講演の内容としては、
①国の法律が様々に変わっていく中で対応している地域の中にある、お看取りについて。
②そして、大切な人を亡くしたときの遺された側の心情と、
③大切な人を遺していく側の心情について
を軸として、お話しを進めました。お看取りにご縁をいただくことも多くなった中で、同じ人は二人と居なく、思いも二つとない、唯一無二のその個々の気持ちをどのようにコーディネートをし、どのように形にするのか、現場は時々刻々生きているからこそ、毎回が真剣勝負です。
グリーフケア(悲嘆の援助)にはステップがありますから、面談やインフォームドコンセントの度に少しずつ深めていくポイントもお伝えしました。
私も普段から心掛けている一つとして故に、思った通りに進まないと得手勝手になってしまって嘆くのではなく、もしかしたら安心出来る環境を整え切れていないのかもしれないと思う方が、お互いの気持ちを通い合うことへの、近道なのかもしれません。
又、遺される方の心情としてのお話しとして、悲しいという感情を経験したとき、更に嘆きが加わり、深い暗闇に落ちることがあります。これ以上落ちることのないどん底に堕ちた経験をした人は、亡き人の姿の中にある、優しさや思いやりを拾って自分の中に組み込む力を付けるのだと思います。譲れないことがハッキリするのも特徴ですが、譲れないことの中に大切な人への思いがあります。でも、必要であることと、今は必要ではないことの住み分けも見極め、
まぁ、良いか。
の使い方も上手になります。そう、悲嘆の経験をすると例えば唯我独尊だった性格の人も、一変するということが、往々にしてある訳です。向き合い方が違えばその逆もあるので、丁寧に大切に関わることは重要です。
お別れの時間は、人の素顔が明らかに出ます。その素顔は、実は人は社会に向けては出しません。社会に向けた顔とプライベートな顔。顔が作り出す表情は心が支配しています。大きく分けて二つの心は、バランスを取ろうとして一生懸命頑張ります。その目の前の方の気持の仕組みやコミュニケーションの方法を含め、お話しさせていただいた時間でした。この仕組みを知ると、自分の気持ちとの向き合い方も分かります。この度、皆さんとご一緒させていただいた時間の内容が少しでも、何かお役に立てれば嬉しいです。
皆さまお一人お一人のご活躍を、ご祈念申し上げます。お疲れさまでした。
(おまけ)
今回のセミナーも、
「申し込み人数は今までで初の、大人数です!」
申し込みが多くて会場が変わったり、人数制限をしたり、企画してくださる皆さんのご苦労を知り、こんなにたくさんの方が死の存在やその中にある大切なことを知ろうとしてくれていることに応えたい、そういう気持ちでモチベーションを上げて自分の気持ちを奮い立たせて、毎度のことながらせっかく会場に足を運んでいただいた皆さんに向けて、セミナーに挑みました。
この日は大雨。早めに頼んでいただいたタクシーが、思った以上に早く到着。
「タクシーが到着したそうです!」
会場は笑いの渦。気を取り直して時間まで総評を終えて、皆さんにご挨拶して、大きく手を振りながら、皆さんに見送っていただいて会場を後にしました。
多くの災害支援をされてきた会長さんと控え室で、絶対に外には出せない話しを色々と。災害の中での共通点が、こんなにあるものなんだなぁと学びました。御巣鷹山の日航機の事故のとき、駆け付けた医療者の一人だったと体験談も伺って、会長さんの話しを夢中で聞かせていただいた貴重な時間もありました。
皆さんにお会い出来たこと、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。