2014年5月25日

柩に入れる副葬品

ご遺体が安置されていない木の箱は、
「棺」と書く。
ご遺体が安置された棺は、
「柩」と書く。
柩に一緒に入れて持たせるための物を、
副葬品と言う。
愛用していた、服や帽子などの、
燃える物。
地域により、
火葬場が行政の管轄になり、
黒い煙の出る物は入れてあげられない。
だから、眼鏡や時計は、
あの世で本物になると言われているので、
ご家族に紙に書いていただくこともある。
副葬品の取り決めは、地域により違う。
地域の火葬場で、
その詳細が記載された物が記された
用紙がもらえる。
何より、地域の葬儀社さんが、
よく知ってる。
私は現場で、
家族の要望のあるものを、
入れていいかどうか、
葬儀担当さんに教えてもらう。
だから、
どうしても持たせてあげたい物は、
葬儀担当さんに、相談してみると
良いと思います。
宗旨により、
必要ない物や、
特に持たせてあげないといけない物、
地域の伝統・しきたりもあるので、
宗教者の方に聞いて見るのも良いと思います。
悲しみの時間の中で、
お別れの時間が近くなると、
ご家族は副葬品を一生懸命考えます。
納棺の時間に教えていただく、
普段の生活のこと、
最期に近い時間の中のこと、
様々なお話から、
副葬品を一緒に考えることもあります。
お盆やお彼岸に、
何不自由無く、
家に帰って来れるように、
みんな、一生懸命考えます。
副葬品の代表としては、
赤ちゃんはミルク。
子どもたちは、お菓子の袋や
ぬいぐるみ、塗り絵と色鉛筆など。
大人の人は
味噌おにぎりや、
漬物、
ぼた餅、
いも焼酎など、紙パックのお酒、
果物。
好物だった物が多い。
「浮気されないように!」と、
ご自分の写真を入れる方もいる。
氷川きよしの写真は、高齢の方に多い。
納棺の日が誕生日と言うこともある。
ケーキが副葬品で入ることもある。
故人が可愛がっていた犬が、
ずっと柩の中を覗いていることもある。
クンクンと鳴いているから、
蓋を閉めずに、みんなで見守ることもある。
猫が、故人の傍から離れないこともある。
「蓋を閉めても良いですか?」
と声を掛けると、
そこをよけて、私の横へ来る。
動物も、ちゃんと分かっている。
「ありがとう。後から覗いても良いですよ。」
と、また声を掛ける。
一人、この世から居なくなることは、
家族にとっては大変なこと。
生活も、色々がいっぱい変わる。
でも、変わらないのもある。
生前と変わらない、
思う、思い続ける気持ち。
故人にとって、
その人も、その人しかいない。
無事に、
あの世に先に行った人に、
目の前の故人が会えますように。
ひとりぼっちではなく、
誰かが傍に居てくれますように。
いっしょに色んなことを心配しながら、
ご家族と一緒に、
お見送りの時間を大切にします。
質問、ありがとうございました。