2016年6月22日

伊那中央病院労働組合様企画講演会

以前、長野県の看護協会さんでお話しをさせていただいたご縁から、この度のご縁になりました。同じ内容で、とのことでしたので、90分お時間をいただき進めました。

院内外から多くの皆さんが集まられ、熱気もすごくて、眼差しも刺さってくるくらい真剣に聴いていただいたと思います。

長野県は過日に、御嶽山の噴火もありましたので、当時から現在に至るまで、様々な業種の皆さま含め、ご縁の続いている災害です。

講演会終了後の控え室には、訪ねて来てくださってお話をしてくださる医療者の方も多く、相談を受けたり、提案したり、話し合ったり、お持ちいただいた本にサインをしたりと深いお話しをさせていただきました。

病院へ講演会に伺うことは、スケジュールもなかなかご希望の日でお受け出来ないこともあり、実はとても珍しく、その分、お一人お一人の立ち位置での頑張りを、教えてもらえた貴重な時間でもありました。

全国各地を、回らせていただくことが多くなった今。医療者の方に、よく相談される内容があります。

「忘れられない、患者さんがいる。」

伺えば、そのご縁をきっかけに人生が大きく変わって居られます。

「人と出会うということは、きっとそういうことなんだと思います。」

と、お伝えします。人生を変えるくらいの、ご縁だった。=心で深く感じる関わりがあったからこそ、考える時間をいただいた。(それまで、ここまで深く考えたことがなかった)とも言えるかもしれません。人との出会いは良くも、悪くも、人生が大きく変わることがあります。自分に責任を持ちながら進み、その後意味や答えを探す旅が始まるのも、そういうきっかけだと思います。

「人は二度死ぬと、言われています。一度目は、肉体の死。二度目は、人の記憶から消えたとき。(コリン・ウィルソンの名言)

私たち死に携わる立ち位置の人の役割の中には、二度死なせてはいけないという意味も、もしかしたら持ち合わせているのかもしれません。だから、終わられなければ(忘れなければ)、終わらない。忘れれば、終わらすことも出来る。

記憶に遺り、実はいつでも支えてくれる存在を、自分流に大切にする関わりが出来れば、きっとその大切な人と、共に生きる道が見えてくるのかもしれません。

大切だったから、後悔します。そのくらい、自分も支えてもらっていた証拠なのかもしれませんよね。」

あくまでも、私の経験からのお話しです。私にも、相当苦しんだ時間がありました。本当に苦しかった。そこから出した、今の答えです。看取りから入らせていただくご縁もあるのですが、生きてるときにお会いした記憶と、色々向き合う時間を、私は作ります。自分の気持ちに問い、想い出から答えを探します。顔や態度には一切出しませんが、私もたくさん嘆きます。

出会えたからこそ、私にも遺してもらえたのがありました。大切な想い出の中には、その方の笑顔だったり、様々な表情と、お腹や背中をさすったときの、感覚が残っています。そういう大切な記憶を全部ひっくるめて、想い出と言うのだと思います。想い出があるから悲しい。悲しい気持ちの中に、想い出があり、温もりが記憶にある訳です。悲しみの中身を知れば、悲しみはとても大切な感情になります。その悲しみを、人生をかけて守りたいと、最近は思うようになりました。

悲しみは、そう簡単には人には話せません。話せば、涙が出でくるからです。悔しい気持ちも湧いてきます。だから、辛い。でも、知って欲しい人には話したい。でも、そんなに多くは語れない。語ることより、安心できる場所に居て、ホッとしたい。考える時間を持ち、知恵を得たい。ご遺族の皆さんが、いつもそう話してくれます。

悔しい、辛い気持ちと、温もりいっぱいの部分とのバランスを取りたい。その為に情報や知恵を得るためのアンテナを張り、そのバランスが取れたら、記憶が宝物に変わり、自分のペースを歩き始めることが出来るのかもしれません。しかし、それもそんなに簡単なことではありません。大切な人を失えば、生活自体が変わります。そのペースは、その人それぞれのペースで良いのだと思います。

はるか昔には、ネアンデルタール人だって、お墓に花を手向け、嘆きの中で亡き人を偲んだのだのだと、遺跡から思います。そのくらい昔から、人は大切な人を失うと悲しいのです。永遠のテーマです。

世の中に苦しまない人なんて、きっと一人も居ません。悲しみが教えてくれるのは、あなたは、あなたで良いのだということなんだと思います。(自分勝手という意味ではありません)人に迷惑を掛けず、自分のペースを守り、歩むという意味です。

明るく振る舞える自分がいて、
(時々、目が笑ってないけど)

良い顔しなくちゃいけなくて、
(その後どっと疲れるのは、なぜでしょう?)

趣味に没頭出来る自分がいて、
(夢中になれること、大事です!)

仕事や家のことを
しなければいけない自分がいて、
(役割だから!必要とされてる幸せ探し)

時に、ちょっと疲れてサボる自分がいて、
(ここ、本気で大事です!良い成果を上げるため、上手にサボりましょ!)

目標は多少高く持てるけど、
(みんな、そう。)

言ってることと、
行動が伴っていない自分がいて、
(自分が一番分かってるはず!)

だいぶネガティヴな自分がいて、
(それでこそ、人です!普通、普通!)

考え込みたい自分がいて、
(この時間も、大事です)

人と関わりたい自分がいて、
(ある、ある。)
等々、

自分の中には、
実はいろんな自分が居るもので(笑)

人としての社会的な人格を表現する為に、
そういうバランスを
取らなければいけないので、
ちょっと疲れたら、
気分転換が大事ですね。
モチベーション
(テンションではない)
保つのって、
大変なものですよね。

色々と相談を受けることも増えましたので、少し長くなりましたが、普段お答えしている内容を少しだけチョイスしてみました。私の知っているステキな人は、みんな忘れられない大切な人の存在が心にありますもの。だから、目の前の人を大切に出来る方々なんだと思います。

長野県と言えは、「蜂の子の佃煮」。その色々を教えてもらって、夢中で聞いた時間もありました。

「蜂に、紐を付けます。

飛んで行く蜂を追いかけます。

蜂の巣を見付けます。

煙を炊きます。

蜂の巣を取ります。

蜂の子を取り出します。
(ずっと笑顔で教えてくれる)

蛆(ウジ)虫と蜂の子を分けます。
(ジェスチャー。蛆⁉︎)

蜂の子を甘辛く煮ます。
(こちらを向いて笑顔でジェスチャー)

食べます!
(笑顔でジェスチャー)

美味しい!!
(良い顔!)

年寄りは、そのまま食べる人も居ます。とても、クリーミーですって!

以上です。」

きっと、海の人が魚を食べるのと一緒の感じだと思います。漁師さんが教えてくれた、漁の仕方と説明時の笑顔が一緒だったから。山のあらゆる物をどのように栄養にして、食べるのか。その知恵はきっと、大事な文化なんだと思いました。

私「蜂に、刺されないんですか?」

看護師さん「うちのじいさん、時々まぶたが腫れてるから、刺されていると思いますよ!」

一同爆笑。

山のことは、山の人に。海のことは、海の人に聞く。つながって社会になるんだと、プロの凄さを知った、長野県の旅でした。