2016年7月28日

怖いはなしシリーズ17

「おしょうらいさま」

お盆が近いからでしょうか。不思議な話を耳にすることも増えてきました。御先祖さま、あの世から帰って来る人を「お招霊(おしょうらい)さま」と呼ぶ人も居ます。

「お招霊(おしょうらい)さん、ちょっと早く来たかも⁉︎」

と話すコンビニの店長さんは、

「なんか夜中の12時過ぎると、店の自動ドアが勝手に開いたり、閉まったり。店に居るお客さんが「えっ⁉︎」って自動ドアを見てびっくりしてたり。ありえないけど、冷蔵庫の照明の方の電気が勝手に消えたりするんですよね。朝の4時頃まで、頻繁なんです。お招霊さん、もう帰ってきたのかなぁ?早く帰ってくることは良いんですけど、電気が点いたり消えたり、自動ドアが勝手に開いたりするから、電気代が掛かる(´Д` )」

それは、そうだ。どうせならこの時期は、せっかく来店してくれるあの世の人のためのポイントカードも必要かもしれないね。と、話していました。海外なら、ゴーストショップとか言って、ずいぶん流行ると思います〜♪( ´θ`)ノ

「テレビが勝手につくんです。つけるの良いけど、消してくれないと困る。お招霊さんに、テレビの消し方を教えないと。だって、お母さんに怒られちゃう!」

と話してくれた高校生。まずはリモコンの使い方から、教えてあげないとね。むかしの人から見ると、時代が変わってるからね。だけど帰ってくるのが早いですね、もしかしたらあの世も、交代制になったのかしらね?お盆期間中の早番と、遅番ね。

「夜中に家の中で、人の歩く音がするんです。しかも、最近頻繁で、寝不足。お盆が近いからお招霊さんが、早めに帰ってきたのかなぁ?」

と話してくれたサラリーマン。歩くなら、日中にしてもらえると助かりますね。寝ないと、体が持たないもんね。旨の内を打ち明けて、活動は日中でお願いしたいと、相談をしてみたらどうでしょうね?きっと、了解!って言ってくれると思うけど。

私に話してくれる人は、みんな大切な人を亡くした経験のあるご遺族ばかりです。一般的に怪奇現象と呼ばれる現象との関わり方も、なかなか個性があって、人情味があってステキです。

日本の伝統文化とされ、大切にされて来た、お盆。

お盆の初日のお迎えの日は、
キュウリに割り箸などで首と顔、手と足を刺して作った「馬」で早く帰ってきてくれるように(精霊馬)、仏壇に供えます。お盆の入りの日には、玄関の前で松明(たいまつ)を焚(た)いて、迎え火を。

帰るときには、茄子に同じく割り箸などで手と足を作った牛で、ゆっくり帰ってもらえるようにと思いを込めて作ります。玄関の前で、松明を焚いて「またね〜!気を付けてね〜」と、御先祖様のお見送りのために、送り火を。

そんな風に御先祖さまや、あの世へ逝った大切な人たちを迎えるためのお盆が近くなり、その準備も忙しくなり、おしょうらい(お招霊・御先祖様や亡き大切な人)さまへの思いが少しずつ増して来ている、今時期のようです。

大切な家族を亡くした人たちにとっては、やっと帰って来てくれる時期を迎え、誰にも気兼ねなく、亡き人を偲べるお盆。会う人、会う人から想い出話しをたくさん伺える期間でもあります。

お盆前から始まる、不思議な現象(怪奇現象)は、お盆が終わるとスパッと無くなるのも、お盆の特徴です。

ちなみに岩手県では、「座敷わらし」と呼ばれる、むかし病気や様々な時代の事情で生きることが出来なかった小さな子どもたちの存在がありますが、

存在を知られず、誰にも拝んでもらえなかったため、この子たちは幽霊にもなれず、お空にも上がれず、気に入った家に住み着いて暮らしています。

なので、帰るところが無いので年中居ます。桜の事務所にも、時に誰かに姿を見せたり、気に入った人には物を落として見せたり、何とも迫力の無い怪奇現象を起こし、足音を立てて走り回る座敷わらしたちが居ますが、納棺にご縁をいただいた方々が自分のお家にお帰りになり、桜に寄ってくださった時には、きっと遊んでもらえるでしょうね。と、ご遺族の皆さんと話していました。「ばぁちゃんに」「母に」「祖父に」「姉に」「娘に」「息子に」お盆に帰って来て、その帰りには桜に寄って、座敷わらしと遊んでねと、言っておきます!

この仕事をしていると、怪奇現象は日常茶飯事、普通に毎日起こります。そんな中、あの世も、この世も関係なく、みんなに可愛がってもらえる座敷わらし。今が一番、幸せなのかな?と、みんなで話して、座敷わらしを思ってくれる人の気持ちを教えていただきながら、こちらも癒されるそんな毎日を過ごして居りました。

2016年7月27日

日総研大阪セミナー

会場は大都会の中にありつつも、近くの公園にある木には、会話をしようにも人の声が全然聞こえないくらいのたくさんの蝉が鳴き、気温も33℃の猛暑の中、多くの皆さまが会場にお集まりになりました。

「前回のセミナーに申し込んだけど、緊急が入って来れなくて、今日やっと来れました!」

日総研さんにお世話になって四年目、全国主要都市を、1年に1つ〜、年によっては2つの講座を掛け持ち、まわりました。会を重ねるごとに、そう声を掛けていただくことも増えました。

今回ご参加いただきました皆まは、看護学校校長・教員、緩和ケアチーム・緩和ケア病棟・ER(救急センター・救急救命室)等々。大学病院、国立病院、県立病院、総合病院、訪問診療・看護、介護施設等々。飛行機や新幹線に乗り、片道2〜3時間掛けて来たと教えてくださった方々も、居られました。

仕事をしていると、自分の人生を変えるような出会いがあったり、言葉に出会ったり、忘れられない人が居たりするものです。今、ご縁をいただいている方のことを思い、夜勤明けでこのセミナーに参加してくださる方も居られます。

セミナー終了後のサイン会&質問timeには、参加された半分以上の方が並んでくださり、少しずつではありますが、皆さんお一人お一人とお話をさせていただきました。

その中で三分の一は認知症や介護の話しになりました。現代は認知症も介護も増加傾向にありますが、一般講演に伺えば、家族単位で悩んでおられる方も大勢居られます。どうか、医療や介護のプロの人たちとつながっていただいて、関わり方や、生活のリズムの作り方を教えてもらって、穏やかな時間を過ごしていただけたらと、思っています。私も、母の介護のときは本当に色々なことがあったけど、いっぱい助けてもらいました。

認知症の患者さんを担当する、看護師さんのお話し。

「お誕生日会があったんですよね、その時の写真が出来上がったので、お届けしたんです。「写真が出来ましたよ」って。そうしたら、ご本人がね、

「この人、だぁれ?」

って聞くんです。だから、言ったんです。

「素敵な方が、写ってますね!」

って。そうしたら、

「本当にね、素敵な笑顔の人だね。」

って、喜んでおられましたよ。」

「そういう素敵な切り返しが出来るのが、プロですよね。私、そういう切り返し、大好きですよ。」と、私もお伝えしました。

認知症についても近所の高齢者施設や、行政の窓口、保健センター、病院や診療所など、地域には専門とするプロの人たちが居ます。どうぞ、力を借りてください。お互いの気持ちが通じる時間が訪れますことを、心よりお祈り申し上げます。(私も母の介護で、いっぱい助けてもらいました)

小学生の男の子が、おじいちゃんの介護をお手伝いしていたと教えてくれた納棺の現場がありました。彼は、教えてくれました。

「人は怪我をすると、そこをかばおうと体が反応するんだって。人同士も、同じなんだよって、じいちゃんが言ってたよ。」

彼は介護を経験しているので、車椅子でお別れに来られた方を迎えに行き、自然の流れの中で手伝ってみたり、泣いている人にティッシュをさり気なく渡してみたり。

そして、誰も居なくなった時に棺のスライドする窓を開けて中を覗き、おじいちゃんの頭を撫でていました。介護は心がつながれば、人の思いやりの心を育ててくれるものなのかもしれません。私は亡くなられた彼のおじいちゃんに、彼の思いやりある姿から、色んなことを教えていただいたと思います。

セミナーでは、実体験の中から様々に、皆さんの現場に合わせてお伝え致しました。1つでも多く、技術をお持ち帰りいただけるように、そしてその技術が、誰かの笑顔や安心につながることを願い、たくさんいただいた質問も組み込みながら、進めさせていただきました。これからも、皆さまの益々のご活躍をお祈り申し上げ、10時〜16時(その後サイン会&質問time)を終えさせていただきました。大変、お疲れさまでした。また皆さまにお会い出来ますことを楽しみに、私も研鑽して参ります。ありがとうございました。

追記、
さすが大阪。質問用紙の内容は、質問の次に突っ込みが入り、終わりにはオチがある。患者さんや利用者さんを深く思い、守りたい気持ちがよく伝わってくる、何とも素敵な質問用紙を拝読しながら、時々クスッと笑いが出てしまう、温かくも微笑ましい気持ちになりました。

気持ちが温かくなる話し

出張先で少し時間があったので珈琲SHOPに入ったら、ダンディな高齢の男性がコーヒを飲んでいるのが目に入りました。むせている音がして振り返ると、さっきの高齢の男性でした。大丈夫かなぁ?と思って見ていたら、むせながら言葉切れ切れに、

「こんなに美味しいコーヒーを、飲んだのは初めてだ。」

と、言っていました。話している相手は、高校生くらいの男の子で、恐らくお孫さんのようで、その子はウンウンとうなずいて

「おじいちゃんはコーヒーが好きだから、飲ませてあげたかったんだよ。」

と言っていました。高齢の男性は、むせてなのか、そうじゃないのか、ティッシュで涙を拭いていました。

ふと見るとお孫さんは、足の不自由なおじいちゃんの杖を、ずっと手に持っていました。孝行って、こちらまで素敵な気持ちになるものです。おじいちゃんはお孫さんに、支え合うことや、思いやることなどを身をもって大切なことをきちんと伝え、教えて居られるんだなぁと尊敬した時間でもありました。

普段の生活の中にある、思いやりのキャッチボールが、お別れの時間の中では大切な宝物に変わります。

「当たり前のことが、普通だと思っていたことが、こんなにかけがえのない大事なことだったんだ。」

納棺の現場でよく聞く言葉の中に、生きている時に大切にするヒントが、実はたくさんあります。死の中にある様々なことは、色々な生き方を教えてくれます。微笑ましい光景に出会い、気持ちが温かくなりました。

2016年7月21日

復興教育授業

北上市立飯豊中学校からのご依頼で、三年生116名と保護者の皆さまに向けて、復興教育授業に伺いました。

校長先生は、東日本大震災発生時に、釜石東中学校の校長先生をされていました。校長先生の東日本大震災時のご経験から、現在は「防災教育授業」「復興教育授業」など、校長先生としての職務をされながら、多くの子どもたちに東日本大震災を伝えるため、県内外の授業に飛び回っておられます。

前回は、校長先生の防災教育授業を受けた皆さん。今回は、私の経験からお伝え出来ることを、校長先生からバトンタッチして、中学生の皆さんにむけて咀嚼(そしゃく)しながらお伝えしました。皆さん一人ひとりがしっかりと事がらを噛み締めて、自分の中に組み込みながら聞いてくれた、とても良い雰囲気の授業でした。

東日本大震災から5年が経ち、春から少し内容を変えている、復興教育授業・いのちの授業です。昨日は、中学校三年生であることで受験というプレッシャーとの向き合い方や、悲しみやショックを経験したときの皆さんの体の仕組みについてと、生と死に於いて体に起こる違いについて、ミトコンドリアの話しを加えて、お話ししました。皆さん、興味津々、身を乗り出して聞き入ってくれた時間になりました。

「ミトコンドリアについて(中略)(少し歓声の声が上がる)。

人はプレッシャーを前にしたとき、悲しみや苦しみを経験したとき、その中で孤独感に押しつぶされそうになることもあると思います。(みんな、何度も大きくうなずく)

本当に1人だと思いますか?
本当に孤独だと思いますか?
(みんな、えっ?っという表情)

ミトコンドリアについて、もう一度考えてみましょう。(中略)ということで、例えば自分の腕を、よく見てみて!はい、もっとよく見て!皮膚があるでしょう?

皮膚には、細胞があり、細胞はミトコンドリアなどから成ります。ということは、皮膚の中には母方の御先祖さんが、みんな居てくれる訳ですよ。トメさんも、ツルさんも、カメさんも、正子さんも・・・、正子さんは、私のおばあちゃんだけどね。(笑)(みんな爆笑)

じゃ、もう一度腕を見てください。今度は、血管が見えるでしょう?血管の中には、父方の御先祖さんが、いっぱい居てくれます。トメ吉さんも、ツル吉さんも、カメ五郎さんも居ますよ。

1人の人の中に(中略)、父方の、母方の御先祖さんが実はいっぱい存在し、共に生きてくれています。だから、誰も1人ぼっちではない。世の中に、1人ぼっちの人なんて、実は1人も居ないんですね。

それが(中略)、ミトコンドリアです。ひとのミトコンドリアを調べたら、この人が誰なのか、調べたい代の御先祖さんの生活も、体から知り得ることは色々分かります。(中略)これがミトコンドリアDNAである訳ですね。

だから、プレッシャーに向かうときも、受験を頑張ってるときも、1人で頑張っているように感じても、実は御先祖さんがいっしょに頑張ってくれています。

悲しみも、苦しみも、辛さも、喜びも、みんな共に、実は何でもいっしょに過ごしてくれています。ね、1人ぼっちではないでしょう?(みんな、目がウルウル。大きくうなずく)

人が持つ、1つ1つの感情と向合うとき、プレッシャーの向こう側にはね、自分が今まで知らなかった世界があり、チャレンジした人にだけ限り出会える、ステキな世界があるんです。もう、頑張れますね?(みんな、大きくうなずく)

そのようなお話しをしながら、70分皆さんといっしょに「生きること、死を迎えること。」「逝く側と残される側の気持ち。」「意識して生きることなど」、東日本大震災の体験談を組み込みお伝えしました。

「東日本大震災発生後の安置所の中で、家族を探しているときに、何度も笹原さんを見掛けました。いつも、棺の傍で家族の人たちとお話ししていた姿を見て、一度で良いから私もお話ししてみたいなと、思っていました。今日は、お話が聞きたくて、来ました。来て良かったです!」と話してくださった、保護者の方が居られましたよと、先生方から教えていただきました。

先生方が、色々と手を掛けて整えてくれたステージで私も子どもの頃は、すっかり自分の力だと勘違いしながら(笑)生きていました。人のお世話をさせてもらうようになって初めて、先生方や親の愛情や、縁の下の力持ちの苦労や、思いやりを知りました。「そうかぁ、あれは、そういうことだったんだ!」なぁんて、気が付いて。気付いて、何か人の思いを知ったときが、人生の宝物の時間になります。今日は、先生方が整えてくれたステージで、皆さんと過ごさせてもらいました。大変なことも沢山あったと思います。おかげ様で、素晴らしい時間を皆さんと過ごさせていただきました。お世話になりました。ありがとうございました。

校長先生と、私の授業を受けて沿岸被災地に授業に行くと、伺いました。気を付けて、行って来てくださいね!

また皆さんにお会い出来ることを、楽しみに致しております!

2016年7月19日

マンツーマンセミナー

18日は、マンツーマンセミナーでした。新潟県から、今回二回目の受講でした。次回の予約を入れて、お帰りになりました。

マンツーマンセミナーは毎回、受講される方と面談を行い、詳細を詰めて組み込み、講習を進めます。お一人お一人に合わせた形で、技術や特殊な会話の進め方等の習得に向けて、現場実践に沿った形で、方向性を定めながらのご指導をさせていただきます。

皆さん職業も様々で、目標も違います。弊社にお出でいただくまで、お一人お一人が時間を調整し、覚悟を決めて、勇気を出して、本気で挑まれますから、講習は常に熱気に包まれます。

今回は、前回受講いただいた内容で基礎をしっかり覚えていただいているので、今回は復習と予習という課題をお持ちになられました。

旦那さまが僧侶で居られるので、現場に起こる人の心情と心の移行を考えながら、死生観と照らし合わせ、すり合わせながらの心の作業と心の相互関係という形で、主に進んでいます。

少し時間を取り、弊社の職員である復元納棺師の、自分自身の現場への向き合い方など、みんなの体験談なども参考にしていただいてのカンファレンスの時間も作りました。

技術のポイントを体で覚えるまでは、特に訓練も必要で、本当に大変な専門職ではありますが、頑張った向こう側には、自分が知らなかった、素敵な世界が待っています。(あの世の話ではなく、この世の話です。普段の生活ではあまり会えない、人の心情と表情に出会うことがあります。)

現場で自分を助けてくれるのは、努力を積み重ねた自分。現場で自分を困らせるのは、サボっていた自分。誰のために、何をするのかが、自分のことを知れるマンツーマンセミナーでは、はっきりしますね。

次回の課題をお持ち帰りになり、良い笑顔でお帰りになりました。ずっと集中していないとならない過酷なセミナーではありますが、この世にはいろんな世界があることを知っていただいて、目標があるからこそ、誰かの笑顔のために現場実践に向けて、本当に頑張られたと思います。お疲れさまでした。次回3回目、お会いしましょうね。お待ち致しております。

そして私は今日、現場に走っていました。暑い夏の到来です。皆さまもどうぞ、お身体にご留意くださいませ。

2016年7月18日

子ども夢ハウスおおつち、7月!

出来事1〈遊び場への移動中〉
復興工事が優先され、公園などの遊び場が無い大槌町では、学校や行政が地域の子どもたちのために、積極的に解放してくれていました。遊びたい気分がエキサイトして、子どもたちが遊ぶ場所までの道のりをナビになりきって、私の車の道案内をしてくれます。

「おつかれさまでした♬」

は張り切って言ってくれるナビ(8歳男の子)だけれども、道路を過ぎてからの道案内なので、なかなか・・・、ドライブテクニックが必要でした。(笑)

たくさん遊んだ帰り道・・・、

「ナビは疲れたから、前に走っている吉山さん(夢ハウス管理人)の車を追いかけてね!ナビより。」

気ままなナビくん、車の中でウトウトしていました。彼が話してくれたのは、

「僕は震災の記憶がないんだけどね、夢ハウスではお兄さんやお姉さんたちが、話して聞かせてくれるんだ。分からないことは、吉山さんが説明してくれるよ。僕は小さかったから、震災の記憶はないけどね、僕の町を大好きで、応援してくれる人たちが、僕たちが学校へ通えるようにスクールバスをプレゼントしてくれたり、いのちが救えるようにって、スクールバスにAEDが積んであるバスも5台もあるんだよ!周りの大切な人の帰りを待っている人たちのために、捜索も続けてもらってるんだもん。だから、僕は勉強してね、大きくなったら町を作れる大人になりたい!」

出来事2〈笹原さんはスタッフなのか、否か?〉
子どもたちが、私に聞きます。

「笹原さんは、夢ハウスのスタッフなの?」

私「どう思う?」

子どもたち「子ども側でしょ?」

私「あたり〜!よく出来ました〜!」

一同拍手〜〜!!仲間に入れてもらって遊びを通しての共有の時間の中で、色々な相談や打ち明け話しが出ます。幽霊の話だって、誰かの大切な家族かもしれないという意識を持ち、聞いてきた話しを、真剣にしてくれる子どもたちの姿を見て、これまでの一生懸命な大人の背中を見て、生きてくれていることを知ります。子どもたちの目に、大人の姿はどんな風に映っているのかな?子ども側の目線からの復興が、頼もしいと感じました。♪( ´▽`)

出来事3〈組み方〉
遊びのときに、組を決めます。

私が「グートチーで、合った人!」と言うと、それは歴史を感じるらしく、「何それ〜〜!」と、聞いたことが無かったらしく、大騒ぎな子どもたち。(笑)

「今の時代は、グートパーでくみこ!で、組に分かれるんだよ!」と、子どもたち。

私「ヘェ〜、そうなんだぁ!」

夢ハウスの管理人の吉山くん、「熊本は、グートパーで別れましょ!と言います!d(^_^o)」

みんな「ヘェ〜!!!」

年代や地域により、手遊びやむかし遊び、組み方も変わるものなんだね〜!と、みんなで話していました。「グーとパー」と言われているのに、何度もチョキを出してしまう私を、温かく見守ってくれた、優しい子どもたちでした!

出来事4〈亡き家族への想い〉
お盆が近いこともあり、震災で亡くなった家族、見付からない家族の話になったり、想い出話しをしたりと、そのような会話も多くありました。中学生の女の子。

「リカちゃんが欲しくて欲しくて、人形をおねだりしたら、立派で大きな日本人形を買って来てくれた、おばあちゃんだったよ。(笑)まだ帰って来ないけど(震災発生後、行方不明)今、何してるのかなぁ?」

出来事5〈ストレスと悲嘆〉
確かにみんな、ストレスや悲嘆を抱えています。くっそー(夢ハウス代表)は話し合ってお互いの想いを知り、それをみんなで大切にすることを重んじてきました。そのために、子どもたちに現在必要と思われる環境を整えるため、全体采配の中で、皆さまにご寄付いただいたお志を大切に有効に、子どもたちに使わせていただいています。

そして管理人の吉山くんは、子どもと子どもの間に入ったり、地域や夢ハウス外の大人や子どもの間に入り、様々な場面で一人一人に合った、自立支援に向けての優れたコーディネートをしてくれます。子どもたちの気持ちが、しっかり自立に向けた感覚を持てるように歩んできた夢ハウス。教育委員会さんや、児童相談所などの子どもたちを支えるプロの皆さん含め、子どもたちが今を生きることのために、同じ志の大人との信頼関係を積み重ねてくれたのも、藤原代表を父と慕い、一歩ずつ悩みながらも大変な苦労の中で、信頼を積み重ねた吉山くんの実績の、今だと思います。

横ちゃん、和子さん、2人の夢ハウスの職員さんも、一人一人の子どもたちと向き合い、毎日とんでもない運動量の子どもたちと過ごしてくれています。

ストレスや悲嘆をただ嫌うのではなく、それが自分の中に存在する一部として認め、そのバランスの取り方を、その時々の自分のペースで見付けることができる場所、それが夢ハウスなのだと、昨日子どもたちが各々に教えてくれました。

〈現在募集しています〉
全国各地から、沢山お声掛けをいただき、ありがとうございます。皆さまからのご支援、ご寄付に支えられ、夢ハウスの子どもたちは元気に地域の皆さんにも支えられ、少しずつ自分のペースを作ることに積極的になっています。皆さまのご支援、ご寄付(ご寄付いただいた方のお名前を子どもたちが手書きで板に書き、夢ハウスの中の、子どもたちがいつも目にする場所に貼らせていただいています)に心から、感謝申し上げます。ありがとうございます。

自立支援の計画の中で、子どもたちが最も楽しみにしている物が現在不足しています。子どもたちからのリクエストを、以下に記載し募集をさせていただきます。

①ホートケーキミックス
②チョコソース
③虫除けスプレー・蚊取り線香
④クッキーミックス
⑤かき氷シロップ各種

衛生上の問題もありますので、開封されていない物に限らせていただいて、随時受け付け中です。ご無理のないところで、ご支援を賜われましたら、幸いです。

(送り先住所)
岩手県上閉伊郡大槌町大槌15-95-68 子ども夢ハウスおおつち



よろしくお願いいたします。

〈ボランティアさん募集〉
弊社ホームページのトップページに、子ども夢ハウスおおつちのブログがあります。詳しくは、夢ハウスおおつちのブログをご確認ください。

すり傷公園つくり!

皆さまにご支援をいただき、新しいすり傷公園に子どもたちの笑い声がまた、帰ってきます!

今後とも、子ども夢ハウスおおつちをよろしくお願いいたします。





2016年7月14日

今、考えるからきっと意味がある。

納棺が終わってから、お孫さんに相談されました。どういう意味だったんだろう?本当に悩んでいました。以下、その内容の一部を紹介します。

「あたなと会えるのは、これが最後(最期)かな。」

という言葉をおばあちゃんから言われて、なんて答えて良いか分からなかった。ショックだったと、そしてそれが最期の言葉になったのだそうです。

ときに受け取る側は、表面だけ受け取ってしまうことが多いので、「これでもう、会えないかも」と最期を意味され言われているような、その人が大切な人なら尚更ショックを受けることの多い言葉ではあると思います。でも、ご本人の気持ちの中にあるものは

「いま、この上ない幸せな時間だよ」

と伝えてくれている気持ちの裏返し、とても素直に表現してくれている言葉だと私は思います。表面だけの言葉も、それだけでも意味を成すけれど、一歩踏み込んでみるとその奥にある「いま、とても幸せだよ」と伝えてくれている、そう伝えてくれている気持ちを受け取れると、もっとステキですね。

人は覚悟を決めたとき、過去を振り返る。

「最後(最期)」という言葉が出たときは、何かしらの覚悟を決めているときです。ただ突発で決めたというより、考える時間を経ての今であることが多くあります。その特徴として、むかしの想い出話しが出ることも多くあります。

「そのとき、想い出話しが出たでしょ?」

と私が聞くと、

「はい!」

お孫さんが笑顔で、答えてくれました。お孫さんの小さい頃のやんちゃで手が掛かった話し、成長していく過程の話し、プレゼントを選ぶときの、おばあちゃんのその時の気持ちが、想い出話しとして出ていたそうです。

おばあちゃん自身が頑張ったことより、子や孫との関係性の中にある、印象的だった話しや、かけがえのない宝物になっている想い出。誰かのために、一生懸命だった、かけがえのない時間。忙しい時には想い出されなくても、時間と気持ちに少し穏やかな時を迎えたとき、病気に向き合ったり、歳を取ったことを意識したときなど、人生において何かしらの変化の気持ちを持ったとき、想い出されることがあります。すっかり仲良くなれたので、会話を深めていきました。

「今までは、あなたの生きている時間は、あなたと場を違えても、おばあちゃんと同じ時を過ごしていた訳よね。(中略)あなたの存在が、おばあちゃんを支えていたんだね。

(中略)

これからは恩返しね。おばあちゃんの想い出を胸に秘めて生きるわけだから、(中略)あなたが生きていること自体、おばあちゃんの歴史そのままなんだと思うよ。

返事は求めていなかったと思うしね、どちらかというと、独り言に近い感じだったでしょ?

あなたは、私の宝物よとさり気なくおっしゃっていたのだと思います。

(中略)

さて、おばあちゃんにもらった優しさと知恵を、次は誰にバトンタッチしましょうね?」

(略・個人情報なので)

お孫さんは自分を責めている気持ちからのスタートでしたが、おばあちゃんの想い出に添って、自分の考えを噛み砕いて当てはめて考えたとき、少しずつ納得して笑顔になっていきました。それは、おばあちゃんがお孫さんを愛した歴史の中にある、力なんだと思います。

人との関係性を深めるには、価値観の擦り合わせはもちろんだけれど、お互いの受容が如何に積み重ねられているかも、関係してくると思います。

参加型納棺なので、お話しを聞かせてもらうことは多くありますが、故人が如何にその人を愛していたのかの瞬間に出会えることも、実はあるものです。悲しみの中にある想い出に触れさせてもらって、幸せのおすそ分けをしてもらった気持ちになりました。

悲しみを生きる力に変えて、頑張って欲しい。「頑張れ」とは言わず、頑張るhow-to(方法)を伝えることも、あります。おばあちゃんに託された気持ちになったので、私もちょこっと頑張った、そんな会話でした。

これが最後かな?

の言葉が出るときのシチュエーションは、遊びに行った帰りなどの「またね!」の時、ちょこっと淋しくなったときに出ることが多くあります。そんなときは気の利いた言葉を求められていないことも多いから、ありったけの笑顔が返せると良いですね。

言葉よりも表情が、その人を元気付けることもあるものです。



2016年7月12日

質問にお答えします

10日、メイホールさんの講演に多くの皆さまが足を運んでくださいました。北上市内、沿岸地域からも、納棺にご縁をいただいたご遺族の皆さまとも、あの時の想い出や、今の気持ちなど含めて色々とサイン会の時間もお話しが出来て、心温まるお時間を頂戴致しました。終了後は、直ぐに緊急現場に走らなければならず、そのような仕事であることを皆さまにご理解いただけていて、嬉しかったです。ありがとうございました。

普段、地元に居る時は、現役なので納棺や復元の現場と、会社の業務に従事しています。昨日は現場が終わり、帰るときに、玄関まで追い掛けて走って来た、ご遺族である子どもたちにハイタッチをおねだりされ、癒されて帰ってきました。

現場でも多くの子どもたちの質問に答えています。何故だろう?どうしてだろう?と、大切な家族に起きたことを知りたいのは、大人も子どもも同じです。血を見れば痛いと思い、変色を見れば心配し、表情が苦しそうだと故人が今、何を思っているのか知りたい。お話しをしながら、一人一人に必要な答え探しをしながら、悲しみの中にある大切なことを、1つ1つ知ってもらいます。人には、悩んだり考えたりする力がありますので、その力を糧に今日の一歩を踏み出すお手伝いとして、目的意識を定めて、一緒の時間を過ごさせてもらうことも多くあります。ある程度の質問が落ち着くと、興味が私に移ることがあります。

「人間なの?」と聞かれることもありますが、

人間です。

成功すれば、木の幹になれているかも分かりません。(ブログ・我が家のじいちゃんを参照ください)

後、「もしかして、幽霊ですか?」と聞かれますが、

多分、まだ私は生きてます。もし、私が幽霊だったら、是非とも教えてください。動きを変えます。よろしくお願い致します。

「幽霊は、見たことありますか?」と聞かれることも本当に多くありますが、

この仕事をしてから、けっこうあります。基本、幽霊を見ても「幽霊」とは思っていません。その方は、名前もあり、家族や大切な人の存在などもある、生きている人と変わらないものも多々ありますので、基本、関わり方は生きている人と変わりません。ただ、そこに様々な「音」が加わることがありますが、私は基本ビビリなので、飛び上がることもありますので、何卒姿をお見せになる時は、お手柔らかにお願いします。ちなみに、いつも見えているわけではありませんし、霊能者でもありませんので、ご理解ください。

まぁ、それは又改めて「怖いはなしシリーズ」で、ご紹介したいと思います。

色々な質問をいただきますので、この場をお借りしまして、お答えしました。

普段の生活の中には無いと思われていることが多い「死」の存在ですが、捉え方や価値観は様々でも、私にも誰にでも生きている以上は、死が訪れます。だからと言って、死ばかりを意識して、生がおろそかにならないようにしたいものです。死が訪れるかもしれないけれど、生きている訳ですから、そこの生き方とのバランスが一番大切だと思います。生きることに精一杯関われば、大切な誰かに遺す自分の足跡も、自分の大切な人を支え、その死の価値も、遺す人にとって重要なものになると思います。何か一つでも、現場で遺していただいた、この情報が皆さんを支えてくれますように。

2016年7月9日

NTTOB会様、講演

7日の午後は、盛岡市内で講演をさせていただきました。


NTTOB盛岡電友会の皆さまへ向けての、90分のお話しでした。東日本大震災の後、沿岸から内陸へ引っ越された方々からも、講演後には多くお声掛けいただきました。

講演の中で、「もう話すことが出来るかな」と、体験談をお話しすることにチャレンジした内容が二つありまして、結果、涙が溢れそうになりました。我慢しながらお話しは続けましたが、キレの良いところで切り替えさせてもらっています。私の大切な記憶ではありますので、記憶と共に生きる道を探しながら、もう少し自分の中に温存したいと思います。その内容について、本には(おもかげ復元師・ポプラ社)書いてあります。

人生の大先輩であり、聞き上手な皆さんの雰囲気が、会場内を温かく包み込んでいました。聞き上手は、お話し上手と言われますが、本当にお話し上手な方が多くて、私の話しに真剣に耳を傾けていただいて、大変恐縮致しました。色々とお世話になりまして、ありがとうございました。

今日も、全国各地の被災地と呼ばれる地域からの連絡を受け、災害発生後に如何に何をするべきなのか、防災について等含めて、色々な地域の皆さんとお話しが出来る現在、考えさせられることが沢山あります。

今は、全国各地多くの講演にお声掛けいただくようになり、1日3件〜多くて6件のお問い合わせやお申し込みを毎日いただきます。中には災害が発生した地域にお声掛けいただくこともあり、様々な地域に伺うと、皆さんの体験含めて、教えていただくことも多くなりました。

様々な業種の、色々な立ち位置の皆さんとの、いただいたご縁に対して、これからの動きを、どんな風にすると良いのかなと、考える時期に入ったような気がしています。

7月7日の七夕の日に、織姫と彦星の話って、どの様な内容だったかな?と気になりながらの、講演の日でした。

子ども夢ハウスおおつちでは、地元の方が山に入り、子どもたちのために大きな笹竹を切って来てくださって、子どもたちは各々に、短冊を付けたのだと連絡をもらいました。吉山くんにお願いした私の短冊は、夢ハウスの子が代わりに書いてくれたそうです。もちろん、お願いごとは・・・秘密です。

皆さんのお願いごとは、何でしたか?織姫と彦星に、届きますように。届かなかったとしても、書き忘れたとしても、もうすぐお盆で、ご先祖さんにも色々話し掛けられますから、お願いごとをし忘れていても、きっと大丈夫です!聞き入れてもらえるかどうかは、ご先祖さんの、ご機嫌次第です。ご機嫌を取るのは、この世もあの世も変わらないところですね。

2016年7月8日

我が家のじいちゃん

「最近、おじいちゃんがブログに登場しませんが、お元気でしょうか?」と、何故か多くの皆さんからお声掛けいただきます、我が家の84才のじいちゃん。

以前のブログの内容としては、

①張り切って特売のペットボトルを買って、重たくて前のめりになって、重さで早歩きになってしまい、止まらなくなって、スーパーの人たちに助けてもらったり、

②車が雪に埋まったとき、困ったじいちゃんは母がお世話になっていたヘルパーさんに電話をしてしまい、しかも助けてもらったり。「じじ、車が雪に埋まったら、ヘルパーさんでも、訪問看護ステーションでもなく、JAF、JAF!!だからね!」と私が言ったら、「だって、いつも困った時に助けてくれたからさぁ・・・。」と、言ってみたり。自由人なために、色々と皆さんにご迷惑をお掛けしてしまっております。ありがとうございます。

最近の会話としては、

最近、フクロウに似ているとよく言われるので、我が家のじいちゃんに言った。

私「じじ、私ねぇ、最近よくフクロウに似てるって、言われるんだよ。」

じじ「ヘェ〜。(テレビを見ている時に話し掛けると、うわの空)」

数日後、

私「フクロウってさぁ、天敵が来て恐怖を感じたら、丸い体を細くして、耳を立てて、枝になりきるんだって!」

じじ「じゃ、お前は枝じゃなくて、木の幹の方だな!(笑)←楽しそう」

私「・・・(そこは、上の空じゃないんだ!)⁉︎。ピークから18㎏痩せたんだけど!」

じじ「ふふふ(笑)(←テレビを見て笑っている。私の話は、全然聞いていない。)」

我が家のじいちゃん、ダイエットのテレビを特集していたら、普段は走れないのに!(走らないだけなのか?)じいちゃんの部屋から、私がいつも居る台所に走って来て、知らせに来る。仕事中に、「ダイエットのテレビ、やってるぞ!見ておくから!」とメールをよこす。親切なのか、嫌がらせなのかは分からないが、姉に伝えると爆笑する。私の家族は、きっと見えない絆で結ばれている。と感じる今日この頃でした。

じじ「せっかくフクロウに似ていると言われているんだから、お前も木の幹になれるよう(←まだ言うか!)に、頑張れ!」

意味が分かりませんが(わかるけど)、時に木になってしまいたいと思うことがあるのは、確かだ。訓練したら、なれるのか?と、ちょっと思ってしまった、我が家の不思議じいちゃんとの会話の時間でした。ある意味、じいちゃんの世界は、夢の世界である。

どんと晴れ!(めでたしめでたし⁉︎)

2016年7月6日

おつかれさまでした。

「違う人になっている。」
「本人じゃないみたい。」

お別れの時間のお手伝いの中で、技術提供者がよくご遺族から言われる言葉です。

何故、そのような評価を受けるのか?という根本的且つ、現場で見極めるべきポイントを、今日は皆さんに現場からお伝え出来ることとして、お話しをしました。

これでいいと思ったことが、
嫌われる様な押し付けになっている。

そうならないため視覚からの感覚として、視覚と心の相互関係を含め、ご遺族の視点を噛み砕いて説明しながら、テキストを進めました。

大きくうなずきながら、ずっとメモを取っている方も多く居られました。今日の情報が、これからご縁のある皆さんの現場で、一つ一つの技術が、皆さんや誰かの気持ちを少しでも安心出来る「道しるべ」として活用していただけますように、お一人お一人のご活躍を、心からお祈り申し上げながら、セミナーを終えました。

セミナー終了後は恒例の名刺交換、そしてお持ちいただきました著書にサインを入れさせていただきました。

弊社のマンツーマンセミナー、又はユニコムさんで行われる年に2回(3月と9月)のセミナーを受講された皆さんが、全国各地からお出でいただいて、久しぶりに再開出来たり、皆さんのその後のご活躍を伺える時間もありました。

セミナーの中では細胞や筋肉の作り、その特徴なども説明した時間もありました。今日は看護師として現場経験を持ちながら、お別れのお手伝いをされている方も多く受講されていて、

「納得した!」

とお話ししながら、お一人お一人の現在の課題を教えてくださる方も多く居られました。

頑張る人のことを、誰も人が見ていなくても、必ずお天道様が見てくれているんだと、お空に逝った私の祖母がいつも言っていました。

頑張る人には、アンテナがあります。アンテナを張っていれば、必要な情報は必ず得られると思います。情報を待っていた分、情報を得た時には安堵の気持ちが起こります。何故かというと、アンテナをくれた人を思い続ける時間に心を尽くせた時が訪れていること、そしてそのきっかけが発生した時間に一旦戻り、自分と向き合う時間も迎えています。

苦難を力に変えて、深くプロとして力を付けることは、きっとどの業種も一緒だと思います。

今必要な情報を、どのくらい提供出来るのか。それは、私も現役の現場の人間なので、これからも研鑽して参りたいと思います。

そしてフッとホテルの部屋の前にある大観覧車を見て、「これに乗っている人は、本当にすごいな」と尊敬の気持ちがわいてきます。私は、高所恐怖症なので、絶対に乗れません。自分にも、出来ることと出来ないことがあること、出来ないことがあるから、出来る人を尊敬する。死の現場に携わらせていただいていると、普段見逃しそうなことも、一つ一つ考える癖が付いているもので・・・。大観覧車に、当たり前の人生観を気付かせてもらった気がしました。ありがとう、大観覧車!

大都会の横浜の夜は、眠らない・・・。でも、私はそろそろ寝ます。今日、ご縁をいただいたお一人お一人に感謝を申し上げまして、おやすみなさい。



2016年7月4日

フューネラルビジネスフェア2016

横浜パシフィコでこの時期に毎年行われ、約11000人強の来場者があります。

フューネラルビジネスフェア2016。

一階は展示会場で、100社以上の葬祭関連サプライヤーが集結し、産業展示が開催されています。

私もお仲間入りをさせていただいてから、担当7年目。毎年恒例のシンポジウム1日目の、二階セミナー会場に於いて、Cー2の12時40分〜13時50分までの70分間の講座「復元・メイクの出来を左右する全ての基本!」を担当させていただきます。

多くお問い合わせ・ご連絡を頂戴致しました方々含め、皆さまにお会い出来ますこと、楽しみに致しております。会場までお気を付けて、お越しくださいませ。

想い出のうた

「死」に携わらせていただく時間・・・。お看取りの中で、お別れのお手伝いの時間の中で、不思議と私が多く出会う曲が、

「アメージンググレイス」です。

誰かが口ずさむと、連鎖してみんな歌い出す。それは何とも言いようのない、穏やかで温かく癒される時間です。

それにしても、何故こんなに愛され、みんなに選ばれ、深く心に触れるのか?常々思っていた私は、音楽のプロとして活躍する知人に聞いてみました。

彼女が教えてくれたのは、以下の通り。

アメージンググレイスは、労若男女問わず好まれ、芸術的に深い歌として生活に密着していて、日本でも好まれて歌われる歌であり、有名な賛美歌です。

アメリカでは故人がお墓に埋葬されるときに、集まったみんなで手をつなぎ、故人を偲び、輪になって歌われる曲なのだそうです。そして、結婚式でも歌われます。生と死の区別なく選ばれる歌が、

アメージンググレイス

この曲は、日本人も好む音感である、黒盤(ピアノの黒い所)で演奏できる曲であること。日本の黒盤で演奏出来る代表的な曲は、「は〜るばる来たぜ函館〜」で知られる、北島三郎さんの函館の女。函館の女と、アメージンググレイスは、黒盤で演奏出来る、同じ音感の曲であるらしい!他にも色々教えてもらったけれど、これは、驚きと発見でした!

アメージンググレイスの歌詞を、知れば知るほど、人の心の深さという存在に感銘を受けます。日本語で訳される歌詞も、もちろんステキ。でも、一つ一つの単語とにらめっこして、自分なりに訳していくと、胸がギュッとなってきます。そして、歌ってみると、潜在意識に触れ、声が詰まってしまいます。

イギリスの牧師さんが作った有名な歌であるけれど、その歌詞の中にある、牧師さんが感じたことを人生観に照らし合わせてみると、又、色んなことが感じられる曲でもあります。

悲しみや挫折を、大切なことに気が付いた経験をしたときに得ることが、少なからずあるのかもしれません。持ち合わせていた「プライド」などは、結局、自信のなさから共有を求めすぎていたり、自分にとって知らなかったこと、そういうことを含め、半ば押し付け状態になるので、無意識に人を不愉快にさせることもあり、悲しみに落とす可能性があること。しかしながら自分と向き合うきっかけから、その勇気を持ったときは、様々に意識するチャンスが到来するので、一つ一つを大切にする方法を探り、その行動が関わる人の心と自然に共有出来る穏やかな、心地良い雰囲気を迎えることが出来るという、そこから、深い感謝が生まれてくるということ。振り返ること、反省することは、新しい自分に出会えること。くよくよしても良いけれど、目的を持ってくよくよしよう等々、様々なメッセージとして、受け取ることも出来るのかもしれません。

納棺にご縁をいただいて、遺族訪問をしたときに聞いた話があります。故人が好きだったアメージンググレイスをその後も大事にしている高校生が、アメージンググレイスを聴いて、今思うこと!と、私に教えてくれたことがありました。

「色々やり過ぎると疲れることがある。でも、一つのことを全うしようとすると、結局色々やらなければならない。だから、結局色々やらなければならないのが、全うするということ。」素晴らしい、お話でした。

歌と言うのは不思議なもので、想い出と共に存在してくれていたり、その時々で色んな意味に捉えることが出来たり、何となく歌っているだけで少し気持ちが落ち着いたり・・・と、本当に不思議で、そして生きる上でなくてはならない存在なのかもしれません。

一人一人に、想い出の曲があるかと思いますが、生きる上で実は色々なことにも支えられているんだなぁと、感じました。

ところで、人間以外の動物は歌うのか?と、考え始めた私は眠れなくなって、今を迎えます。(笑)考え過ぎず、とりあえずもう寝ようと決めた、今でした。

2016年7月1日

マンツーマンセミナー

先週末は3日間のマンツーマンセミナーでした。新潟県から、ようこそお越しくださいました。

ご縁は新潟県で医療向けの講習会をということで、某大学で声を掛けていただいた時に、お出でいただいていた看護師さんです。

お母さんと、3歳になる男の子と二人での来社となりました。お母さんが技術習得のお勉強を汗だくで学んでいる中、息子さんは弊社の職員が交代で見ていました。いや、私たちが遊んでもらっていたのかもしれません(笑)

帰ってしまうと、何だかとても寂しくて、彼の声と笑顔に、私たちもとても癒されていたことに居なくなって気付かされました。あー、可愛かった・・・・'(*゚▽゚*)'

専門分野をずっと学ばれていて、それを得意とされていたので、今回、技術習得されたことをブラスした形で展開していく方向で、ご本人にしか出来ない方面からの開拓を、色々な立ち位置や分野から切り込む方向で、提案させていただきました。

今回は参加型納棺コースだったので、次回は復元コースに進めます。いっぱい練習して来ていただく課題を持ち、お帰りになられました。

「今まで経験したことのない、様々なことに出会った濃い時間でした。」と修了証授与の時に、少し涙ぐまれて(すごく頑張っていたので)感想を述べられていました。公開されていないたくさんのことを経験され、見て、感じていただけたと思います。ご協力いただきました皆さまに、この場をお借りして心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。そして、お疲れ様でした!

現在、マンツーマンセミナーのお問い合わせ、お申し込みを多数いただいております。いただきました順に、私のスケジュールの関係もあり、順に受付後、スケジュール・日程・内容の調整を進めさせていただいております。皆さまにお会い出来ますこと、弊社職員一同心より、お待ち申し上げております。

明日もマンツーマンセミナー。マンツーマンセミナーには、色々なコースがあるのですが、明日は5時間コースです。

終了後は、いのち新聞の編集会議を行います。