいただいて、お答えしながらセミナーを進めました。皆さま大変、お疲れさまでした。
毎回セミナー終了後、質問をお受けしたり、本にサインを入れさせていただいたりの時間がありますが、今回もとても心に残るお話しを伺いましたので、ご紹介したいと思います。
私は高齢者の施設に勤める看護師です。と言うお話しからスタートしました。ある日、入所者さんの可愛いらしいお孫さんが、施設を訪ねて来られました。
今の施設の入所者さんは、全員が認知症です。可愛いらしいお孫さんを見て、施設の入所者さん一人ひとりが、その方のお孫さんに向かって各々に、自分のお孫さんの名前を呼ばれていました。そのお孫さんが
「はーい!」ってお返事をしてくれて、皆さんに合わせてくれるものだから、みんな自分のお孫さんが来たと思って、ニコニコ笑って、それはそれは幸せそうでした。みんなを幸せな気持ちにしてくれた、素敵なお孫さんの存在でした。
いっしょに過ごした自分たちにとっても大切な利用者さんが亡くなられた後のケアを行うことは、遺されたご家族に対してはもちろんのこと、職員にとっても最期のお世話をさせていただける大切なお別れの時間です。だから、今日のセミナーの内容をみんなで共有して、利用者さんの想い出を胸に、遺してもらえたことをあらためて考えながら、尽くさせてもらいたい。とお話しをしてくださいました。
様々に起こる人生の困難も、
障害を持つ多くの友人から様々に心の内を教えてもらう中でも、
大切な家族を亡くしたときの気持ちも、
ひとりの人の個性として、
現在のこと、そして背景も丸ごと、
理解してもらえないまでも知ろうとしたり、
そっと見守ってもらえたり、
受け容れてもらえること、
お互いを尊重し合って、
お互いの足りない部分を、
さり気なく補い合いながら、
自分のペースも保ち、
笑顔で生きられることは、
それはそれはとっても、
心地よいことなのかもしれません。
傷付いたときに人は、
安心出来る場所を求めます。
元気になれば、
ちゃんと社会に帰って行かれます。
出逢いには始まりがあり、終わりがあります。長い人生の中の一時の関わりなのかもしれませんが、その目の前の方が生きてこられた最期に、ご縁をいただいたこと、出逢えたことに今の自分がどれだけ尽くせるか。私も、お別れのお手伝いをさせていただく、毎回の現場の中で深く考えています。
何も出来ないかもしれないと、何もしなければスタートしません。何も出来ないかもしれませんが、誠心誠意求められる何かを見付けて、出来ることを増やしていく努力を積み重ねていくことは、誰かの笑顔や安心につながると思います。それは、きっとどんな仕事にも共通していることなのかもしれませんね。
ご遺族とは「生きることって大変なこと。」からスタートする会話も少なくありません。でも、生きていること自体が奇跡なんだよね、と言う話にもなります。だって、明日太陽が、月が無くなったっておかしくないんだし!なぁんて会話も出るわけです。何でも、当たり前にあると思っちゃいけない。それが、亡くなった人が私たちに教えてくれ、遺してくれたことだと思っています。
それからお別れの時間の中では、「ありがとう」の言葉が多く出ます。「ありがとう」の気持ちは人が持つ、心根の優しさが溢れ出ています。「ありがとう」の言葉は、それぞれの立ち位置の人に、死を迎えても変わらない関係性を教えてくれて、「陰」となり支えてくれた人に気が付いて、「陰」に対する謙譲語で昔から「お」と「さま」を付けて「おかげさま」の言葉が出て、一旦混乱することはあっても、改めていつかは、気持ちをつないでくれるんだと思います。
目の前の物質も当たり前にあって、与えられるものじゃなく(魔法じゃないから)、何だって無の状態から誰か彼かの努力と力が合って「物」として存在したり、同じく「時」が作られていること、それは出逢いによってあるものの不思議と、それによっての感謝につながっていくものかもしれません。
今回のセミナーも、多くの皆さまにご縁をいただきました。セミナー開始から思っているけど、人の悪口を言う人は、誰一人として居ない。一生懸命に人に尽くそうとされて力をつけようとご尽力される姿を拝見させていただく、きっと職場で人気者なのは間違いの無い、とっても人としてお一人おひとりが魅力的な、今回も癒しの空気に満ちたセミナーでした。セミナーのためにお休みを取るのも、大変なご苦労だと思います。セミナーの内容が一つでも多くお役に立てれば嬉しいです。皆さまお一人おひとりの、益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。