2016年5月16日

日総研さん、名古屋セミナー

14日は関東からも、名古屋の会場にお越しくださった方が居られました。医療・介護職の皆さまに向けた、

「エンゼルケア・死化粧とグリーフケア」

の講座です。

昨日は、ER、ICU、小児癌センター、小児科、急性期、慢性期、療養病棟、高齢者施設の方が特に多くお出でになられました。総看護部長、師長、主任と言う管理職の方々、そして「中間管理職で、上と下に挟まれる立ち位置、今しか出来ないことがある」と笑顔で教えてくれる素敵な看護師さん方々。

セミナーの終盤は、多くの技術提供をした分?皆さんが放心状態。

「大丈夫ですか〜?」

と、私が声を掛けると皆さんが大笑いしたけれど、伝える私も、実はすでにクタクタで疲労もピークに達していました。でも、共有出来たことは、一人一人が出逢った大切な人を想っていたということです。患者さん、利用者さん、家族・・・。疲れはピークでも、心は温もりでいっぱいだったと思います。

セミナー終了後には、日総研担当者さんの案内もあり、恒例のサイン会を行いました。沢山の方々が並んでくださり、お一人お一人の現場の質問に答えさせていただきました。

最後の方の質問を終えて時計を見ると、セミナー終了から2時間弱が経っていました。思いやりの深い方々のお話しを伺って、夢中で質問やお話しを聞き、答えた素敵な時間は、あっと言う間に過ぎるものです。アインシュタインの相対性理論でもうたわれている通り、対象により、時間は長くもあっと言う間に感じるほど短くも、過ごした時間は同じなのに、時間の流れの速さが違うように感じます。

現場に居て感じることは、「グリーフケア」には実は沢山の種類があって、立ち位置によっても違うし、求められること、状況や環境により目の前の方に合わせて変えていかなければならない対応・応用力も必要です。その一つに「自分の悲しみや苦しみ、辛さから生まれてくる思いやり」という、経験したからこそ身に付けることが出来る、悲嘆の援助力があるのだと感じます。

悲しみや苦しみの中にある、「なぜ?」「どうして?」は、自分の中にある何かが動き出して、力を付けるとき。誰かの、何かのせいにすることなく、大切なことを見付ける時間。大切な誰かや、何かに対する思いが、その苦しみの時間の中で自分と向き合ったとき、自分が大切にしていたことを見付けたとき、自身の気持ちを揺るぎないものにするのだと思います。守りたい大切な人や何かに向けて、人が持つ思いやりがしっかりと目覚め、力を付けるときなのかもしれないと、現場に居て深く感じることが多くあります。

セミナーの中で、私の体験談も組み込みました。私も、最初から何でも出来た訳ではありません。

初めて人前で、お髭剃りをさせていただいた時のことです。緊張で、手の震えが止まらず、亡くなられたお顔にカミソリを当てようとしたとき、「トントン・・・、トントントン」と肌にカミソリの歯が軽くあたり、心の中で「頑張ろうよ私!(震える右手を、左手で押さえながら)キャベツの千切りじゃないんだから!」と、思ったものでした。その現場では、手の震えが止まるまで、お顔剃りを後回しにしたのでした。「新人」「初めての経験」は誰もが通る、通過点です。但し、続けることと続け方、その方法を見付けるのは、その人次第。

復元の依頼をいただき始めた初期。「出来ないかもしれない」「無理かもしれない」と最初は思うものでした。復元が形になったのは、「お母さんね、チューリップが好きだったんだよ。」と、小学生の息子さんが私の隣に立ち、私を見上げて、つぶらな瞳で言葉を大切に使いながら、教えてくれた現場がありました。それは、昨日まで元気だったお母さんがな亡くなられた現場でした。「この子のために、出来ることから全力でやらせてもらおう。」そうやって、遺族が大切にしている想い出を勇気に変えて、自分を奮い立たせ技術に変える。その言葉が無ければ、勇気は出なかったかもしれない。そういう、立ち位置や役割は違うけれども、共有し、つながっていく時間の中で、お互いが大切な存在になったとき、不可能が可能になっていくんだなぁと、一件一件が、学びの現場でした。人の話しを聞いていると、その言葉の中に、自分の正直な気持ちと出会っている気がすることがあります。多くの現場で、ご縁に尽くすと言うことを、教えてもらいました。

今は、目の前に亡くなられた方が居られて、ご家族が求められるのであれば、対面をさせていただいてから、全体を拝見して、頭と心の中で、おおよその技術の組み立てをして、掛かる時間をお伝えして、スタートします。

私には教えてくれる先生も居なくて、とても孤独な時期がありました。でも、それは私が勝手に思っていただけ。亡くなられた方に、触れさせていただいて、遺されたご家族にその人生を教えていただいているのに、孤独な訳が無いじゃないかと、悩み続けた毎日の中で、ある時気が付きました。

人は、自分自身を追い詰めることも、自分を慰めることも、本当は色々と出来る生き物なのかもしれません。

だから、最初から何でも出来た訳じゃない。苦しみや、悲しみの中から生まれたものが、私にも沢山あります。

そんなお話しを組み込み、セミナーを進めさせていただきました。

仙台と名古屋のセミナーを終えて、今回の講座は6月が東京、7月が大阪、9月が岡山、移動して福岡のセミナー会場にて行われます。お申し込みは、弊社トップページでもご案内致しております、日総研さんまでお願い致します。会場で皆さまにお会い出来ますこと、楽しみに致しております。