2015年10月11日

日本箱庭療法学会第29回大会

東日本大震災被災地の一つ、宮城県仙台市で、日本箱庭療法学会第29回大会にお声掛けいただき、講演の枠でお話しをさせていただきました。

京都大学教授河合先生、京都大学大学院准教授田中先生、石巻学校養護教員千葉先生、東北福祉大学大学院教授宇田川先生と、阪神淡路大震災、東日本大震災でも御尽力された著名な先生方々が参加されたシンポジウムは客席で拝聴させていただいておりましたが、先生方々にお声掛けいただき再び壇上へ上がらせていただきました。心理学を組み込みながら考えていく深い内容の中で、双方の思いを汲み取りながら「支援する側、される側」の心理、支援を受け入れる側としての助かったこと、実は困ったこと。「夢と体の関係」の心理学に、なるほどとうなりました。「幽霊の存在と自分と言う関係性」こんなステキな話があったんだ!等々の話しになりました。シンポジウム会場にお越しになれた方は、みんな驚きと納得の渦に、笑顔、笑顔。とてもステキな世界観に出会えた、大変満足した!とお話しされていました。

控え室でも先生方々とお話をさせていただいていましたが、ご遺族の悲しみを怒りに変えてしまう人が多発していて、あまりにも本来の形からかけ離れた、特によくある、「心のケアに来ました」「グリーフケアに来ました」と「ケア」を口に出して言っている人は信用しなくて良いと、私も思います。「心のケアをしました。」「グリーフケアをしました。」と言っている人も同様です。その言葉だけが、走ってしまっている現代の課題だと思います。相手を思っての基本的なケアは、そういうものではなく、自然な流れの中で行われるものですから、結果そのような言葉の使い方にはならず、そのような発言にもなる訳がないと私も思います。

ご遺族の立場の方から私の所にも、セカンドオピニオンではないけれど、「実はこう言う経験をして、そういう人に会い、怒りに震えた」と言う内容の相談が、実はとても増えています。「気持ちの解釈の仕方の、何がいけなかったのか」傷付いたご遺族の方が、考えようとする力があることが多くあります。実際は、今度そういう人に当たった時の、防御法ということにもなるのでしょうが。

諸先生方々には、お知恵をたくさんいただきました。今回も、とても広い世界にご縁をいただき、心理学を様々に教えていただきながら、先生方々の哲学に触れさせていただいて、本当に勉強になった時間でした。会場にお出でになられた方は、あんなにすごい話がいっぱい聞けて、本当にluckyでしたね。京都大学の学生さんは、とても深くてステキな講義が受けられるのは、すごいっ!と思いました。

心理学には「心」と言う字が先頭にあることを、私は改めて意識しました。心がとても元気になる時間をいただきました。本当に、ありがとうございました。

今日は岩手県に戻り、納棺の現場でお別れのお手伝いをさせていただいています。