2015年12月31日

今年もお世話になりました。

弊社も皆さまに育てていただいて、おかげさまで今期で9年目に入りました。この9年間、弊社を応援してくださる方々との、お一人お一人とのお別れを経験し、その度に悲しみの中から見付ける、遺していただいた想いを胸に、恩返しが出来なかった後悔と共に、後悔に背中を押してもらって歩んできました。

ここのところ、ずーっと現場に走っておりました。11月〜3月頃までの寒い時期は毎年、納棺の現場が立て込みますので、できるだけ現場に向かえるように講演は承れない状況です。すみません。4月からは又、講演に伺うスケジュールとなっておりました。

先日の納棺で、おじいちゃんを亡くされたお孫さんと現場でお話ししていました。想い出がたくさんあるけれどと言いながら、その想い出深い一つを教えてくれました。

「買い物に行くと言っていたおじいちゃんに、「単語帳を買ってきて」とお願いしました。買い物から帰って来たおじいちゃんが笑顔で「ほれっ!」と得意気に渡してくれたのは単語帳ではなく、確かに似ていると言えば似ているけれど、単語帳とサイズも同じ、穴の空いているところも同じ、ただ針金でつながっている、それは荷造り用の値札でした。本当のことを言って傷付けるのも嫌だし、仕方ないのでそのまま使いました。おじいちゃんは嬉しそうでした。本当のことを言わなくて、良かったと思います。」

その時だけ満足したいのであれば言えばいいと思うけど、ありがとうの気持ちが優先したのだろうし、友だちなら伝えてあげたほうが良いかもしれないけれど、おじいちゃんの生活の中にはあまり単語帳は関係ないし、私はそれで良かったのではないかと思いました。正解を言わずに、ずっと良い関係が続けられるのなら、そういう選択もありだと思います。

「ステキなおじいちゃんですね。それを使ったあなたも、えらいっ!」そう会話が弾みました。

今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願い致します。来年も、皆さまにとって良い年でありますように。

子ども夢ハウスおおつち

12月26日〜1月3日まで、年末年始のお休みです。12月23日にはくっそー(夢ハウスの代表)が大槌に帰ってきて、大盛り上がりの1日でした。

多い時には50人を超える子どもたちが遊んでいた「すり傷公園」も年明けに、復興のために取り壊しが決まり、子どもたちの遊び場をどうするか、くっそーと地域の皆さんと話し合う時間もありました。

震災から、復興に向けて町が動き出していますが、目まぐるしく変わる環境に、環境に伴うことで起こる目の前の不安に、我慢していた感情が湧いてきて、思わず泣いてしまう子どもたちもいます。くっそーは言いました。

「今日と明日のあなたは、違う。今日と3ヶ月後のあなたは違う。今日と明日が違うから、人生なんだよ。大丈夫、一緒に考えていこうね。」共に悩み、行きてくれている。見守ってもらうことの安心感を、子どもたちはその後、とても安心した表情で話してくれました。管理人の吉山くん、みんなのお母さんでありお姉さんの横ちゃん、地域の、保護者の皆さんの愛情に包まれて子どもたちは、育っています。今年も、皆さまの温かいご支援・ご寄付をありがとうございました。今年も、よろしくお願い致します。

2015年12月25日

怖いはなしシリーズ13

今年も全国行脚をさせていただき、ホテルも泊まることが非常に多くなりました。ホッと出来るような落ち着いた雰囲気のお部屋もあれば、「あっ、なんか、なんか・・・いる。」みたいなお部屋も、実はあります。まぁ、ほとんどが目一杯働いてからお部屋に入るので、深い、深い〜眠りについてしまうことがほとんどではありますが(笑)今回は、そんなホテルについてお話しします・・・フッフッフッ・・・。

今年も様々な業種の、様々な方々にお会いしました。出張の多い業種の方もおられまして、ホテルのお部屋で体験した、怖い話しにもなりました。

「部屋に入った瞬間、あ、やばい感じ。」ってありますよね〜。高校の運動部の顧問の先生が言いました。「僕は、霊感とかそういうのは全然ありませんが、鳥肌が立つくらいのそういう時は、特に鏡が見れませんよね。そして、気にしない、気にしないと思えば思うほど、眠れない。羊を数えても、目がギランギランになって、羊の数が1000を超えた時、もう良いやって思ったら寝てた(笑)」

「僕は出張先のホテルで、やばいなぁこの部屋。って思って、5泊6日の間、その部屋で頑張っていたことがあります(笑)」

「出張先のホテルの部屋に入った時、なんか変な雰囲気だなって思っていて、毎晩夜中の2時に風の音が窓を叩いているように聞こえていて二泊三日の出張が終わり、部屋を出る時に部屋のカーテンを開けたら、窓に大人や子どもの人の手跡が10個以上付いてた。そこ、25階だったんですけどね。」

「パソコンに向かって仕事の打ち込みをしていたら、何故か2時になると風呂場の電気が一旦消える部屋に、3泊4日泊まったことがあります。風呂の排水溝に、長い髪が毎日一本あって、ちょっと怖かったけども、お掃除のおばさんが雑巾に前の部屋の人の髪の毛を付けたもので、たまたまこの部屋にそれが残ったものだ!と思い込むようにしていました。」

等々色んな体験談を聞きましたが、何より怖かったのは、皆さんには共通の体験がありました。

部屋に掛けてある絵、その絵の裏側又は、絵で隠れている壁に、お札が貼ってあったと言う共通点がありました。ヒイィ〜〜(>_<)

お札があるかどうか確認のために見るのであれば、その部屋にもう泊まらないと言うタイミングの朝が明けて部屋を後にする時がBest!と言う皆さんのアドバイスでした。

出張から戻り、我が家のじじ83歳に話したところ、「だいたい俺は、それがお札かどうか分からないし、年取って小さな字が見えないし、そこに幽霊らしき人が居たとしても、人でも幽霊でも何か手伝ってもらうだろうしな(笑)理由や存在の仕方はなんであれ、縁があったんだから面倒は見てやるさ。」もし幽霊が損得を考えての行動を起こしているのだとしたら、間違いなく、我が家のじいちゃんは取り憑かれることは無いでしょう。そう、損得抜きでのつながりは、人でも幽霊でも、心のつながりが生まれるのかもしれません。お話し好きのじじの話を、仕方なく聞いてくれる幽霊の姿を想像すると、じじの家族としては幽霊に頭が下がる思いであり、何ですか、お詫びと感謝の気持ちを込めて、せめて好物を供えさせていただいて、花を手向けて感謝の意を表したいと存じます。しかもその幽霊が、私の知り合いだとしたら、私も話し出してしまう可能性は高く(笑)、幽霊でも人でも存在している限り、人に頼られるのは変わらないと言うことは、死を迎えても、関係性は変わらないと言うことにつながるわけです。幽霊が人に姿を見せないのは、もしかしたら何かしら色々面倒臭いからと言う、かしこい理由がきちんとあるのかもしれませんね。(笑)



2015年12月22日

山形市立病院済生館高等看護学院

昨日、看護学生さんが主体の授業に、お招きいただきました。1年前からのお申し込みです。ありがとうございます。企画から準備から運営まで、全部学生さんが行うという、素晴らしき授業。さて、皆さんに現場から何がお伝えできるだろうと考えている中で、学生さんからの質問を中心に答える方式で今回は進めました。

実務では、自分の家族の最期とも自分自身の立ち位置が違い、患者さんが迎える「死」について、特に始めて経験したときに、驚きの表現の方法が、相手を傷付けることのないように、様々な方法や手技、心の持ち方などを皆さんが理解出来るように、実体験から何を伝えられるのかを考えながらお話ししました。

終了後には、多くの学生さんから声を掛けていただき、熱い感想や過去のこと、実習で出逢った看取りのご縁のことなど、皆さんと色々お話が出来ました。今、学校で学んでいる勉強が、看護学生の先生方々の実務体験の中から皆さんが教えてもらう学び、全てのことが患者さんの安心につながるように活かし、実践に向けること、現段階から現場に出るまで、出てから、沢山の引き出しが増えていくこと、それを誰かの役にたてること、色んなことをお話ししました。

悲しみは、人に備わった大切な感情です。悲しみ方をよく知り、悲しみとの付き合い方を知り、自分の道をしっかり一歩ずつ踏みしめて力を付けて欲しいなと思った、若いパワーに包まれて若返った気にさせてもらった(そんな気になれた☆)1日でした。

あー、お待たせしてすみません。そうね、そろそろ「怖い話シリーズ」書き込みます。少々お待ちくださいね。







2015年12月17日

広島国際学院高等学校

今年で4年目、卒業を控えた3年生の皆さんに向けて、「生命・いのち」についてお話しをさせていただきました。

普段の学校生活の中で、校長先生を始め諸先生方が、「いのち」「生きていること」を意識してもらえるように教育指導に当たられていると伺いました。全国大会、県大会優勝などの実績を持つスポーツ校でもあり、元気な挨拶が飛び交う、チャレンジ精神旺盛な学校の、先生と生徒さん含めて約500人の皆さまと共に、いのちを考える時間を過ごさせていただきました。

質疑応答の時間では、本当にたくさんの生徒さんが手を上げてくれました。皆さん一人一人が、普段からいのちを意識していることが、よく伝わって来た素敵な時間でした。いつもお世話いただいているN先生が教えてくれました。

「部活で地域をランニングしていると、地域の皆さんが声を掛けて下さったり、戻りが遅いなと思って見に行くと、ランニング中に近所のおばあちゃんが子どもたちが通るのを待っていて、オレンジジュースを振舞っていただいていたり、子どもたちは地域という社会の中で育ててもらっています。」

勉強すること、その中にあることも全部大事。でも、生き抜く力をつけることがもっと大事。と、N先生が言いました。先生と廊下を歩いていると、子どもたちがみんな、先生にありったけの笑顔で声を掛けていました。

中学生のときに東日本大震災で被災して、広島県に引っ越してきたという生徒さんと、校長室でお話しをしました。

「東日本大震災では、街も家も大切な人も亡くしました。広島県に引っ越してきて、とても広い世界と人の温かい思いに出逢いました。(こちらの学校は、「教育は愛だ」が理念です。)友だちもたくさん出来て、慣れるまでは大変だったけど、ここへ来て良かったと思います。広島弁もけっこう話せるようになりました(笑)。被災地の友だち、広島県の友だち、先生、地域の人たち、いっぱい大切な人が増えました。」とーっても可愛い子で、いっぱい悩んだ人が発する特徴的な言葉も出ていたから、本当に悩んだ時期も多かったのだと思いました。この子は現実を見据えながらポジティブに考える力を持っている子で、リスクへの意識も含めて考えられる。周りの人への配慮、自分が考えていることを表現する力もしっかり持っている子でした。海外の領事館に論文を出して、大使館からの奨学金を受けて、これから留学するのだそうです。困難に立ち向かい、夢を追いかける。それを支えて、一緒に夢を追いかけてくれた先生方々の御尽力に、頭が下がりました。

一時(いっとき)だけでも、青春時代に戻り、ワクワク、キラキラした気分にさせてもらえた、笹原さんでした。

広島県でお世話になりました皆々さまに、深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。

2015年12月14日

冥土の土産

「これで安心して死ねるよ。」と言う意味で、特にお年寄りが多く使う言葉です。

「あぁ、良い冥土の土産が出来た。」

自分にとって、嬉しいことがあるときによく聞かせてもらう言葉です。「冥土」の言葉が出ると言うことは、人には必ず「死」が訪れることへの意識が正確にあり、それが現実に訪れるであろうことを知っている人の言葉です。そういう言葉を聞いたとき、冥土に興味津々の私は聞きます。

「冥土って、どんなところ?」

まるで行ったことがあるかのようにお話ししてくれるお年寄りのノリの良さ。子どもたちも夢中で聞きます。(私も夢中)

冥土があるのか、無いのかということよりも、お年寄りとのコミュニケーションの中で、知恵をもらったり、死生観を教わったり、ワクワクするような話し方を教わったり、そういう時間が大切なんだと思います。もうすぐクリスマスという事で、先日の納棺の時間も「冥土」の話が出たので、聞いてみました。

「サンタクロースは、冥土にいるの?」

するとお年寄りが、
「冥土の門番だ!」

と答えました。みんな大爆笑でしたが、お年寄りは「門番」→「地獄」→「極楽」→「今を生きる」の話へと続き、踏ん張って、噛み締めて、楽しんで(楽しいの意味を間違わず)、生きていることを意識して生きろ!と、みんなの目はキラキラ!

「おじいちゃん、よく知ってるね!」

現場の子どもたちが言いました。

「住職(お坊さん)の話し、全部パクった!」

で、またみんな大爆笑。昔よくあったこういう光景は、やっぱり時代が移り変わっても遺したいなぁと思った、現場でした。

そのおじいさん曰く、

「子どもたちにとっては、サンタクロースの世界が夢と希望だろう?年寄りにとっては、極楽浄土が夢と希望なんだよぉ。年代によって呼び方が違うだけで、同じ世界のことを言ってるんじゃないの?」

「だから冥土の土産は、サンタクロースへの土産と一緒だからな!(本当っすか!?)」

そして、こんな会話が続きました。

「おじいちゃんは死んだら、サンタクロースになるの?」

「あぁ、そうだよ。だから、いっぱいみんなが喜ぶことをして、一人一人がきっちりと、しっかり生きてな、冥土の土産持ってこい!」

「はーい!」

何でしょう、この説得力のある言葉は!いくつになっても冒険心とそれを表現する方法、人の気持ちをワクワクさせる力を持っていることで、こんなに人が集い、笑顔になることを学んだ私でした。(´・Д・)」☆彡

日総研さん名古屋セミナー

昨日の13日は、名古屋で日総研さんのセミナーでした。

総看護師長、師長さんと言う管理職の、現場をよくよくご存知の経験豊富な方々が参加者の半数以上を占めていた昨日。やっぱり、カッコ良いですね、看護部長って。お話しをさせていただいて感じたのは、「いやぁ、社会の肝っ玉母さんだなぁ。」「やっぱり、コーディネート力がすごいなぁ。」「うわぁ、生まれ変わったら、こういう看護部長の元で働いてみたい。」とキラキラしてしまう自分が居ました。

看護師、介護職の皆さんの質問も患者さんやご家族、利用者さんを思う質問が中心でした。何て素敵な人たちなんだろう・・・。やっぱり社会を支えているのは、人間力なんだなぁと、とっても素直にそう思えた、昨日でした。

自分の病院勤務を振り返ってみても、はたして患者さんや家族に心を向けられていたのかと考えたとき、一緒に過ごす時間は自分の家族より多いのに、「時間が無い」とか「誰かがそう言った」とか何かしら出来ないことを言い訳に変えていた、自分とちっとも向き合えていない恥ずかしい自分を思い出したりします。そういう時間を過ごしてしまうと、大好きな患者さんが次々亡くなったとき、そういう自分を責めて、悲嘆は深くなっていた気がします。私の場合は、ですが。

今は「死」と言う世界に生かしていただいて、深い気持ちをご遺族から教えてもらったり、大切な家族を想い続ける気持ち、後悔の中にある深い愛情等々、心の移行を切実に感じさせてもらったりして、教わることが多くあります。心がつながっていることの中にある希望に沿った技術や情報の提供は、お一人お一人のとっても素敵な笑顔に出逢えます。

少しでも、皆さまの現場にお役立ていただけるように、昨日はお別れの現場を思い出しながら、私にとってもとても大切な一つ一つのことを、丁寧に大事にお伝えしました。

丸一日のセミナーでしたが、皆さまご多忙の中、会場まで足を運んでいただき、ありがとうございました。皆さまとのご縁をつないでくださった日総研さんに深く感謝を申し上げます。


2015年12月12日

熊本大学付属病院

9日、熊本大学付属病院主催の「がん看護実務研修」において、120分お話しをさせていただきました。地域の医療・介護職の皆さんも多くご参加いただいたそうで、どんどん参加の方々が増えまして、会場は立ち見も出るほどの満員でした。「ずいぶん前にお看取りをさせていただいた患者さんのことを想い出しました。」など、声を掛けていただきました。熊本県は本当にご縁が深く、故郷に帰ったような気持ちで癒されました。お世話になりました皆さまに、心より感謝を申し上げます。

Dr.のM先生、夢ハウスの管理人吉山くんの先生のN先生、熊本大学付属病院の師長さん、Aさん、そして皆々さまとのミーティングも本当に深い時間でした。MDr.とは、悲嘆について語り合いまして、ネアンデルタール人の悲嘆とクロマニヨン人の悲嘆について語り合い、更に話が深まりました。時代をワープしたような気分でしたねぇ。

昨日の納棺で、「もう一度棺の蓋を開けて」とお願いされて、蓋が開いた棺の傍で喪主さんと、ゆっくりお話ししました。「はぁ、夢なら良いのになぁ。ねぇ。」喪主さんが故人に話し掛けておられました。「「でも、やっと楽になったよ。」って、言っているような、ホッとしているような表情だね。」少しゆっくりした時間を、故人と過ごしていただきながら、想い出話しをたくさん教えていただきながら、M・Dr.と語り合ったネアンデルタール人とクロマニヨン人の悲嘆の話しを想い出していました。悲しみの中には、大切なものがたくさんあります。人には、想い出と一緒に生きる道があるということを、又昨日も悲しみの現場で深く教えていただいた気がしました。


2015年12月7日

大阪から帰って来ました。

12月2日は花巻市市民憲章運動推進大会に於いて、90分の講演をさせていただきました。人生の大先輩が多く居られた会場。人生の大先輩を前に実は、とっても緊張していた私ですが、皆さんの温かい雰囲気に包まれ、私の方が癒され、学ばせていただいた時間だったかもしれません。講演終了後には、たくさんの方とお話できました。中でも奥様の介護をしながら、障害を持った方の支援もされているという、活動的なギャグのセンスが抜群の年輩の男性に出会いました。「弟子にしてください!」とお願いしたら、「うーん、考えておく!」と言ってもらいました。あんなに沢山の人を楽しい気持ちにさせる話術、身に付けたいっ!と言うご縁もあり、とーっても嬉しい時間がたくさんありました。

5日は大阪で日総研さんの、医療・介護職の皆さまに向けてのセミナーでした。Dr.、NS、介護職の皆さま、様々な部署からご参加いただきました。私の本業は技術職なので教えることは出来ませんが、現場からお伝えすることは出来ますので、そのような内容でお伝えしました。人は悲しみ方を本当はちゃんと知ってるから、それもお伝えしました。皆さんが号泣されたり、大笑いされたり・・・。「感情が色々出てすっごい疲れたけど(笑)、なんかスッキリした。」「早く帰って、患者さんに会いたい」と声を掛けていただいて、良いお顔で帰られる方も多くて、ホッとしました。

葬儀社さんの担当さんが2人、参加してくれていました。「小さな葬儀社なんです。」とおっしゃってセミナー終了後の30分くらいだったでしょうか?質問などで残っておられたDr.、NSの皆さんと「葬儀社としての悩み」「医療者側の悩み」の意見交換の場になりました。お互いに驚かれていたりと、思いがけずとても深い時間だったと思います。

それから「家と仕事のバランスを、どう取っていますか?」「限られた時間の中で、子どもとどんな風に過ごしていますか?」と、育児中のお母さんたちから聞かれることが、とっても多くなりました。声を掛けてくださる皆さん、家と仕事の両立に悩んでいました。

仕事をするお母さんたちが悩んでいることの代表的なものは、人に言われた言葉。

「子どもに淋しい思いをさせている」

「子どもを放っておいてる。」等々の言葉に傷付いていました。

逆に、お母さんたちが頑張れるように支えて、声を掛けていただいた方が、みんなが嬉しい気持ちになれますよね。是非、そういう言葉掛けをお願いしたいです。子どもたちにも、良い学びになり、お母さんを笑顔にしてくれる人、お母さんを褒めてくれる人は、子どもたちも大好きです。「働かないと、食っていけない」と教えることは、昔から日本では大切な親の姿とされてきました。お母さんが子どもさんにしっかり目を向けてイキイキと過ごせることは、未来の社会にも大きな影響を与えます。それから、子どもさんたちと様々にお話しすることもとても増えました。全くの私感ですが、今年は特に力を入れて、お一人お一人に答えてきました。

それから仕事は様々で、子どもさんを亡くした経験のある、お母さん方々との出逢いを、本当にたくさんいただきました。亡くした子どもさんへの想い、今日までの気持ち、そしてこれからの気持ちを教えてもらいました。お話ししてくださる目の前のお母さんが、子どもさんを思い、涙を流されます。けれど、話が進む度に涙の種類が変わっていく瞬間に、立ち会わせていただきました。愛する気持ちは一つも変わらない。それよりも、もっと深くなっていく。子どもさんを亡くした経験のあるお母さん方々は、自分の生活の中にある縁のある子どもたちを、自分の子どものように可愛がってくれます。育児に悩んだら、こういうステキなお母さんに、相談してみるのも良いと思います。子どもさんも、そして頑張ってるお母さんも一緒に抱きしめてくれることと思います。

皆さんに共通してお伝えしたのは「悩んだら、子どもさんを連れて岩手県に遊びに来てね。」とお話ししました。気分転換のお手伝いくらいは、出来ますから。

岩手県にいる時は、基本的に現場と遺族訪問を中心に走ります。ここのところ、emergencyもずっと続きました。ご縁をいただいた一つ一つのことに、お一人お一人の方に、どれだけ精一杯の心を込められるか。を大切にして頑張ります。


2015年12月2日

東日本大震災パネル展

大分県のエイトピア大野さま→
豊後大野市市役所さま→
道の駅さまの順で行われております。

これから県庁、
地元小学校、
地元大学、
の順で、お声掛けいただいた皆さまのところで、順番にパネル展が行われる予定です。

いのち新聞の編集部、被災地沿岸宮古出身のFさんが担当してくれています。

東日本大震災パネル展に於いて、お力をお貸しいただいた皆さまお一人お一人に、心から感謝を申し上げます。

いただいたお写真を、許可をいただきましてご紹介致します。




2015年12月1日

師走です。

もう、12月・・・、師走です。月日が経つのは早いもの、歳を取るのも早いはずです。この前まで、28歳だったのになぁ〜〜(´・Д・)」

岩手県にいる時は、基本的に現場を優先して走ります。そして、先月末の28日は、新潟青陵大学看護学部さまでセミナーでした。2年前からお申し込みをいただき、とても楽しみにしていただいていたとお聞きして、挑みました。現場の中にある、様々なことを皆さんと一緒に考え、進めさせていただいた深い時間でした。

30日は東京の帝国ホテルで、公益財団法人社会貢献支援財団(安倍昭恵会長)の社会貢献者表彰式典でした。東日本大震災発生から、現在までの活動を評価していただいたということでした。これまで、たくさんの方に支えられ、お力をお借りして、何とか今日まで来れたのだと思っています。私の周りには、子どもも大人もとってもステキで素晴らしい方々が、本当に沢山居られます。皆さんお一人お一人への感謝の気持ちを、又改めて感じていました。

私がいただいて良いものか、戸惑いもしましたが、リハーサルから他の受賞者の皆さんとお話し出来たのも、すごく沢山の勇気をいただきました。地域の動きの中で悩んでいたこと、つまづいていたこと、自信が無かったことに対しての、情報や皆さんの実績を伺い、本当に前を向く勇気をいただきました。

世も末だと思う出来事、ニュースが多かった中で、世の中まだまだ捨てたもんじゃないと思えた、素晴らしい時間でした。到底足元にも及ばない、人生の大先輩から伝授いただいた様々な宝物。経験したことのない、貴重な時間でした。

会場では東日本大震災で全国各地からご支援いただき、捜索活動に御尽力いただいた警察官の皆さんから声を掛けていただいたこと、岩手県・宮城県・福島県の安置所の中で検視をしてくださったお医者さんから声を掛けていただいたこと、皆さんが涙を流しながらお話しをしてくださったこと、私にとっては、被災者と呼ばれる御遺族につなげられたら良いなと思った、有難いお話しの内容でした。感謝の気持ちでいっぱいになりました。また、皆さんと再会できる時間をいただいた、社会貢献支援財団さまに、支えてくださった、応援してくださった沢山の皆さまに深く感謝を申し上げます。

先日の納棺で、亡くなられた方の20年ものの歴史がある眉間のシワをマッサージで取ったら、身内の高齢の女性の方5人がお顔を並べて私に向かい、

「オラの眉間のシワも、立派に取ってケロ!(訳・私の眉間のシワをしっかり取ってください)」

と、前髪を手で押さえておっしゃいました。皆さんの涙の顔が、一瞬で笑顔になる。悲しみの時間は、そういう温かい時間もあるものです。

悲しみは生きる意味を教えてくれる、と現場で教えてもらうことが多くあります。想い続ければ、生き続けてくれる。だから、私も今までにいただいた御縁の中にある温もりを、想い続けて生きていこうと思いました。