2016年5月31日

子ども夢ハウスおおつち

早いもので今日で5月も終わり、明日からは6月になります。7月は夏休みを迎え、又、夢ハウスも忙しく、賑やかな毎日になりそうです。

復興のための工事も、大型ダンプや重機が盛んに走り、町が忙しく見えてきました。

今月は、私も6回行けたかな。

津波で家族を亡くした子どもたち、未だ見付からない家族の帰りを待つ子どもたちが普段の生活の中で、一見ネガティヴな方で経験をすることの多い「怖い夢」。「怖い夢を見ちゃった!」などの話しも、だいぶ減ってきたように感じます。どちらかと言うと、「こんな夢を見たよ!」と言う話が増えてきたかな?と感じています。夢は、心のキーワード!なので、一人一人の話しを大事に聞きます。

日も長くなり、暖かくなってきた季節のおかげもあるかもしれませんが、子どもたちの環境を作ってくれる、素敵な地域の皆さんに守り育ててもらえていることも、理由だと思います。

少しずつ、失敗しつつも自分の足でチャレンジできる子どもたちも増えてきて、さすが!夢ハウスの子どもたち、チャレンジ精神が旺盛です!!

ケンカもします。やんちゃでもあります。でも、ここの子どもたちの素敵なところが、チャレンジをして失敗した人を、責めずに慰めるという特徴を持つのも、素晴らしい。思わず、私も大きな拍手をしてしまいます。そして、「何で、拍手してるのぉー?」と聞かれます(笑)なので、

「素晴らしいと思ったからです!」

と、自信満々に答えます。藤原代表や、管理人の吉山くんの考え方、後ろ姿をちゃんと見て、育ってくれているんだなぁと、用務員のお姉さん(決して、おばさんではない)の私は、思う訳です。

現在の夢ハウスは、平日は20名前後くらいの子どもたちが集い、土曜日になると、その倍以上の子どもたちが集まる日もあります。手の足りない夢ハウスでは、中高生の子どもたちが、小さな子どもたちの面倒を、本当によく見てくれています。

なので、用務員のお姉さんの私は、中高生の話しを聞きます。時々しか行けないけど、みんなの希望や要望も、聞かせてもらえるようになりました。自分のことより、夢ハウスの中の平和のために、よくよく考えてくれています。大したもんだ!よく観察してくれていて、とても素敵です。

吉山くんも帰って来て、子どもたちもとても嬉しそう。でも、吉山くんの故郷の熊本県のことも、ちゃんと考えてくれています。素敵な関係だなぁと、思いました。

吉山くんが実家の熊本県に帰っているとき、子どもたちは団結して、色々と吉山くんのことを考えていました。大切な人を見守ること、待つことも頑張って覚えてくれて、ぐん!と、成長したように見えます。横ちゃんと和子さんが、保護者の皆さんが、地域の皆さんが、吉山くんの留守を支えてくれていました。吉山くんが誠心誠意、夢ハウスと向き合ってくれた実績だと思います。

信頼関係は、岩手県と熊本県と遠く離れているように見えても、深くつながっているんだなと、用務員のお姉さんは目をウルウルさせて、みんなのことを見ていました。

えらい、えらい!!

【お願い】
実家の熊本県から帰って来たばかりの吉山くんの気持ちは、胸中は複雑で、まだ色々整理できていないと思いますので、今はあまり聞かないであげてください。自分から話せるタイミングまで、どうか見守っていただけたらと思います。って、吉山くんの周りの人は、素敵な方ばかりですから、大丈夫だと思っています!「吉山くんが帰って来たら、同じ被災者同士だから、力になれることがあったら動くからね。」と、話してくださる方も、多く居られました。ありがたいことです。引き続き、よろしくお願いいたします。

もうすぐ「くっそー」(藤原代表)が夢ハウスに帰って来ます。みんな、くっそーと、どんなお話しをするのかな?首を長〜くして待っていることでしょう。

夢ハウスでは、エネルギッシュに体を動かしながら、とにかく驚くほどお腹を空かせている子どもたち。皆さまからのお心遣いを、一つ一つの活動に、丁寧に大切に、使わせていただいています。

皆さまの日頃からのご支援、ご寄付に心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。引き続き、どうぞ夢ハウスを、よろしくお願いいたします。



第68回九州新生児研究会

赤ちゃんの医療の専門職、医師、助産師、看護師などの皆さんで組織される、九州全域、沖縄県、山口県の皆さまが会員の新生児研究会にて、寺地Dr.のお声掛けで講演をさせていただきました。

研究会では、お別れをテーマにした勉強会は始めての試みとのことで、大役を仰せつかりました。Dr.の現場での思いを伺っていましたので、上手く話そうとは、考えてはいませんでした。

死の現場からお伝え出来ることは、生の延長線上に死があるということ。

長い短いという価値ではなく、

その子が誰かにとっての大切な存在であり、

その存在がどのような影響を与え、

関わる誰かを癒し、

そこに居るだけで、

幸せな気持ちにしてくれたことは、

確かなことだと思います。

「俺の孫に生まれてきてくれて、ありがとうな。」

と言い、小さな赤ちゃんを胸に抱いた、私の現場でご縁をいただいた、おじいちゃんから学んだこと。

「死」の意味を丸ごと受け入れてくれる誰かが居るから、その子の可愛いらしさと、いのちが又、輝くこと。

生きていたからこそ、その証拠に死が存在します。「死」だけが単独に存在するものではありません。死を知ったら、どうか生きていた時間の中の、一番良い顔を想い出してもらいたい。そういう気持ちで、お別れのお手伝いをさせていただいています。

小さないのちは、確実にちゃんと何かを伝え、私たちに遺してくれているのだと思います。それを見落とさず、育んでいくこと。それが、遺された人の役割なのかもしれません。

小さな体で一生懸命生きて、頑張ったことを褒めてもらいたい。死の世界では、「可愛い」となかなか声を掛けてもらえないものですが、小さないのちの世界にも、当然、社会問題に直面することがあります。

弊社は比較的、赤ちゃんや子どもさんの納棺も多く、通常は医療の皆さんから引き継ぐことが多いのですが、社会問題に直面しているときは、警察から引き継ぐこともあります。復元を終えていなくても、遺体に関わることの多い部署の警察官の方々は、小さな子どもたちを抱き、話し掛けてくれています。

「生きている子も、死を迎えた子も、同じくらい可愛い」

東日本大震災の警察管轄の安置所でも、警察管轄から移動した先の安置所に於いても、そう話していました。

「可愛いということに、理由はいらない。」

たくさんの方の、色々な種類の涙と共に過ごし、お別れのお手伝いをさせていただいた中で、私はそう思います。

お別れのテーマの講演は二部に分かれていて、私の次に、取りでお話しされたDr.が居られました。ドラマ「コウノトリ」の監修をされた、豊島Dr.。奥の深い、現場一筋の、赤ちゃんや子どもに真っ直ぐな、お医者さんでした。

「人は二度死ぬと言われています。確か、コリン・ウィルソンが言っていたと思います。

一度目は、肉体の死
二度目は、人の記憶から忘れられたとき。

私たちは、出会ったことと、記憶をとても大切にしています。笹原さんが、家族の人たちや警察の皆さんと話された、「生きている子も、死を迎えた子も、同じくらい可愛い。」私も、同感です。これがなかなか理解されにくいのが、現代社会だと思います。亡くなった子の話をすると、不謹慎だと言われることもあるけれど、赤ちゃんや子どもたちが、どんな風に何を大切に生きていたのかを、私は現場をもっと知ってもらい、小さないのちの輝きを、知って欲しいと思っています。」

生の質と、死の質は等しい。そして、遺された人の役割の中で、等しく持ってくことが出来るということも、言えるのだと思います。

新生児医療界の重鎮、橋本Dr.とご縁をつないでいただき、少々緊張気味の私でしたが、先生が教えてくださったお話の中で、とても印象に残った言葉がありました。

「生きている子も死を迎えた子も、頑張ったことには変わらない。だから、赤ちゃんも子どもたちもみんな、全員、私の子です!」

研究会の会場は、温もりいっぱいに感じました。お空に帰って逝った赤ちゃんや、子どもたちの、楽しそうな笑い声が聞こえてきそうな雰囲気でした。

追記、
研究会で座敷わらしの話をしようか悩んだけれど、せずに終わりました。そのむかし、赤ちゃんや子どもたちが時代の背景として、飢餓で苦しんだ時代には、間引きされた時代がありました。幽霊にもなれず、生きることも出来ない。岩手県のむかし話から生まれた「座敷わらし」も、赤ちゃんや子どもたちの「死」が、存在します。むかし話を絶やさないことは、記憶から消えてしまうという、二つ目の死を迎えさせないことにつながるのかもしれない。そう考えると、弊社に居る3人の座敷わらしが、とても愛おしくなりました。なので、お土産をいっぱい買って帰って来ました。私の会社の座敷わらしは、皆さんにとても可愛いがってもらっています。岩手県には、座敷わらしが住む家がたくさんあります。誰も、怖がりません。ただ、可愛いがっている。そういうお家が多くあります。でも、あんまり物音を立ててうるさいと、「こらっ!静かにっ!」と注意されるのは、生きておる子と同じく怒られますよ。(>_<)人と座敷わらしは、そういう関係です。( ´▽`)

2016年5月26日

本日は・・・。

本日も全国各地から、講演のお申し込みを多数いただき、

それからちょっと量の多い原稿を仕上げて、

夢ハウスへ向かいました。

今日は、弊社に新風を巻き起こした、誠実で礼儀正しく、口数少なく、そして品のある、新人・見習い納棺師と一緒に向かいました。片道2時間の道中、頼まれてもいないのに老婆心で、「心得」を語り、今の期間に得られる様々なことを、息つく暇もないほど語り、彼女にとってはただただ、苦痛な片道2時間、往復4時間!の時間だったのかもしれません。(笑)

思い起こせば、先月のこと・・・。

以前も少しご紹介したと思いますが、私の語りを収録するため、彼女に向かって話すと言うシュチュエーション。彼女は、私のありがたい(⁉︎)話しを聞いていた。

30分を過ぎたころ・・・、
すっかり気分が良くなって、
ペラペラとご機嫌に話し続ける私・・・。
不意に彼女を見ると・・・、
私の目の前で、

寝てた!!!!!!!

私が話している目の前で、寝てた!!普段の生真面目な彼女からは想像もできないこの度胸を、すっかり気に入った私。心中で、彼女に復元を教えることを決めていた。

このときに居た、関係者スタッフ総勢6名。

「若いと、眠いもんね。」
「今日は暖かいから!」
「ご飯を食べた後には、ウトウトするよね!」

私が怒るかとでも思ったのか?なんか、みんな必死で彼女をフォローしていた。私、まだ何も言ってませんけど?(笑)

お役目をいただく講演・セミナー・いのちの授業で、寝ている人は先ず、見たことがない。しかしながら目下、

ここに・・・、こ、ここに!

油断した。ハートをつかめない話をしたに違いない、私の責任である。初心に帰ろう・・・(ちょっと落ち込む私)。18才の新人さんに教わった時間でもありました。確かに、お昼を終えたばかりの、収録の時間でしたから。

きっと、頑張って納棺の過程を習得し、その後に素敵な復元師になってくれることでしょう。

この年になると、色々と吸収しながら、若い子が育つ姿を見ているのはとても微笑ましく、嬉しい。私の現場指導は、期待している分厳しいかもしれないけど、頑張って欲しいと思います。まぁ、弊社の担当指導者が素敵だから(もちろん、私ではない)!いっぱい壁に当たって、しっかり悩んで、目標に向かって頑張りましょう。

でも、今日の車中の老婆心TIMEでは、ちゃんと新人さん、起きていましたよ。毎日練習をして、一生懸命頑張っています。

夢ハウスのお話しは、又、後日にさせていただきます。

ご注意ください

弊社、ホームページのトップページに

「ご注意ください」

の内容で、皆さまに現在呼び掛けています。多数のお問い合わせ等もあり、発覚しました。

私が直接指導させていただいた、専門技術育成コースを受講された方は、修了証をお持ちです。ご確認ください。

今日は上記コースを受講された方、お二人と色々お話ししました。

岩手県宮古市の女性、Nさんと久しぶりに会って、現在の社会問題の対応についてや現場の内容について、

熊本県被災地の現場中に連絡を下さった女性、Iさん。復元の順番と方法について、専門技術育成コースを受講していただいた内容を土台として、お話しをしていました。

専門技術育成コースは、現場で即実践出来るように、その方の目標に合わせた専門的な技術指導になりますので、覚えることもたくさんあって、修了証を手にするまでは、皆さん必死で非常に過酷な講習です。


残念ながら、
受講していない事実があるにもかかわらず、私の弟子であると語り、向き合い方も弊社の考え方とは違う内容を行いながら「参加型納棺」も語っており、あたかもご遺体の修復が出来るような内容も語っているようで、実際には現場経験も少ないことが予測されるような、ご遺体を変化させてしまう又は、復元が出来ると言っていた割には復元を行わないという方が出てきています。このように、私の名を勝手に語り、ご遺族の希望に添わない納棺・復元現場を行っているようです。こういうことは、許されてはいけないことだと思っていますので、弊社でも弊社顧問に相談し、法的手段を進めることに致しました。



すぐに信じず、必ずその場でご確認いただければと思います。このようなことを、この場でお伝えしなければならないことは非常に残念ですが、内容が余りも許しがたい内容でしたので、お知らせ致します。

ご注意ください。


2016年5月24日

暑い1日でした。

子ども夢ハウスおおつちの管理人の吉山くんが、日曜日に実家の熊本県から帰って来ました。

おかえり。

吉山くんの実家が被災していること、私たちもこれから吉山くんと、色々と話しを聞かせてもらいながら打ち合わせをして行こうと思っています。

吉山くんを心配して下さった皆さまへ。引き続き、温かく見守っていただけたらと思います。子ども夢ハウスおおつちと、吉山くんに心を寄せていただき、ありがとうございます。

そして、幸子さんのブログが思いがけず大好評で、ちょっと驚いています。猫や犬なら分かるけど、動きも表情も無いように見える(私にはそう見える)、けれどもけっこう存在感のある、幸子さん(全部布団で出来ているので)を思っていただき、ありがとうございます。とってもファンが増えまして、ご紹介出来て良かったです。

締め切りの原稿も一つずつ仕上げながら、現場に走っていました。

「触ったら、膨らんできた!」

緊急出動でも、走ります。様々な条件が揃うと、人は腐敗が進み、膨らんで(膨張)くることがありますが、人が触ったから膨らむという原理は存在しません。多分、たまたまタイミングが合ったのか?わかりませんが、復元を終えてから説明すると、とても安堵されて、

「びっくりしたぁー!」と、遺されたご家族も、笑顔を取り戻されます。(そんなことが本当にあったら、私もびっくり!)

「これは、どうして起きてるの?」

亡くなられた家族の体に起こったことを、知っておきたいと話してくれるご家族と、説明をしながら過ごさせていただく時間も、大切です。お話の流れの中には、

これまでの経緯と、

その後に、
どのように生きてこられたのか、

それからやっと、遺されたご家族の気持ちを、少しずつお話しして下さる時間を迎えます。

そうやって少しずつ、皆さんが笑顔を取り戻されます。短い時間しか無くても、ゆっくり時間が流れているように感じていただく、そういう努力を一生懸命しています。



マザーテレサの言葉にあるように、

どれだけ
たくさんのことをしたのかではなく、

どれだけ
一つ一つのことに心を込められたのか

時間が無いと慌てるのではなく、ある今を大切に見て、色々探す。お互いにそういう気持ちでつながることが出来れば、きっと素敵で深い時間になるのだと思います。私の大好きな、マザーテレサの言葉をご紹介しました。




2016年5月22日

ビックリしたこと

「最近、二階で足音がしている。」

誰も居ないはずの事務所の二階で、足音がすることは、実はよくある。最近は、頻繁になっていた。

「あ、お腹が空いたのかな?」

まぁ、この仕事をしていると、摩訶不思議な現象に遭遇することは、度々ある訳で。最近なんて、

「おー!」

って、言ってしまうこともある。(笑)

二階の私の部屋には、座敷わらしが住んでいる。誘ってなかったけど、前の事務所から一緒に引っ越してきた小さな子ども二人と、県外に行ったときに、ちょっと不思議な体験をして、小さな子どもに手を握られた感触があったあの時からと、常時3人居る。

岩手県ではよくある話しで、むかし生きていたかったのに食べるものも無い時代に生まれ、間引きされた子どもたちと伝えられているため、座敷わらしの出る家の人たちは、生きてる子どもと同じように接して、可愛がる。だから、桜の事務所の座敷わらしも、みんなに可愛がってもらっている。

時々ご遺族が子どもさんを連れて遊びに来ると、何も言っていないのにスタスタと二階の私の書斎へ上がっていき、何やらお菓子を分けてくれる。お菓子の数を見て、少し驚いた私が、

「何人居たの?」

と、私が聞くと、

「4人!(にっこり笑顔)」

と答える子どもたち。特に、就学前の子どもたちには鮮明に見えているようだ。

ガジュマルの木の妖精と言われる沖縄県のキジムナーも、座敷わらしの様子に少し似ている。沖縄県に行ったとき、地元の色んな人に教えてもらったキジムナーの話しに、ワクワクした。3歳までとも、5歳までとも言われる幼い子どもに姿を見せるらしい。三線(さんしん・沖縄の三味線のような楽器)とおじい(おじいさん)と、おばあ(おばあちゃん)が好きで、三線を弾いている人の後ろで楽しく踊るらしい。屁が嫌いで、魚の左目が好物とも言われ、漁の船にギジムナーが乗ると大漁になるから、「行くぞ〜!」と声を掛けることもあると言う。寂しがりやで、いたずらっ子。一人が寂しくなると、姿を表すらしい。

肌の色は、赤とも、黒とも言われている。座敷わらしも、河童も、赤や黒の肌の色を持つ子も居る。河童は他に青、緑がある。遺体の専門職として、この子たちの色を考えたとき、どの色も、人が死んだときの色として見ると、その背景や様子がどのようなものだったのか、想像が付く。胸がグッとなる。

幽霊にもなれない、生きていることも出来ない彼らを面倒見ようと、昔からお年寄りは可愛がって来たものだ。

だから、(あ、一人増えてる・・・。扶養が増えた。今度、お菓子を4つ買ってこないとならないな。)と思った。

雨の日は、座敷わらしの足音も盛ん。

「お仕事が出来ないから、少し静かに歩いてね。ジャンプ、今日は禁止!(階段をけっこうジャンプしているので)」と、足音に声を掛けることもある。

と言うことをなんとなく思い出しながら、今日、事務所の鍵を開け、一階の窓を開け、二階に上がりながら、

「あ、そう言えば明け方、警備会社のセンサーに反応したと言って、二回来てもらってたっけ。しかも、私の書斎でセンサーが作動したって。」

座敷わらしかなぁ?と、事務所の中で話していたら、

「まさか、警備会社に「座敷わらしが住んでいる部屋です」なんて、非現実的なことは言えないから、ちゃんと部屋を見ておいてください。」

なぁんて、社内で注意されたりなんかして。(笑)

そりゃ、そうだ。
そりゃ、そうだ。
言えない、言えない。
「座敷わらしです。」なんて、警備会社に。(笑)

しかしこの世界は10次元あると言われる中の一つな訳で。立派な大学の教授が「ブラックホールは、10次元無いと成立しないと、某テレビでやっていた。」と、講演のときにお坊さんが教えてくれた。「あの世や幽霊が、存在するのか?」よりも、「自分も存在しているんだから、他が存在していても良いんじゃない?」の回答は、素晴らしく納得出来たものだった。

自分を見失ってしまう情報ではなく、自分を見つめたり、成長させたりするための情報である、そういう意識と情報との付き合い方が大切であると言うことだと思う。

そっか、そっか・・・、

そして引き続き二階の窓を開けるため、私の書斎へ入り窓を開け、お菓子の賞味期限を見て、「ん、全然大丈夫!」と確認をして、セミナールームに入ったとき、

ビクッ!!!!!!!

幽霊にも、座敷わらしにもビクッとしない私、幸子さんに思いっ切り驚いてジャンプしてしまった。

「んもぅ、幸子さん〜、びっくりしたぁ〜!」(二つ前の「幸子さん」のブログを参照ください)

幸子さんは、ただ横たわっているだけ。何か誰かに危害を加えている訳ではありません。「私が勝手に、幸子さんにビックリしちゃった」と、言う話しに、長々とお付き合いをいただき、ありがとうございました。ε-(´∀`; )


死後変化と心情の関係

亡くした大切な人の体に、何かが起こっていたとしたら?私が伺う現場の中では通例でも、

人が緑になったり、
黒になったり、
鼻から小バエが出てきたり(現在は新種のハエが居ます)、

そういう情報は一般社会の中では、なかなか耳にしません。知り得ないことが起こる。ご遺族の立場から考えると、そうなのかもしれません。だから、現実に自分の家族に、そのような現象が起きれば当然、驚き、自分を責めながら考えてみたり、悲しみに落ち行くことが多くあります。

どうして?
なぜ?

と現場で質問される内容の中には、知りたいこと、知っておきたいこと、その中には大切な家族を守りたい気持ちが含まれていますから、質問の意図をしっかりくみ取り、その人に合った答えを噛み砕いて伝えます。

この人に聞いて良いのかな?
答えてもらえるのかな?
聞いてみたいな?

そう思って、きっと勇気を出して聞いてくれていると思います。

ご遺族とお話する中で、進めていく会話の中に、宝物を見つけることもあります。

「これは、誰がつけてくれたの?」

亡くなら方に絆創膏が貼られている時に聞く、質問です。

「お母さんが、痛そうだったから。」

兄弟で話し合って、共同作業で貼ってくれていました。この仕事をしていると、見逃してはいけないことに、こうして出会うことがたくさんあります。

「じゃ、これは(絆創膏)取らないでおこうね。でも、貼るの、大変だったでしょ?」

現場から確認出来ることとして、絆創膏のまわりは血だらけで、大変だった様を物語っていました。そっと言葉を添えて問うたとき、どれだけ大変だったかの話しに、花が咲きます。

「いつも、大丈夫だよ。って、貼ってくれたんだよ。」

いつものことを、いつも通り出来る環境を、そのまわりの人たちが叶えてくれていることもあります。お話をしてくれるその話の中心は、亡くした大切な人を思う気持ちと行動が、遺された家族を支えてくれていたこと。亡くなられた方との生きていた時の関わりが、彼らの気持ちの持って行き方と行動を決めて、亡き人の存在が支えていました。

本人は亡くなったけど、関わりは生きています。関係性が変わらないよと、それが確認出来れば、きっと自分の足で生きてもらえるのではないかと、現場の中で一緒に様々なことを進めて、お手伝いをする中で願わずにはいられません。

家族の体に起こる現象に対してショックが大きければ、そっと触れるか、後ずさり、立ちすくむ。そういうことが多いけれど、その後にどうにかしたいという気持ちになれば、必死に何かに挑むことは、言うまでもありません。

現場に伺う度に、初期のご遺体のお手当ては必要なんだと、胸がギュッとなるほど痛感します。

大切な人が笑顔で、心の中に生き続けてくれますように。どのような死を迎えたのかは、誰もが通る通過点。お手伝いをさせていただく理由は、その方が何を大切に、どう生きたのかを見ていただけるように。そう願い、毎日現場に走っていました。

2016年5月19日

幸子(さちこ)

春に、復元師を志す新人が弊社に入社しました。とにかく今は、参加型納棺師としての様々な基礎的な練習を積み重ね、情報を自分に組み込む作業をしています。そうです、新人さんは色んなことを覚えないといけません。私を含め、ベテランさんたちの指導が時折入りますが、基本的に普段の練習時の彼女を支えてくれる、彼女の親愛なる幸子さんをご紹介します。

重さは、痩せ型の大人の女性くらい。大きさは、ちょっと幅のある感じです。人は、物ではありません。ご遺体も、物ではありません、人です。だから、布団で作っていますが、ただの布団ではありません。そうです、名前を付けないと、情が湧きません。なので「幸子さん」と、みんなで呼んで親しんでいます。

練習は、本気で挑まないと何も身に付きません。練習をしなければ、何も人の役には立てません!fight!!






チョウチョ(蝶)

夏に向かって気温も上がる、今の時期です。季節の変わり目も、ご遺体は周りの温度と同じくなろうとする特徴を持つので、お体の管理を考えたとき、故人の状態に合わせながら色々と行います。今の時期の、管理の特徴があります。そして、ずっと現場に走っていますが、やっぱり暑くなって来て、汗だくです。

過去の想い出話しを含め、納棺終了後にご遺族と縁側で少し、お話をしていたときのお話しです。モンシロチョウが飛んできました。

「昔から、チョウチョは亡くなった人が会いに来ていると、言われてますよね。」

ご遺族が言いました。ホタルも、セミも、昔からの風習で「死者の使い」と呼ばれることがあります。

死者の使いかどうかは分かりませんが、大切な人の「死」を経験した人で、悲しみに暮れる経験をされたご遺族は、自然に対して慈しみを感じるようになる方が多く居られます。

自分が、家族が、周りの人が、みんな自然の一部であること。それを感じたとき、命ある万物が愛おしく感じることがあります。

返事が返ってくるはずのないお花に、「きれいだね。明日も、頑張れる?」と話し掛けたり。返事を求めているわけじゃない、存在してくれていることが、愛おしくなる。悲しみは、そういうことを、教えてくれる存在です。

私の腕に止まったチョウチョ。

「どちら様ですか?」と、ご遺族が話し掛けました。でも、ずっと止まってる。

「お出かけしないんですか?」と、なかなか飛び立ってくれないチョウチョに、続けて話し掛けていました。そして、

「あ、このチョウチョね、うちのお父さんかも(笑)頑固で、怠慢だったから。」

二人で、爆笑。大切な家族のブラックジョークを、笑顔で言えるようになっていたことは、色々と一歩踏み出して生きて来られた証でもあります。

「だけど、お父さんね、優しい人だったんだよ。」

人は、こんなに良い表情を持っているんだと言うことを、また教えてもらいました。

チョウチョが飛んで行ってくれないとき、私は思っていました。

もしかしたら、現場の前に食べたチョコレートが腕に落ちたか何かで、それに寄ってきたのかな?(笑)

いずれにせよ、何の評価も求めず、花粉を運んで花を咲かせ、種を運んで蒔き、小さないのちが大きな自然を作り上げている、そういう風に存在してくれるだけで癒してくれる虫たちのの偉大さを知った時間でした。

注(但し、ご遺体に付いた虫は復元時にご遺族がショックを受けること、ご遺体の損害を著しく起こすので退治します。あしからず。)




2016年5月16日

ご支援に感謝です。

子ども夢ハウスおおつちを中心に、

お花の苗を120!!

ご支援いただきました。ありがとうございました。先日、講演でお邪魔した日立市のワイズセレモニー式典様、社長様のご友人のお花農家の方からのご支援です。つないでいただきましたK藤さんにも、感謝を申し上げます。

お届け先は後日、又、この場をお借りして報告したいと思います。吉山くん、N先生が奔走している熊本県にも、送らせていただこうと思っています。ありがとうございました。




日総研さん、名古屋セミナー

14日は関東からも、名古屋の会場にお越しくださった方が居られました。医療・介護職の皆さまに向けた、

「エンゼルケア・死化粧とグリーフケア」

の講座です。

昨日は、ER、ICU、小児癌センター、小児科、急性期、慢性期、療養病棟、高齢者施設の方が特に多くお出でになられました。総看護部長、師長、主任と言う管理職の方々、そして「中間管理職で、上と下に挟まれる立ち位置、今しか出来ないことがある」と笑顔で教えてくれる素敵な看護師さん方々。

セミナーの終盤は、多くの技術提供をした分?皆さんが放心状態。

「大丈夫ですか〜?」

と、私が声を掛けると皆さんが大笑いしたけれど、伝える私も、実はすでにクタクタで疲労もピークに達していました。でも、共有出来たことは、一人一人が出逢った大切な人を想っていたということです。患者さん、利用者さん、家族・・・。疲れはピークでも、心は温もりでいっぱいだったと思います。

セミナー終了後には、日総研担当者さんの案内もあり、恒例のサイン会を行いました。沢山の方々が並んでくださり、お一人お一人の現場の質問に答えさせていただきました。

最後の方の質問を終えて時計を見ると、セミナー終了から2時間弱が経っていました。思いやりの深い方々のお話しを伺って、夢中で質問やお話しを聞き、答えた素敵な時間は、あっと言う間に過ぎるものです。アインシュタインの相対性理論でもうたわれている通り、対象により、時間は長くもあっと言う間に感じるほど短くも、過ごした時間は同じなのに、時間の流れの速さが違うように感じます。

現場に居て感じることは、「グリーフケア」には実は沢山の種類があって、立ち位置によっても違うし、求められること、状況や環境により目の前の方に合わせて変えていかなければならない対応・応用力も必要です。その一つに「自分の悲しみや苦しみ、辛さから生まれてくる思いやり」という、経験したからこそ身に付けることが出来る、悲嘆の援助力があるのだと感じます。

悲しみや苦しみの中にある、「なぜ?」「どうして?」は、自分の中にある何かが動き出して、力を付けるとき。誰かの、何かのせいにすることなく、大切なことを見付ける時間。大切な誰かや、何かに対する思いが、その苦しみの時間の中で自分と向き合ったとき、自分が大切にしていたことを見付けたとき、自身の気持ちを揺るぎないものにするのだと思います。守りたい大切な人や何かに向けて、人が持つ思いやりがしっかりと目覚め、力を付けるときなのかもしれないと、現場に居て深く感じることが多くあります。

セミナーの中で、私の体験談も組み込みました。私も、最初から何でも出来た訳ではありません。

初めて人前で、お髭剃りをさせていただいた時のことです。緊張で、手の震えが止まらず、亡くなられたお顔にカミソリを当てようとしたとき、「トントン・・・、トントントン」と肌にカミソリの歯が軽くあたり、心の中で「頑張ろうよ私!(震える右手を、左手で押さえながら)キャベツの千切りじゃないんだから!」と、思ったものでした。その現場では、手の震えが止まるまで、お顔剃りを後回しにしたのでした。「新人」「初めての経験」は誰もが通る、通過点です。但し、続けることと続け方、その方法を見付けるのは、その人次第。

復元の依頼をいただき始めた初期。「出来ないかもしれない」「無理かもしれない」と最初は思うものでした。復元が形になったのは、「お母さんね、チューリップが好きだったんだよ。」と、小学生の息子さんが私の隣に立ち、私を見上げて、つぶらな瞳で言葉を大切に使いながら、教えてくれた現場がありました。それは、昨日まで元気だったお母さんがな亡くなられた現場でした。「この子のために、出来ることから全力でやらせてもらおう。」そうやって、遺族が大切にしている想い出を勇気に変えて、自分を奮い立たせ技術に変える。その言葉が無ければ、勇気は出なかったかもしれない。そういう、立ち位置や役割は違うけれども、共有し、つながっていく時間の中で、お互いが大切な存在になったとき、不可能が可能になっていくんだなぁと、一件一件が、学びの現場でした。人の話しを聞いていると、その言葉の中に、自分の正直な気持ちと出会っている気がすることがあります。多くの現場で、ご縁に尽くすと言うことを、教えてもらいました。

今は、目の前に亡くなられた方が居られて、ご家族が求められるのであれば、対面をさせていただいてから、全体を拝見して、頭と心の中で、おおよその技術の組み立てをして、掛かる時間をお伝えして、スタートします。

私には教えてくれる先生も居なくて、とても孤独な時期がありました。でも、それは私が勝手に思っていただけ。亡くなられた方に、触れさせていただいて、遺されたご家族にその人生を教えていただいているのに、孤独な訳が無いじゃないかと、悩み続けた毎日の中で、ある時気が付きました。

人は、自分自身を追い詰めることも、自分を慰めることも、本当は色々と出来る生き物なのかもしれません。

だから、最初から何でも出来た訳じゃない。苦しみや、悲しみの中から生まれたものが、私にも沢山あります。

そんなお話しを組み込み、セミナーを進めさせていただきました。

仙台と名古屋のセミナーを終えて、今回の講座は6月が東京、7月が大阪、9月が岡山、移動して福岡のセミナー会場にて行われます。お申し込みは、弊社トップページでもご案内致しております、日総研さんまでお願い致します。会場で皆さまにお会い出来ますこと、楽しみに致しております。

2016年5月10日

マンツーマンセミナー

昨日は、10時〜18時までのマンツーマンセミナーでした。

死に携わるお仕事、その役割や立ち位置は様々です。昨日の受講生の方は公務員の方でしたが、使命感が強く、その置かれた状況の中で、いのちとの関わりを大切にする方法や、技術を現場と照らし合わせながら習得されました。本当に、お疲れ様でした。

マンツーマンセミナーのコースは、職業や、現在現場で抱える課題に合わせて、様々な種類があります。受講の際には、メールにて現在の課題を含めて、お気軽にお問合せください。弊社担当者から追って、ご連絡をさせていただきます。

月により、講演やセミナーのスケジュールが立て込んでいて、お受けできない月があります。お手数をおかけしますが、ホームページ上でご案内申し上げております弊社代表のスケジュールをご確認の上、お問合せください。

お知らせ

吉永みち子さんの新刊著書に、弊社代表・笹原が紹介されています。是非、ご購読くださいませ。お知らせでした。


2016年5月8日

茨城県日立市で講演

茨城県日立市で、90分の講演をさせていただきました。日立市の気温は25℃を超える暖かさ。ツバメも飛んでいて、暖かい季節の到来を感じました。

講演は「後悔しない生き方」という演題で、進めさせていただきました。置かれた状況や、環境の違いはあると思いますが、死の現場からお伝え出来る情報として、後悔しないために必要なことを少し、お話しさせていただきました。

たくさん悩むことと、
悩み方を間違えないこと。

という二つをお伝えしました。

たくさん悩んで、決断したことは「覚悟」に変わります。だから、振り返ったときには「あれだけ悩んで決めたこと」と、自分が自分を支えられる存在になっていると思います。

「私が、お母さんのお化粧する!」

小学生の子の決断のお手伝いを、現場でします。数年後、彼女は言いました。

「あの時、ありがとう。」決断は、その人自身を支えます。

人に決められたことは、人のせいになりやすい。感情の中に依存心などが出てしまえば、悲しみを理由に、何事も人のせいになりやすい特徴があると思います。「そう言われたから」「勝手にやられた」が、そうです。そうならないように、ここは、気を付けたいところです。

悩んで決めて「覚悟」を決めたとき、行動に移ることも多くあると思いますが、このとき注意したいことは、それが自分自身で責任を取れることなのか。人に迷惑が掛かっていないか。一生懸命向き合えることか。誰かの笑顔につながることなのか。

「一生懸命やってたら、たくさん人が応援してくれるようになったよ。」

遺族ケアを続けていく中で、一番嬉しい言葉です。家族を置いていかなければならなかった、亡くなられた方がきっと、とっても安心されていると思うから。

それはきっと、自分の中にある悲しみを持つ自分の、笑顔につながると思うから。

そして悩みごとは、「心配」という感情を生みます。

心配する気持ちは、思いやりの証拠。押し付けるような自己を主張する感情ではなく、大切に両手ですくい上げるような心配の仕方をすると、きっと気持ちは通じ合えると思います。等々、いただきました90分のお時間の中、お話しをさせていただきました。

さて、それを自分が出来ているかと問えば、そうでもありません。(笑)そうなれるように、努力をしていることは、間違いありませんが。

講演終了後には、サイン会と握手会。本にサインを入れさせていただきました。親指が少し痺れてきたけれど、皆さんの笑顔に励まされ、150冊。

ワイズセレモニー式典様を中心に、マンツーマンセミナーを岩手県まで定期的に受講してくださる工◯さんを中心に、社長様、職員の皆様に大変お世話になりました。多くのご遺族の皆さま、たくさんの皆さまにご来場いただきました。たくさんのお土産、プレゼント、花束、ありがとうございました。

皆さま、お一人お一人のご活躍を、心からご祈念申し上げます。

2016年5月5日

子ども夢ハウスおおつち

子ども夢ハウスおおつちでは今、藤原代表が帰って来られています。

藤原代表が帰って来られると、実は来客も多いので、子どもたちは色んなお仕事の人と会えるのです。社会の中に、どのようなお仕事があり、役割があるのか等々、藤原代表が話してくれる話しを、身を乗り出して聞き入る子どもたちの姿が見られます。これは、立派な社会勉強。生きていくために、必要なお勉強です。知恵をいっぱい、もらいます。

「搜索に行こう!」

と、未だ家族の帰りを待つ子どもたちは、私を海へ誘います。搜索の仕方が全くわからない、頼りない大人の私は、掘りやすい海岸へ。

私「ありゃ、工事中だね。」
子どもたち「こっちから、入れるよ!」
子どもたち「あ!服が流れてきてる!」

現在も、沖から色々な物が流れてきます。お茶碗の欠片も、家のレンガもブロック塀も、波にもまれて角が丸くなっています。

子どもたち「誰のお家だろうね?」

レンガを見つけて手に取り、そうつぶやきます。搜索活動だったはずの時間は、砂山を作ったり、石投げになったり、砂に絵を描いたり、様々な遊びに変わります。遊べる広場や公園も無いに等しい、復興中の沿岸部。夢ハウスでは車で大きな公園にお出掛けして遊んだりしているそうです。しかしながら子どもの冒険心と運動量は、いつ見てもすごいと思います。

子どもたちが教えてくれた、怖いものベルト3

3位、知らない人の幽霊(家族や、知ってる人なら大丈夫らしい。)

2位、地震

3位、津波

地震があると、津波を思い出す。足が動かなくなるんだと、子どもたちは話してくれます。そのことについて、みんなで話し合って、一人一人が経験したこと、考えること、どうしたら良いのかということを、意見交換していきます。悲嘆を知っている子どもたちは、悲しみの中で出した他の人の答えを否定はしません。

「そっかぁ」

お友だちの気持ちを、きちんと受け入れてから自分の意見を伝える術を、震災を経験し、たくさんの人に愛され、支えられ、身につけました。

やんちゃ盛りの子どもたちのやんちゃを、どこまで養えるのかな?大人の側の課題でもあります。

悲しみを理由に、良くない行動を取る時には話しを聞き、注意します。良いことと悪いこと、誰かに迷惑のかかるようなこと、心配を掛ける度合い、そういうことも伝えます。きちんと考える力を、付けてもらいたいという、老婆心でした。

皆さまのご支援、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。管理人である吉山くんは、現在も故郷の熊本県に居ります。引き続き、温かく見守っていただければと思います。心を寄せていただいている皆さまへ、心から感謝を申し上げます。

2016年5月4日

気持ちの移行について

毎日、色々なことがあって、色々な現場があって、色々なお問い合わせもあって、考えなければならないことが、山積みです。

いただいたお問い合わせの内容を組み込んで、以下にお答えします。ご確認ください。

ずっと現場に走っていましたが、一件一件の現場の中でも、背景も死の迎え方も違い、社会問題に直面すことも本当に多く、目の前の課題をご遺族と一緒に考えたり、心ないと感じてしまう言葉を掛けられたと泣く、ご遺族の気持ちを伺いながら答えを探したり、本当に忙しく過ごしていました。

ご遺族のお話しを真剣に伺うのは、誰かに何かに対して「憎い」「腹立つ」という言葉から始まることも多い納棺の中で、悲しみを理由に生きる意欲を失ったり、あきらめたり、誰かのせいに、何かのせいにする時間からの、次のステップへのお手伝い。誰もが通る道だから、実はここが大切な時間であることもあるので、否定はしません。

苦しむ時間の中にあるのは、考え抜くこと。考え抜いて出した答えには、きちんとした芯が出来ます。だから、その芯が揺るぎない人生を歩むため、生きていくために、大事なことが多いと思います。ここでは「本当に苦しかった」「辛かった」と、ご遺族の言葉も過去形になっていきます。

次のステップにあるものは、悲しみから沢山の宝物を探して、その一つ一つを糧に、力に変える。生きるための力を蓄える時間を、迎えます。私は急死の現場に、多く声を掛けていただくことも多いのですが、ここでは内容をしっかり見て考えていただけるように、こちらがきちんと精査していくことで、ご遺族の笑顔が見られるようになります。はにかんだり、想い出して笑ったり、表情が豊かになっていきます。きっと、亡くなられた方の笑顔を、想い出されているのでしょうね。

お手伝いとして私が出来ることは、亡くなった大切なご家族の体に起きた変化に対処して、安定させること。状態が安定していないと、その方がどう生きたのかを見てもらえないから。

そこから、「いのち」や「生きる」話になっていきます。「死」と「生」はセットです。生きていたから、死があります。生きていた証拠を、死が証明してくれます。死を迎えて、その人がどのように生き、何を遺してくれたのかを、遺された人は考える時間があります。その時に悲嘆が存在するから、死のショックを持って、深い記憶まで辿り着き、探す力が人にはあると思います。

いのちが大切であることを伝えるのも、話し合うことも、生きていることを意識して、生き方を大切に考えてもらえることにつながるから。

自分寄りで物事を考えると、とても悩みます。でも、それも通過点。色んな通過点を経験して、人は生きていると思います。

悩んだ経験がある人は、寄り添い方を知っています。人の言葉に傷付いたことのある人は、傷付かない言葉の伝え方を知っています。死を深く考えたことがある人は、死を感じる力を持っています。

経験して悩み、答えを探すという流れは、人間力を養うために非常に重要であると、思います。ご遺族には、そういう方が多い。さり気なく話してくださるお話しに、人って素敵だなぁって、とても癒されます。だから、私はご遺族が大好きなんだと思います。