2016年7月27日

気持ちが温かくなる話し

出張先で少し時間があったので珈琲SHOPに入ったら、ダンディな高齢の男性がコーヒを飲んでいるのが目に入りました。むせている音がして振り返ると、さっきの高齢の男性でした。大丈夫かなぁ?と思って見ていたら、むせながら言葉切れ切れに、

「こんなに美味しいコーヒーを、飲んだのは初めてだ。」

と、言っていました。話している相手は、高校生くらいの男の子で、恐らくお孫さんのようで、その子はウンウンとうなずいて

「おじいちゃんはコーヒーが好きだから、飲ませてあげたかったんだよ。」

と言っていました。高齢の男性は、むせてなのか、そうじゃないのか、ティッシュで涙を拭いていました。

ふと見るとお孫さんは、足の不自由なおじいちゃんの杖を、ずっと手に持っていました。孝行って、こちらまで素敵な気持ちになるものです。おじいちゃんはお孫さんに、支え合うことや、思いやることなどを身をもって大切なことをきちんと伝え、教えて居られるんだなぁと尊敬した時間でもありました。

普段の生活の中にある、思いやりのキャッチボールが、お別れの時間の中では大切な宝物に変わります。

「当たり前のことが、普通だと思っていたことが、こんなにかけがえのない大事なことだったんだ。」

納棺の現場でよく聞く言葉の中に、生きている時に大切にするヒントが、実はたくさんあります。死の中にある様々なことは、色々な生き方を教えてくれます。微笑ましい光景に出会い、気持ちが温かくなりました。