2015年10月31日

九州JA葬祭担当者納棺セミナー

九州全農さんからの御依頼で昨年に続き、二年目の九州全県の訪問でした。申し込み人数が多いときには、二日に分けて開催した県もありました。長崎県、佐賀県、大分県、福岡県、鹿児島県、熊本県、宮崎県の7県を今年は3回に分けて、10時〜16時までの丸1日セミナー、JA葬祭担当者納棺研修会を昨日、本年度最終の研修を宮崎県で終えました。経済連さん皆さまにも、大変お世話になりました。

葬儀の中の「納棺」に特化した形での講習ではありますが、参加型納棺はとても特殊です。その納棺の中では、様々な方向から「現在」を見て、一人一人に合わせ考えていく「生活」を見付けます。

遺された人が生きていくために、必要なことが多々あります。亡くなられた大切な方を想う気持ちを、生きる基礎に考えていくこと。又はいくつもの課題を抱えて踏ん張ってきた家庭の中で、これからを考える時間。憎しみや恨みも、もちろん現場のスタートにはありますから、その気持ちを自分で納得してそこから次のステップへと、考えてもらうこと。そして、私たちの現場にも増えてきた「認知症」「老々介護」の課題があります。説明や理解の時間の中で、考え方が偏らないように誤解を生まないように皆さんと考えていく時間です。

これまでの社会の進化に伴って考えると、昔は当たり前にあったけれど現代では、通常の生活の中には無い、「死」が現実に起きているとき。現場では遺された方々の笑顔やポジティブな考え方を引き出しながら、どこまで私たちがお役に立てるのか。そういうことを皆さんといっしょに考えた、深い時間でした。

今回の講習の中で、皆さんと現場を考えていたとき、想い出した現場がありました。お母さんを亡くした息子さんが、「やってみたいこと」の一つに、お母さんがいつもしていた「つまらないものですが」と箱菓子を渡す想い出。近所の方にお客さん役を、息子さんがいつものお母さん役をしました。お母さんがどんな気持ちだったのか知りたかったと、彼は最後に教えてくれましたが、皆さんがお付き合いをしてくださったお陰で、彼は答えを出しました。

「お母さんはお菓子を選ぶときに、その人の好きなものを選んでいました。つまらないものと言ったのは、好みが変わっているかもしれないけどと言う心配だったかもしれません。お母さんは、その人の笑顔を見たくて、渡していたのだと思います。でも、お母さんが一番笑顔だったかも(笑)人の喜ぶことが好きだった。僕も、そうなれるように努力します。」

彼は、お母さんと過ごした時間を振り返り、自分の中の答えがちゃんと出すことが出来ました。生きていく中で、こういう時間が基礎になります。お付き合いをしてくださった、近所や親戚の皆さんも、本当に素敵でした。子どもの発言を頭から抑えずに付き合ってくださる粋な大人は、まだまだたくさん居ます。その現場を、ふっと想い出しました。

一人、ちょっとやんちゃな葬儀の担当さんが居ました。「やんちゃですね?(笑)」と聞いたら「そうです!」と答えられました。「だとしたら、子どもさんを亡くしたお母さんが、「棺に入れたくない!」と子どもさんを抱いて歩いても、自由にさせてくれる担当さんですね?」と聞くと、「そりゃ、そうです。いいんだ、それがその人のお別れの形なら、それがベストです。」と答えてくれました。私は心の中で、「よし、みーつけた!」と思っていました。基本はきちんと持っているけれど、やんちゃな人には、考え方に幅があります。だから、私はやんちゃな担当さんが居てくれることに、ホッとします。元ラガーマンと言う担当さんも居ました。チームを構成し、一人のためにみんなで動くこと、そしてお互い様の考え方を共有する力、何より挫折や嘆きを知っていることがスポーツマンの武器です。素敵でした。

講習を終えて帰り際、ふっと思いました。九州は7県なのに、何故「九」州?の疑問・・・。九州は現在7県とされていますが、昔は9つの国があったそうで、九州と言うのだそうです。昔を知り、今を考える。先人が開拓して土を掘り、生きやすいように地盤を固めてくれたから、今の時代を生きている。生かされている時間がある限り、今度は私たちが次の世代に何が残せるのがを、しっかり考えて行動しなければならないと思いました。

たくさんの皆さまにお世話になりました。本当にありがとうございました。皆さんの益々のご活躍をお祈り申し上げます。

2015年10月26日

子ども夢ハウスおおつち10月☆彡

子どもたちから「いつ来るの〜〜!」と連絡をもらって、バタバタと駆け付けた土曜日でした。うっかり管理人の吉山くんに行くことを伝え忘れ(>_<)たのにもかかわらず「おー!お帰りなさい!」(夢ハウスではそう言ってくれる♪( ´θ`)ノ)

みんながチームに分かれて、当日生地から作った手作りピザを作っていました。「笹原さん、審査員ねー!」と突然子どもたちから任命いただいて、それぞれのチームこどに出来あがったピザをいただきました。美味しかった!玉ねぎに火が通っていなくて少し辛かったのも、ちょっとステキでした☆彡

夢ハウスの色んな、そしてこの日のこのながれも、藤原先生と吉山くんのワクワクしてしかも分かりやすい、安心出来る環境の中で行う、作業の仕組みが組み込まれています。作業をしながら震災のこと、家族のこと、学校のこと、夢のこと、みんなの生活のいろんなことが話題に上がります。みんなで色々考えて、知恵を出し合いながら、地域の中でどのように生活をしていくか、真面目な話の中にも、大笑いする失敗談なども出て大盛り上がり。子どもたちの夢ハウスの中の生活を支えてくれる夢ハウスの職員の横ちゃんも大活躍です。

昨日は夢ハウスに行く前に、吉里吉里海岸に連絡をくれた子と行きました。沖から生活用品がずいぶんたくさん流れてきていて、「これ、あの時(2011.3.11)のだよね?」とそう言われ、「そうだね・・・。」二人でしみじみと当時を想い出しながら、過去と現在から未来の話しをしながら浜を歩きました。服、瓦屋根の一部、レンガ、瓶、家の一部等々、4年半以上の長い時間、「波に撫でられて丸くなってるね」と、感じたままを話してくれました。「撫でられて?」と私が聞くと、「(前略)海は恨んでない。だって、みんなの大事な海だから。」東日本大震災の津波後から、家族の帰りを待つ人の気持ちを、大切にして行こうと、私はその言葉を大事に心に組み込んだ瞬間でした。

土曜日の夢ハウスは、時々しか来れないけれど、初めて会う子も沢山増えていました。古株の子どもたちが、私を紹介してくれました。「怖い話と、夢の研究家」(本当にか⁉︎そうだね、そんな会話が多いかもしれないね。)紹介は続きます。「そういうことで悩みがあったら、相談して良いんだよ!」(素晴らしい!)「笹原さんが来てない時に相談したいときは?」と子どもたちからの質問に、「なんでもまず、吉山くんに話してみてね。吉山くんから連絡をもらったら、すっ飛んで来るからね。」

熱気ムンムンの夢ハウスでは、子どもたちの笑顔も溢れていました。吉山くん、横ちゃん、ポップ(犬だけど夢ハウスのスペシャルメンバー)いつもありがとう。m(__)m私も知恵をいっぱい持っている藤原代表に、夢ハウスのこと、いつも色々相談させていただきながら、進めることもあります。☆彡

「夢ハウス、大事!」
「夢ハウス、大好き!」
「夢ハウス、無くさないで!」

津波や震災当初の瓦礫など、怖い夢を見たと、駆け込んでくる子たちも居ます。安心して夢ハウスの中で過ごしながら、子どもたちが少しずつ自分ペースを作りながら、安心を取り戻して行く過程を見て、藤原代表が「駆け込める場所」と作ってくれた夢ハウス、本当にそのままの活動になっていることを子どもたちとお話ししながらも強く感じていました。子どもたちの声は、日頃から夢ハウスを支えて、ご寄付、ご支援いただいている皆さまのお力のおかげ様です。心から感謝を申し上げます。

岩手県には、白鳥が飛来して来ました。空を綺麗に並び、元気に飛びながら白鳥の鳴く声を聞いて、冬の到来が来たことを感じていました。さぁて、いよいよ風邪も、ノロウイルスも流行る時期に入りました。管理人の吉山くんは、バケツを持って環境整備を徹底していました。さすがだね!

子ども夢ハウスおおつち、今後とも、よろしくお願い致します。

2015年10月23日

埼玉県交通安全母親大会

「埼玉県交通安全母親大会」にて、500名の会員の皆さまに向けて県大会の中で、県知事、県警本部交通課部長、教育委員会の皆さまのご挨拶の後に、講演をさせていただきました。埼玉県庁の皆さまに大変お世話になりました。ありがとうございました。

普段県内で、通学中の子どもたちの交通安全に努めてくださる、見守りのプロの地域の皆さんです。色々伺い、本当に頭が下がりました。地域の中で、子どもたちは大人の胸を借りて育ちます。その子たちが大きくなったら、皆さんの姿を見て育ち、巡り巡ってまた地域に貢献して活躍してくれると思います。

本当にお勉強慣れされているというか、聞き上手な皆さんの包容力に包まれて、私も色々と肩の力を抜いてお話しをさせていただきました。聞き上手は、お話し上手と昔から申します。きっとお話しも魅力的なんだろうなぁと、皆さんの雰囲気に癒されていました。

お孫さんやお子さんを亡くされた皆さんが、亡くされた子と同じ年代の子たちの「いのち」を守る活動をされることは多くあります。子どもたちの通学路では、みんなの交通安全を見守ってくれていて、「信号を見なさい!」「横断歩道を渡りなさい!」「交差点では二歩以上引いて、信号が変わるのを待ちなさい!」その一言一言に、いのち意味がどれほどに込められているのか、「自分の気持ちはさ、分かってる人だけ、分かってくれりゃ良いのさ」見かけて挨拶をすると、そんな風に粋に答えてくれます。子どもたちの、本当に分かっているのか分からない(笑)「はーい!」のお返事に、ご遺族と目を見合わせて笑ったりします。きっと子どもたちの「いのち」は見守りで支えられているのかなと、思いました。「知らないところで、誰かのお世話になっている」親の目の届かないところでの、子どもたちの生活を思えば、世間さまに丁寧になるものかもしれません。

ご遺族は、大切な家族を「忘れないため」にいのちに関わる、守る、ための行動に移します。その行動に人が集まります。そこに理解してくれる、同じ経験をされた、同じ思いの「同志」として、コミニュティが出来ます。悲しみは基本、人に触れてほしくない感情ですから、たいていは人に言わないで生きています。でも、共有できる人を見付けたとき、また自分の中の答えや意味を探す気持ちがスタートします。

講演の中では、様々にお話しをさせていただきました。泣いたり笑ったりしていただきながら、皆さんの表情が変わっていくお姿を壇上から拝見していました。大切な誰かを思う表情も、多く拝見しました。会場の中は、温もりでいっぱいになっていました。

会場の中の9割がお母さま方々。皆さんと一緒の時を過ごしながら「母ちゃんって、やっぱりすごいな・・・。」素直な、昨日の私の感想です。

約1年間にお申し込みいただいた講演でした。講演のために、準備から何から何までお世話になりました皆さまに、この場をお借りして御礼申し上げます。そして、皆さまの益々のご活躍を、心からお祈り申し上げます。ありがとうございました。

2015年10月22日

子ネコちゃんすくすく

育ってます、すくすくと。

子ネコちゃんを育ててくれる引き取り手も見つかりました。

居間をヨチヨチ歩きで歩いたり、時々走ってコケたりと子ネコたちの可愛い姿を、我が家のじいちゃんが見守ります。「おれ、猫、あんまり好きじゃない。」と言うじいちゃん。けれどもじじの目は垂れ、猫は何も話していないのに「どーしたのーぉ。」なんて話しかけてる(笑)きなこ(猫)も、もち(猫)もじじが来ると喜んでゴロゴロ喉を鳴らしています。多分、普段話しかけているはず。(笑)じいちゃんの言うことも、よく聞きます。しつけも上手なじいちゃん・・・、どう見ても、誰が見ても、猫、好きでしょ!じじが準備してくれた、子ネコ用のキャットフードを食べるようになりました。











2015年10月21日

怖いはなしシリーズ12

出張がとても多いのですが、出張のときはホテルに泊まります。ホテルの部屋は、仕事に集中するのにとても適しています。

先日も、ホテルに泊まりました。まぁ、時々部屋の中で変な音がしたりするのですが、そういうことは慣れているので、あんまり気にしません。音が気になって仕事に集中出来ない時は、そういう時のために持ち歩いている耳栓をします。先日も締め切りの近い原稿を、朝方まで書いていたのですが、なんと夜中の2時に私の部屋の電気が突然ぱちんと消えました。

いつもは優しく対応出来るのですが (怪奇現象と呼ばれるのでしょうか?こんなことは、しょっちゅうです。電気系統は実に多い)順調に書いていたのに、突然消えたので少しムッとして「チッ」と舌打ちをしました。そしたら、電気が点きました(笑)

今度は3時に消えました。「またですか?仕事が進まないので勘弁してください。」と言ったら点きました(笑)

4時に申し訳なさそうに、点いたり消えたりしていたので、「消したら、ダメですよ。」と言ったら消えませんでした。(笑)お利口さんでした。

よくおねだりをされて「怖い体験談教えて!」と言われて話すと、「ぐちゃぐちゃな人が幽霊で出てきたらどうするんですか? 」「血だらけの人が幽霊で出てきたらどうするんですか?」と聞かれます。復元の現場は、ほとんどがそのような状態からスタートして、戻しています。だから、答えます。

「多分、どうしたんですか?って聞いてから、復元師だから、復元します。声をお掛けしている段階から、どのような順番で戻すか、どこから血が出ていて、どこが陥没していておもかげを無くしているのか、もう考えて復元をする順番を組み立てていると思いますよ。」

先月、岩手県の被災地沿岸の中学生に、復興教育授業をしました。先生方々の思いを伺い、生徒の皆さんと東日本大震災について色々一緒に考えました。

今日、事務所にその時の皆さんの感想文が届きました。ありがとうございました。拝読していると、素敵な感想文がありました。

「笹原さんの授業を聞きながら、私は自分の体験した東日本大震災を考えていました。被災地には幽霊が出ると言う話はたくさん存在していますので、私はそのことを考えていました。そうかぁ、生と死を組み込んで考えると、いろんな考え方があるんだなぁと思いました。復興教育授業の後、学校のみんなで泊まった宿に幽霊が出ると、噂がありました。きっとそこに居る事情があるのでしょうからと思えば、私は全く気にならず、怖くもありませんでした。」

幽霊の話ばかりをしているわけではないのですが(笑)、「死」には幽霊話しが実はつきものなのです。知りたいと思っているのに、そこを避けては話せないこともありますから、説明をしておく必要がある場合もあります。

簡単に言うと、人が「幽霊」って呼ぶときは、人ごとなんです。見ず知らずの他人に対しての表現です。本当に幽霊が出るとしましょうか、でもそれが自分の家族だったらどうでしょう。とっても嬉しいでしょう?会えて。そう考えれば、人ごとにはなりません。何らかの事情があるから、そこに居る。だったらそっとしておいてあげるのも、思いやりかもしれませんよ等々、話すことがあります。そういう質問もたくさん出ることがありますので。

なぜ答えるかと言えば、見えようと見えまいと、今を生きなければならないことは変わりません。きちんと普段の生活を送りたいと言う目的をお持ちであれば、答えますよ、ちゃんと。

よくあるのが、亡くなられた場所に幽霊が出ると噂が流れて、ご家族が落ち込んでいることがあり、ご家族の皆さんにお願いされて、ご家族の皆さんとその場所に行って、「帰りますよー」と声を掛けに行くこともあります。普通の生活の枠の外で起きていることが理由で、普通の生活が送れないこともあるものです。

ちなみに、復元納棺師の仕事をしてから少し調子が悪くても「具合悪い」と言わなくなりました。何故って、「取り憑かれたんじゃない?」ってすぐ言われるから。そんな訳、ないでしょ!(笑)そういうことを言わない人には、「具合悪い」と言います。

亡くなった人への誤解を解いたり、悪者にしないのも、私の仕事です。納棺が終わったからと言って、全てが終わるわけではありません。みんな一人一人の生き方があり、偲び方があるのです。オカルトをオカルトで終わらせない。それが私のポリシーです。(どんなポリシー⁉︎)

先日連絡をもらって、心配していたので会いに行って、お母さんを亡くした女の子が、納棺から三ヶ月後の日に、想い出話をしながら、ありったけの笑顔でこう言っていました。

「どうせみんな、ミトコンドリアだし!」いっぱい泣いて、目を腫らして、excellentな言葉でした。可愛くて大好き。お母さんが遺してくれた、最高の笑顔だね。また、お茶飲もうね!

このようにご遺族って、とんでもなく素敵なことを教えてくれるんです。たくさんの質問を、ありがとうございました。






2015年10月20日

関西学院高等部三年生

兵庫県にある、関西学院高等部三年生300名の皆さまに向けての、いのちの授業。ご多忙の中、校長先生、保護者の皆さま、先生方々も同席くださいました。

子どもたちってとても正直で、面白くない話や、分かりにくい話をすると全然聞いてくれないので(笑)、最初の五分くらいは探りながら進めます。今回も用意していたお話から、みんなが興味を示した方向へぐるんと変えて、同じ話しなんだけど、違う方向から雰囲気もニュアンスも変えてお話ししました。死は生活の中に必ず起こるので、みんなに知っておいて欲しい内容をお話ししました。最終的に、みんな身を乗り出して聴いてくれたので、今日の日のために力を尽くしてくださった、みんなへの温かい先生の気持ち、みんなに少し伝えられたかなと思いました。悲しみを経験したとき、今日の日を準備してくれた先生のこと、思い出してくれたら良いなと願いながら終えました。

阪神淡路大震災を経験した、関西学院です。保護者の皆さんも、経験されていました。お一人お一人の背景は違いますが、「今でも地震が起きると震える」と、あの時からこれまでを、お話ししてくださる保護者の方が多く居られました。東日本大震災を経験されて、家族で引っ越して、こちらの学校に入学した子も居ました。お会い出来て嬉しかったです。

どのようにこの災害を伝え、どのように自分の身を守ることにつなげてもらうのか。地元でいつも被災者の皆さんと話している内容と同じ内容で、気が付いたら阪神淡路大震災を経験された皆さんとお話ししていました。お知恵をたくさんいただきました。岩手に帰る帰り道、色々なことを思い出していました。本当に皆さまにお世話になり、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。








2015年10月18日

長野県看護協会様主催講演

第36回長野県看護研究学会、特別講演公開講座でお話しをさせていただきました。

いのちの授業にお邪魔させていただいたことがご縁で、長野県の高校の校長先生にも本当にお久しぶりにお会い出来て、吹奏楽部の皆さんが子ども夢ハウスおおつちのために募金活動をしてくださったとのことで、支援金と色紙をお預かりしました。いつもご支援、ありがとうございます。過日は長野県から、岩手県大槌町に高校生の皆さんとお越しいただいたこともありました。夢ハウスにすぐに報告をしました。皆さまのお名前で、夢ハウスに振り込みをさせていただきます。ありがとうございました。子ども夢ハウスおおつちは、皆さまの温かいご支援・ご寄付により支えていただいています。心から、お一人お一人の皆さまに感謝を申し上げます。ありがとうございます。

会場には多くの市民の方もお出でになりました。関係者の皆さんからお聞きしましたが、特に一般の方はいつもの8倍の方が会場にお越しくださったとのことで、喜ばれていました。

大人の方もとても多かったのですが、看護師を目指す看護学生さんや、お医者さんを目指す医学部の学生さんも、高校生も、バスに乗って来ました!と、中学生も来てくれました。まぁ、可愛い、可愛い。若い子たちを見てそう思う自分を客観的に見て、年をとったんだなぁ〜と感じてしまいました。

兄弟やお友だちを亡くした経験のある子たちも居ました。色々、大切な気持ちを教えてもらいました。忘れない限り、心の中にずっと居てくれる大切な人は、みなさんと一緒に生きておられると思います。想い出は、宝物ですからね、大事に、大事にしてくださいね。微力ながら、応援しています。

長野県は、お山の噴火もありました。皆さんの経験されたことを色々とお話を聞かせていただき、ありがとうございました。悲しみは本来、人には話したくない、触れられたくないことですが、話したいタイミングがあるのも、悲しみの気持ちの特徴ですね。皆さんを支えてくださる方々に、少しずつお話し出来るときを迎えられた方、今日をきっかけにしてくださった方も居られました。

みなさんと一緒に、色んなことを考える時間をいただいたこと、それから当日まで大変な準備をしてくださった皆さんに、当日は細やかなお心遣い、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

2015年10月16日

マンツーマンセミナー

茨城県から、岩手県へようこそお越しくださいました。以前もお越しになられてお勉強され、現場で即実践されています。今回は沢山、現場での課題をお持ちになって、一つずつステップアップ技術を特訓、習得して、答え合せも含めて、本当に最後まで頑張られました、お疲れ様でした。

特に非常に状態の悪い特殊復元の現場は、技術を提供させていただく環境が最初から整っているわけではなく、ほとんどの現場がこれからの準備などのために、バタバタしている中での施行ですから、独特の雰囲気の中でのスタート、状況に合わせての特別な説明や進め方が必要になることもあります。お別れの方もたくさんお出でになるし、お家の方が待っている(この時だけは家族が来客対応に追われることなく、故人に集中出来るので)お寺さんなど宗教者の方の儀式も入ります。どのタイミングで何を進めるのか、時代の流れとともに色んなことも変わりつつある中で、皆さんと一緒に、温故知新で考えなければならない現場も増えました。

車の運転が苦になりませんと、今回も水戸黄門と言えば、茨城県!から車でお越しになりました。サービスエリアが好きで、前回お越しになられた時は、全部のサービスエリアに寄ってきました〜!と言っておられて、御満悦!楽しみを見付けるのも、楽しみ方も上手な方です。と言うことは、現場の中で仕事を見付けるのも、進めるのも上手と言うことですよね。excellent!

岩手県も、すっかり朝晩冷え込みが厳しくなってきました。山が紅くなり始め、紅葉もスタート。昨日も、警察署での復元に行きました。終了後、刑事さん方とすっかり寒くなってきましたねと話になって、これからの時期は道路の路面が濡れていたり凍っていたりの事故や、お風呂での生活事故も気を付けてもらえたら・・・。と、そんな話になりました。本当に気を付けてくださいね。気を付けるに越したことはない!

今日は、講演に伺うために移動中です。それでは、またっ!ごきげんよう〜m(__)m

2015年10月11日

日本箱庭療法学会第29回大会

東日本大震災被災地の一つ、宮城県仙台市で、日本箱庭療法学会第29回大会にお声掛けいただき、講演の枠でお話しをさせていただきました。

京都大学教授河合先生、京都大学大学院准教授田中先生、石巻学校養護教員千葉先生、東北福祉大学大学院教授宇田川先生と、阪神淡路大震災、東日本大震災でも御尽力された著名な先生方々が参加されたシンポジウムは客席で拝聴させていただいておりましたが、先生方々にお声掛けいただき再び壇上へ上がらせていただきました。心理学を組み込みながら考えていく深い内容の中で、双方の思いを汲み取りながら「支援する側、される側」の心理、支援を受け入れる側としての助かったこと、実は困ったこと。「夢と体の関係」の心理学に、なるほどとうなりました。「幽霊の存在と自分と言う関係性」こんなステキな話があったんだ!等々の話しになりました。シンポジウム会場にお越しになれた方は、みんな驚きと納得の渦に、笑顔、笑顔。とてもステキな世界観に出会えた、大変満足した!とお話しされていました。

控え室でも先生方々とお話をさせていただいていましたが、ご遺族の悲しみを怒りに変えてしまう人が多発していて、あまりにも本来の形からかけ離れた、特によくある、「心のケアに来ました」「グリーフケアに来ました」と「ケア」を口に出して言っている人は信用しなくて良いと、私も思います。「心のケアをしました。」「グリーフケアをしました。」と言っている人も同様です。その言葉だけが、走ってしまっている現代の課題だと思います。相手を思っての基本的なケアは、そういうものではなく、自然な流れの中で行われるものですから、結果そのような言葉の使い方にはならず、そのような発言にもなる訳がないと私も思います。

ご遺族の立場の方から私の所にも、セカンドオピニオンではないけれど、「実はこう言う経験をして、そういう人に会い、怒りに震えた」と言う内容の相談が、実はとても増えています。「気持ちの解釈の仕方の、何がいけなかったのか」傷付いたご遺族の方が、考えようとする力があることが多くあります。実際は、今度そういう人に当たった時の、防御法ということにもなるのでしょうが。

諸先生方々には、お知恵をたくさんいただきました。今回も、とても広い世界にご縁をいただき、心理学を様々に教えていただきながら、先生方々の哲学に触れさせていただいて、本当に勉強になった時間でした。会場にお出でになられた方は、あんなにすごい話がいっぱい聞けて、本当にluckyでしたね。京都大学の学生さんは、とても深くてステキな講義が受けられるのは、すごいっ!と思いました。

心理学には「心」と言う字が先頭にあることを、私は改めて意識しました。心がとても元気になる時間をいただきました。本当に、ありがとうございました。

今日は岩手県に戻り、納棺の現場でお別れのお手伝いをさせていただいています。



2015年10月10日

子ども夢ハウスおおつち

昨日、子ども夢ハウスに行きました。行く度に道路や、風景が変わります。復興のための、県外ナンバーの大型ダンプもたくさん走っていました。有り難いと思いました。満潮を迎えつつあった昨日の夕方、やっぱり水が多いなぁ〜と、地盤沈下の怖さを今更ながら感じます。土のうや、かさ上げにより、水は町に入って来れないようになっていました。復興工事の進捗は、生活の安心に直接つながるものなんだと、町の人が話してくれました。

夢ハウスは、新しいお友だちの人数が増えて、とても賑やかでした。背景も、体験したことも、価値観も、表情方法もみんなそれぞれ違います。共通していることは、町を愛する気持ちです。でもこれだけ人数が多ければ、個性もそれぞれ、性格も合う合わないが発生するのだと思います。しかしながら震災の直後だから当然、立ち上げ初期の頃も色々悩みながら藤原先生と、吉山くんが、横ちゃんが積み重ねた今日までの約束ごとを、みんなきちんと意識してくれているようでした。子どもたちからの多種多様な相談ごとは毎回発生。だから、きちんと話し合うことは度々あります。それも、大切。

「どこまで自由?」

なぁんて、私も聞かれることがあります。

「人を傷付けたりとかね、くっそーが悲しむこと以外は、自由!」と答えます。みんなの大好きなくっそーが悲しむことってなぁに?と、考えることも実は大事、大事。

「るいこちゃん(私は、そう呼ばれている)の夢を見た!」と、数名の子から連絡をもらっていました。昨日はみんなの夢の話しを聞きました。

津波とか怖い夢を見たとき(震災の余震はまだ続いていて、その度に怖い夢を見る子は居ます)、夢ハウスに逃げ込んだ夢を見て、安心したら目が覚めたよ。

夢の中で恐ろしい人が近付いてきて、怖いと思ったら、るいこちゃんが出てきて「えいっ」とやっつけてくれた。(すごい私、強いね〜⁉︎)

「あーっはっは!」とるいこちゃんが夢の中で言っていて、そしたら怖い人たちが逃げていった。(不思議な力だ。笑っただけで⁉︎)それから夢の中で、みんなで夢ハウスに行った。

等々・・・。いっぱいある、ある。

会話は真剣で且つ、盛り上がり、最後は笑顔で、会話を切りの良い所で終えました。夢は、潜在意識も大きく関係していると言われているから、夢の話しをしてもらうのは、子どもたちと関わるときの大切なキーワードになります。だから、私も真剣に聞きます。

今日からは、子ども夢ハウスの「夢の旅」3日間。夢のみずうみ村って、どんな所なんだろう?くっそーのお仕事って、どんなお仕事?吉山さんのお仕事って、どんなお仕事?通所リハビリって、何?くっそーは、いつもどんなことを見ているの?子どもたちは、なぜ?どうして?なぁに?と、知りたいことがたくさんありました。

夢のみずうみ村の見学に、子どもたちは今日から向かいます。震災の前から、被災地も高齢化が進んでいます。震災後、身内が身体の障害を持つようになったりという経験も、多くの子どもたちがしていますから、くっそーのお仕事を知ってもらえば、自分たちの住む町の中にある施設や医療の情報も、きちんと彼らの意識の中に入っていくのではないかと思います。自分の町を出て他の地域やしくみ、つながりを知って感じることは、自分の住む町を客観的に見て、様々に感じる力を得られると思います。そして、今以上に、人とのつながりを深く持てるきっかけになることでしょう。

手を取り合って、気持ちをつなげて、町づくりを考えて行ければ良いねと、いつも子どもたちと話しているので、くっそーの施設に行き、広い世界に出逢い、たくさん色んなことを見て、得て、吸収して、帰ってきてくれるのではないかなと、思っていました。今日の日を迎える約2年間積み重ねた思い。知りたいときに知れるって、素敵なこと。これからの時代を担う子どもたちが、福祉の世界に直接触れる機会を得られることは、とても素晴らしいことだと思います。

今回の旅も又、子どもたちから上がった声が、じっくり時間を掛けて形になりました。今回の旅に御賛同いただいた皆さま、いつもご支援ご寄付で支えていただいている皆さまに、昨日は藤原代表と打ち合わせの中、代表も皆さまに深く深く感謝されていました。本当に、ありがとうございます。関東から、夢のみずうみ村の応援の職員さんが大槌入りして、お昼過ぎに出発!町を、県を出たことのない子どもたちも多いから、色んなことに驚き、いっぱい刺激を受けることでしょう。さぁ、気を付けて、いってらっしゃい!

2015年10月9日

怖いはなしシリーズ11

「怖いはなし、まだ〜?」と言う声も多く(特に若者たち(笑))お待たせしました。

今回は、体験談中心でいきましょう。そう、私が復元納棺師を志した初期の頃の話です。ブログで一回はご紹介したかなと思いますが、少し詳しくお話しします。

バイクの事故で亡くなった、10代の子の納棺、お別れのお手伝いをさせてもらいました。お別れに来る人が、次々とその子に対面しながら、大きな声で泣いたり、「なぜ?なぜ?」「どうして!」と、ご遺族の前で取り乱していました。急死の場合は特に、このような家族ではない方がお別れに来て、取り乱して、家族を責めるような言葉を発し、遺されたご遺族の心を傷つける事も多くあるものです。

ご遺族と言っても故人の高校生の弟さんだったのですが、人が泣いているのを見て、ずっと感情を出すのを、言われた言葉をのみこんで、我慢していた様子でした。納棺は終わったけれど、彼をそのままにして帰れなかったので、お寺さんが来られるまでの一時間半、少し残ることにしました。お寺さんが来られたら、お別れに来た人はご遺族にいろんなことを言うのを止めて、お参りに集中します。ご遺族も、亡くした家族を想い、集中できる時です。

お寺さんが来られ、弟さんの表情で心情に気が付いてくださって、ずっと傍で背中をさすったり、彼の代わりにお別れに来られた方の言葉に、返事をしてくれていました。心から、頼もしかったです。お寺さんにご挨拶をして、外に出ました。

なんだか体がとても重たくて、経験したことのないだるさというか、なんとも言えない不調さでした。変だなぁと思いながら、なんだか体がおかしいので、納棺もその日は先ほどのお家が最後だったので、そのまま家に帰ることにしました。

車をやっと運伝出来る状態で、家についても車から降りることが出来ず、車から這いつくばって家の中に入り、やっと自分のベットに着いて、服を何とか脱いで、そのまま眠りについてしまっていました。

朝方、不思議な夢を見ました。とても暗い空間の中に居て、奥の方から光が近付いて来ました。最初とても小さかったその光が、近付いて来る度に少しずつ大きくなって来て、ピカピカ光る人の形になりました。暗い中に居て不安だった私は、何だかとっても安心できる光に少しホッとしていました。その人は、見覚えのあるおばあさんでした。

私「あ!ご無沙汰致しております。」
おばあさん「その節は、大変お世話になりました。ありがとうねぇ。」とても優しい笑顔でニッコリ笑ったと思ったら、急に私に向かって怖い顔になりました。

おばあさん「この人から離れなさい。この人の大切な仕事に、迷惑を掛けてはいけないよ。さぁ、おばあちゃんと一緒に行こうね。」

おばあさんは、右手を差し出しました。私の後ろから、昨日納棺させていただいた子が出てきて、おばあさんの方へ歩いて行きました。おばあさんが言いました。

「あなたが困っていたから、私がこの子を迎えに来るために、一生懸命お願いして(拝むしぐさ)ここに来ました。あなたに会えるのは、これっきり。でも、会えて良かったよ。何か、あなたの役に立てて、よかったよ。この子は、私が責任を持って預かるからね、大丈夫、大丈夫。」

おばあさんは、私がこの道を志して始めて死後のお手当をさせていただいた、おばあさんでした。夜中の3時頃に呼ばれて、おばあさんのお手当を、眠い目をこすりながらさせてもらいました。未熟な私のお手当の時間の、私の心の方を汲んでもらったのだと思いました。おばあさんが、言いました。

「一つだけ、あなたに遺すよ。あなたが「かわいそう」って同情したから、この子はあなたを頼り、すがったの。同情は、自分の心も相手の心も傷付けるもの。同情より、もっと大切なことは、心をつなげること。つながって、一緒に考えていくこと。同情の先に、それがある。相手の立場に立って、何が大切か、この経験を無駄にしないで進んでね。もう、会えないけれどいつでも見守っているからね。会えて良かった、ありがとうね。

じゃ、行くからね。
(手をつないだ子に)・・・さぁ、お礼を言いなさい。おばあさんと、行こうね。」その子は、深々とこちらに向かい一礼しました。

「ありがとうございました。」

おばあさんは、私が着付けさせていただいた寝巻きを来て、あの子としっかり手をつなぎ、光の中に消えて行きました。暗かったはずの周りは、キラキラ光る、何も見えない、ただ光だけの光景に変わっていました。

目が覚めました。体がとても楽になっていました。そして、不思議と涙が溢れ出て来ました。それからは、いつも自分の未熟さを力に変えていこうと思っています。おばあさんに、何かをお願いするとしたら、後ろ髪を引かれる心を残しそうな現場のときだけ、

「よろしくお願いします。」と、お空に向かって手を合わせています。

なので、色んな経験をさせていただいて、死んだら終わりとは全く思っていない私。多分、亡くなった人はちゃんと自分のお別れの時間を見ている。と、思っています。伝えたい言葉を、故人に向けて伝えていただくことは、おばあさんが教えてくれた「同情」について教えてもらった内容と共通するように、自分にも、相手にとっても、死を迎えても関係性は絶対に変わらないから、きっと有効だと思います。私はこの通りの性格なので、自分が体験したことを信じて欲しいとは思っていません。ただ、そういう経験をして、私はその瞬間に自分の知らない世界(あの世というよりも、心の広がりの果てしない世界)に逢い、考え方が変わる経験をして、教えてもらって、その度に出逢いが宝物になっているというだけの話です。

だからね、誰も見てないと思ったら、大間違い。絶対に誰かの目があるのだと思います。楽しいときも、苦しいときも、悲しいときも・・・。自分にも言い聞かせて、時にじいちゃんの団子をこっそり食べるとき、キョロキョロ挙動不審になりながら?自分を戒めて、有り難くいただきます(笑)

分からないことは、ただ一つ。おばあさんは、「一生懸命お願いして」と言いましたが、誰にお願いしたのかだけが未だ分かりません。お願いして、叶えてくれる誰かが居るということだけは、分かりました。叶えてもらえた理由は何だろう?と考えたら、おばあさんは何一つ、自分のためのお願いはしていない。本来、お願いとは、そういうことなのかもしれませんね。

何より生きている私たちは、亡くなられた方の生きた人生の中にあった大切なことに、本当は照らされて生かされているのかもしれません。

2015年10月8日

曹洞宗婦人部北信越管区研修会

北信越5県からなる、平成27年度曹洞宗婦人部北信越管区研修会にお声掛けいただきました。会場には400名の、お寺を守る奥さまが前日から研修会をされていました。

復元納棺師と言う名前を、その方がみんな分かりやすいよって、復元を始めた10年前にご遺族から付けてもらってから名乗らせていただいていますが、その現場の中でのお別れのお手伝いのこと、東日本大震災のこと・・・。

復元は、特殊な納棺の時間に照らし合わせて、私が現場で行える内容の、知りたい情報を持っている人が居なくて、私には教えてくれる師が居なかったので、ずっと現場で悩みながら時に孤独に感じながらも、独学で進んできました。いや、師は「故人」だったのかもしれません。復元納棺ご縁から、人生を教えていただきました。今は、お医者さん方々が体のしくみ等含めて、答えあわせをしてくれる、恵まれた環境の中で更に技術を磨き、心を磨き、研鑽しています。復元後に故人に話し掛けるご遺族の姿は、私の心も癒してくれました。想い出を教えていただいたとき、その時からそれが、私の宝物にもなります。ご縁をいただいたご遺族の皆さんといっしょに、様々なことをお話しさせていただきながら、時にじっくりしんみりと、時に和気あいあいと、毎日学ばせていただいています。

東日本大震災の安置所の中の話しは、とても悲しすぎて、今でも勇気を出さなければ話せません。普段から人が持つ心の悲嘆をよくご存知のお寺さんですから、講演は本当に自然な流れでお伝え出来たと思います。お話しをさせていただきながら、本当に聞き上手でいらっしゃるなぁ〜と、思いました。聞き上手は話し上手と言われます。まさに!お話しも為になりました!

講演会場を、前日に教えていただいていたのにも関わらず、すっかり勘違いして他の場所だと思って、向かってしまっていた私。15分前に汗だくで、会場にちゃんと着きながらも、控えていた場所に居られた若いお坊さん方に、「いや〜、間違えちゃいました!」と話したら、

「あ、もう全然大丈夫です。もし間に合わそうになかったら、「講師の笹原さーん、講演会場にお越しください〜、講演のお時間でーす。」って、全館放送かけますから(笑)」

面白かった〜。聞き上手で、対応上手。素晴らしいっ!ということで、皆さまに支えていただきながら、無事に講演を終えて岩手県に戻り、納棺の現場に走っておりました。新潟県でも、本当にたくさんの皆さま方々にお世話になりました。ありがとうございました。

今日は、風がとても強いです。どうしても外に出るときは、充分お気をつけくださいね。

2015年10月6日

子ネコちゃん元気です☆彡

よちよち歩きが始まりました。時々、白熊に見えるのは私だけでしょうか?



2015年10月5日

いのち新聞編集会議・夢ハウス

事務所の中の、「東日本大震災パネル展」過日、子ども夢ハウスおおつちの管理人の吉山くんに手伝ってもらって完成しました。いのち新聞のみんなにも大好評で、パネルを眺めながら色々と今日もみんなで話し合いました。

「どんなに時間が経っても、理解してくれる誰かに、話しを聞いて欲しいことはある。」

東日本大震災を経験した、大切な家族を亡くした経験があるから、普段の生活の中では話さないけれども、新聞作りだから話すよと、今日は、その言葉をコンセプトに話が進みました。

月命日や命日を意識したときは、潜在意識が動き出すとき。心の信号が、行動を決めることがあります。

大きな声を出したくなった時は、大きな声を出せる場所に行けば良いし、

それを止められそうなら、いっしょに叫んでくれる人を探せば良いし、

慰められるより、黙って傍に居てくれる安心感を求めることの方があるし、

などなど様々な感情の動きを、話し合ったりしました。新聞に記事が埋まってきて、あと二つの記事を載せれば完成と、いつもパソコンを使って新聞をまとめてくれるI先生が教えてくれて、二つのうちの一つが決まり、あと一つ。最初は机に向かい、椅子に座ってみんなで話し合っていたけれど、いのち新聞編集会議は、度々リラックスタイムに突入する、震災の様々なゆるやかな会話がはじまることも多く、今後の色々企画を考えてみたりしながら、何故だか最後は二階のエントランスで地べたに座って座談会。これが一番良い話がいっぱいあったかも!でした。

今月ある次回の連続2回は、色々な被災地支援の作業で、年内は他に一回の編集会議。今作ってる新聞を、今年中に仕上げられると良いね、と昨日の編集会議を終えました。

夢ハウスの吉山くんに電話をして、夢ハウスといのち新聞と合同企画の話しを報告。寝入りだった吉山くんに申し訳なく思いながら(ごめんねー)、夢ハウスに新しいお友だちがたくさん増えたこと、子どもたちの背景を聞きながら、胸がグッと来たけれど、支えあい、思いやりながらみんなが過ごしている様子に、心打たれました。一昨日の土曜日は、保護者に送迎されてくる子、遠くから自転車や、聞けば歩きできている子もたくさん居たとか。現在は驚くほど多くの子どもたちが集まる日も増えている中、子どもたちがそれぞれの役割を自分たちで見付けて、夢ハウスを支えてくれていることを聞きました。夢ハウスは、ステキな社会の縮小図なのかな。吉山くんは、お父さんの心理を超えて、「もう、みんな、めんこいっす!」おじいちゃんの境地に達していました。(笑)藤原代表が大切にしていることを理念に、しっかり一つ一つ形に変えながら、本当に頑張ってくれていると思います。

いのち新聞は、弊社のトップページにありますので、どなたでもご覧いただけます。いのち新聞、子ども夢ハウスおおつち、皆さまのご支援、感謝申し上げます。ありがとうございます。




2015年10月4日

マンツーマンセミナー

1日〜3日まで、二泊三日のマンツーマンセミナーでした。普段、ご遺族と多く関わりを持たれている僧侶ご夫婦での受講でした。はるばる県外からお出でになられ、「岩手県って本当にステキ。帰りたくなーい!」と言ってもらって、弊社の職員全員がとても嬉しい気持ちでした。

今回の受講目的は、

火葬の窯の前でお勤めをさせていただくとき、死臭がして、緑などに変化する人が多いこと。枕経に伺う安置時の早期から変化していることもあり、死後の変化と、ご遺体に関わるご遺族の不安や不満を伺うことも多くなり、他人任せにすることなく知識を持ってその種類と内容を知り、対処していきたい。

傷などの手当てがなされていなかったり、あってはいけない様々な直接的な死因がそのままになっていることもあり、ご遺族の希望に添い対処したい。

等々3日間、本当に多くのご質問も出て、お答えすると、一つ一つをとても丁寧に記録されていました。ご質問の内容は、ご遺族との関わりの中で、故人とご遺族の心情を中心としたものでした。

「私たちの宗旨では、人はどのような死を迎えても、息を引き取られた時から仏さまになります。仏さまになった方に触れ、皆さんといっしょに進めて、仏さまのお手伝いをさせていただく大切な時間が納棺の時間」と、お話しされていました。

今回のご質問の内容を伺い、実は様々な宗派の宗教者の皆さんから、似た質問をされることが多くなりました。誰かを責めるのではなく、根本的な原因を知り、お一人お一人のお別れの時間を、その時その時でしっかり考えていくために知りたい内容ですとお話しされていました。

マンツーマンセミナーに来られる方はみなさん覚悟を持って、志を高く持って来られます。そしてもう一つ、ずっと人生の中で抱えていた大切な人との「死」と言うお別れを経験されています。

考え込み、何か悩んでいる様な表情で来られた時の表情と、包容力のあるありったけの笑顔でお帰りになる時の表情が、そして声のトーンまでもが変わってしまう。それが、マンツーマンセミナーの魅力なのかもしれません。ただ、マンツーマンセミナーは、技術習得目的なので、覚えていただく技術量が膨大ですから、過酷です。地元に帰れば、みんな習得したことをお一人お一人に提供して、様々な職種の皆さんがそれぞれの世界でカリスマになって活躍されているのが、何より嬉しいと思います。

宗教者と言う多忙なスケジュールを調整されてお出でいただき、とっても仲の良いご夫婦で、ステキなお二人でした。また、お越しくださいね。お待ちしてまーす!

2015年10月1日

子猫ちゃん、元気です!

耳としっぽが、シャム猫のお母さんのポチ子に似てきました。1匹は目が開いてきました。



子ども夢ハウスおおつち9月

下旬に藤原代表が夢ハウスに帰って来られて、「夢ハウスに、午前中の内に行きます!」なんてお伝えしたのですが、納棺の現場が立て込んで、結局、夢ハウスに到着出来たのは夕方だった。

岩手県の今朝は岩手山が初冠雪で、朝晩はすっかり冷え込みが厳しくなりました。風の谷のナウシカのように、田んぼも黄金色になり、稲が風になびいてきれいです。今年は稲刈りが早いよと、農家の人に教えてもらった通り、稲刈りトラクターが忙しく走っています。仮設住宅も、現在は学校の校庭に建てられている所が多く、ニュースでは子どもたちの活動の場の環境を戻すため、仮設住宅から仮設住宅への移転や、住宅建設の支援も始まるそうです。

夕方夢ハウスに到着して、すり傷公園に居ると、子どもたちが色々と報告をしてくれたり、一人一人とお話が出来ました。やっぱり、夕方の風は少し冷たくなってきたね〜〜、と話しつつ、元気いっぱい走り回って遊びながらも、藤原代表がいてくれることで子どもたちのテンションも上がっていました。うーん、なかなか、良い笑顔!

藤原代表から、今後の色々なお話を伺って、また思った。「藤原先生の世界って、本当に、すごい世界だなぁ。」いかに実践していくか、いかに子どもたちの気持ちを汲み取り形にしていくか、自立に向けての現在の指標から、その向き合い方と方向性等々。

夢ハウスで過ごすの子どもたちの、福祉の精神が、これまた最近は益々すごい。そうかぁ、ここで過ごすことで養われることってたくさんあるんだなぁ〜。確かに元気いっぱいでやんちゃだし、でもそれが可愛いのだけれど、家族を亡くし、生活の全ての町を無くした所から、地域や様々な人たちに出会いながら、学校の生活の顔と、家の顔、夢ハウスの顔をのびのびと表現する子どもたちの心の中に、優しさと思いやりが育まれていることには間違いない。

未だ見つからない家族の帰りを待っているのは、大人も子どもも同じ。そういう気持ちを共有しながら、復興の文字に思いを託し、生活の一歩ずつをきっとみんなが過ごしているのだと思います。私も、用務員のお姉さんとして、子どもたちの傍に置いてもらって頑張ります。

皆さまのご支援、心から感謝を申し上げます。引き続き、よろしくお願い申し上げます。