2015年7月28日

津幡町学校教育研究会様講演

35℃近い気温だった昨日。加賀百万石の、石川県の津幡町にお邪魔していました。おもかげ復元師を読んでとのことで、1年前に講演のお申し込みをいただきました。

会場に入り、私の目が涙目になった理由としては、納棺にご縁をいただいた子どもたちが、「学校に行く」ということを目標にして、最期のその日まで生き抜いたこと、一人一人の子どもたちとのお別れの時間を思い出したからです。亡くなった子どもたちが、今の目の前の光景を見たら、どれだけ嬉しいのだろう。壇上に上がった時急に、そう思い、胸がいっぱいになりました。会場には200名を超える、小学校と中学校の先生、校長先生、副校長先生がお集まりでした。(中には「わぁー!先生だぁー」って、笑顔で逃げ出す子も、いるかもしれませんが(笑)やんちゃも又、GOOD!)

90分のお話しをさせていただきましたが、その中の最も中心となったのが、大切な家族(や人)を亡くした子どもとの関わり方、お別れの時間の中での、子どもたちとの会話とその後の関わりでした。本当に、色々なことが発生しますから。

校長先生方々と、色々なお話しをさせていただきました。私も納棺にご縁をいただく中で、納棺にご縁がなくても特に小学校、中学校、高校の多くの子どもたちから相談を受けることが多くあります。夢ハウスも然り。そういうときは子どもたちを中心に、色々といっしょに考えながら、時に周りの大人の人たちと、様々に取り組みことが求められることも多くあります。

子どもたちの世界の中も又、様々な問題を抱えていたり発生したりしています。先生方々は、それを見付け、相談を受け、毎日起こる様々な問題に向き合い、その場を開拓しながら子どもたちにとってベストな道を沢山の枝の中から探してくれていました。地域が学校とどのように取り組むか、核家族化が進む現代の課題なのかもしれません。




2015年7月27日

神さま、仏さま

納棺の時間に、実はよく拝見する光景があります。

お鍋の中に話しかけるおばあちゃん。
「美味しくなぁれ」

お線香に話しかけるおばあちゃん。
「ちゃんと燃えてね」

生花に話しかけるおばあちゃん。
「きれいだねぇ」

ドアノブに話しかけるおばあちゃん。
「いつも、ありがとうね」

棺の布団に話しかけるおばあちゃん。
「守ってちょうだいね」

なので、
私はちょっと聞いてみました。
「何かいるんですか?」

おばあちゃんが答えました。
「ん、あんたそりゃあさぁ、神さま仏さま。」

おばあちゃん、にっこり。昔は物が無かったから昔の人は、目の前の全ては縁のあるもので、今を生きるためにいただいた、神さま仏さまの御加護だからね、何でも大切にするんだよ、と教わりました。

大切に思うから、心を込めた丁寧な所作になる。困った経験をたくさんしたことで感謝に変わるから、何でもありがたいと思う生活になる。

仕事は一方的に行うものではなく、教えてもらうことが多いのも、仕事なのだと言うこと。お互いの気持ちが通じて、初めて仕事の成立になるんだと、日々学ばせていただきます。感謝、感謝です。




2015年7月25日

怖いはなしシリーズ5

幽霊になった友人に会った、おじいさんのはなし。

ある日の朝、目が覚めたら若い頃にお別れをした友人が、目の前に立っていました。・・・ような気がしましたが、気のせいかと思い、気にしないでいました。

翌日も、目が覚めると友人が目の前に立っているような気がして、思い切って話しかけてみたそうです。

「やっと気が付いてくれたか〜。」

友人は嬉しそうに言いました。そして、私(おじいさん)に聞くのです。

「生きているって、どんな感じ?」

そう聞かれて、初めて気が付きました。生きていることは、他者である誰かが「生きている」と関係性の中で知らせてくれるもの。と言うか、生きていることが前提で関わってくれていることが通常で、生きていることすら意識していないのが自分の生活の常なのかもしれない。

だから、自分では生きているのか、死んでいるのかさえ、本当は分からないものなのかもしれないなと。

「死んでいるって、どんな感じ?」

と、私(おじいさん)は聞き返しました。自分の答えが、もしかしたらその中にあるのかもしれないし、友人が質問した内容について、友人の意見を聞けば、友人が欲しい答えを見付けられるのかもしれないと思ったからです。

まぁ、お互いによく分からないと言うことで、今から何かしら生死を意識をして過ごして行くのだろうと話し合った訳です。

友人「年を取るって、どんな感じ?」

おじいさん
「あのね、年寄りは耳が聞こえにくい、

目がかすむから、幽霊なのか気のせいなのかも分からない。

幽霊かと思って怖くても早く動けないし、

若い頃の自分と随分違うから、戸惑うよ。体のことばかりだけどね。(笑)」

すると友人は「・・・、それはきっと、こちらの世界には必要ないものだから、こちらに来る準備を少しずつしているのかもしれないね。」私(おじいさん)は、何だか気持ちが楽になりました。

自分が死を迎えるとき、身内や友人が迎えに来ると言うから、それかと思って「そろそろか」と覚悟を決めて早6年。迎えではなかったようで、だったら一体何だったんだ?と、随分悩んだと言います。

「だけどね、その後に不思議なことがあったんだよ。孫の夢に、「しょうゆ団子が食べたい」と言う男の人が出てきたと。しかも、やたら滑舌の良い人だったって。孫は14才で年寄りじゃないから、そこは頑張るところじゃないんだけどね。「耳が聞こえにくい」と言う私のはなしを、きちんと聞いてくれていたんだね。友人は、しょうゆ団子が好きだったから、供えてあげたんだけどね(笑)」おじいさんは、目に涙をいっぱいためていました。「生きていようと、死を迎えていようと、会えたことは何より嬉しい。」

このお話しを教えてくれたおじいさんは亡くなりましたから、きっと今頃は、一緒にお友だちと仲良く過ごされていると思います。

他にも人が亡くなる時、挨拶に来てくれると言う話しは、納棺の時間にもよくご遺族から教えてもらいます。「来てくれたんだよ〜。」って。

私のお部屋にも、「あ、誰か居るなぁ。」時々そんなことがあります。不意に時計を見ているので、後日、時計を見た時間と同じ時間に亡くなっていたと聞くと・・・、

怖いというより、「色んな人のところに行かないといけない中で、わざわざ私の所にも寄って下さったんだなぁ。」って、目がウルウルして、お別れはとても淋しいけれど、最期に私を思い出してもらえたと言う意味で、心がつながっていることを知り、嬉しい気持ちになります。

幽霊とかあの世とか、オカルト的な感じで扱われることが多いけれど、死を経験した人にとっては、それは希望の塊になっています。だから、そんな話しを聞いたら、「会えて、良かったね!」と体験をした人に声を掛けてあげてくださいね。

お盆が近いから、不思議体験も増えてきましたね。どうぞ素敵な時間を、お過ごしくださいませ。私は今年も「しょうゆ団子」と、おじいさんが好きだった黒糖黒飴を忘れずにお供えしたいと思います。

2015年7月23日

色々と

《二泊三日の研修》
鹿児島県から、二泊三日の研修に、ようこそ岩手県へお出でくださいました。岩手県も34℃、35℃と連日暑い日が続きました。

「鹿児島県より、湿度が低いので大丈夫です!」

と、おっしゃられたSさんさすが!私は納棺(自宅は特に)の時間も、この数日間はご遺族に「大丈夫?」と心配されるくらい、汗だくでした。葬家で扇風機や、冷たいお茶のお心遣い、ありがとうございました。感謝申し上げます。

《いのちの授業》
何度かお邪魔している学校さん、初めてご縁をいただく学校さん、いのちの授業のお問い合わせを大変多くいただいておりますが、スケジュールの都合がなかなか合わず、申し訳ありません。それでも、昨日と今日のお問い合わせは、何とか調整をいただいて、伺えることになった学校さんもありました。よろしくお願い申し上げます。おもかげ復元師やおもかげ復元師の震災絵日記を読んでくださったり、本がご縁をつないでくれます。何か少しでも、お役に立てれば嬉しいです。

《子ども夢ハウスおおつち》
現在は、「子ども夢ハウスおおつち」の活動をお手伝いさせていただいています。山口県の夢のみずうみ村の藤原代表が、子ども夢ハウスおおつちを立ち上げてくださいました。藤原代表のチームの皆さんも、子ども夢ハウスおおつちの活動を支えてくださっています。

子ども夢ハウスおおつちには、たくさんの子どもたちが集います。管理人である吉山くんが中心になり、横ちゃんと二人で頑張ってくれています。保護者の方、地域の皆さんと毎日起こる様々なことに向き合って、みんなで地域づくりに力を入れています。それから、ボランティアの皆様にも支えていただいていますと、吉山くんがいつも教えてくれます。感謝申し上げます。

子どもたちには、一人ひとりの背景があります。少しずつ環境も変わっていきます。久しぶりに夢ハウスに行くと、前回よりも身長も伸びている、子どもたちの成長にも出会います。ゆっくり語れる場所であるのも、目一杯体を動かして遊ぶのも、夢ハウスにたくさんの人が集う理由なのだと思います。

藤原代表は、くっそーと呼ばれています。「お帰りなさい〜!」くっそーが夢ハウスに帰ってくると、子どもたちみんなが色々な報告をします。

子ども夢ハウスおおつちの活動は、皆さまのあたたかいご支援、ご寄付により支えていただいています。心から、感謝を申し上げます。募金のお問い合わせもいただきます。以下、募金のご案内です。弊社ホームページのトップページから、夢ハウスの活動ブログをご覧いただくことが出来ます。初めてご支援いただける方も、引き続きの皆さまも、今後ともよろしくお願い申し上げます。



<<募金の方法>> 

ゆうちょ銀行の振替口座へ払込みをお願いいたします。

口座記号番号 01300-4-102234

口座名称(漢字) 夢のみずうみ村 夢ハウスおおつち基金
口座名称(カナ) ユメノミズウミムラ ユメハウスオオツチキキン


<<他行から振込の場合>>
(銀行名) ゆうちょ銀行 

( 支店名)一三九店(イチサンキュウテン)


(預金種目)
当座  口座番号 0102234

(口座名称) (漢字) 夢のみずうみ村 夢ハウスおおつち基金


2015年7月20日

シリーズ怖いはなし4

お待たせ致しました。これがまた予想以上に大好評の、シリーズ怖いはなし4をお届けします。

先日、お医者さん方々との打ち合わせ終了後のお話しの中で、「不思議体験」の話になりました。

お医者さんは、けっこう不思議体験をされている方が多いのですが、それ以上に業務が多忙なので、あの世の方相手にも、患者さんと変わらず、普通に対応をされている先生が非常に多いです。

「どうしましたかー?」とか、
「ここには、入ってはいけませんよー。」、
「そこ、通りますよー。」とか。全くもって、生きている人といっしょの対応です。

お看取りのときも、
「お疲れ様でした。これから道中、気を付けてね。」とか、
お看取りした方が、わざわざ(先生方々曰く)、お礼に来られる方も多いとのことですが、

「体から魂が抜けてから、脈が止まるんだよ。」と教えてくれる先生も居ます。

お医者さん方々が語られる体験談、「お迎え話」も、とても有名ですね。亡くなるときに、亡くなる方をお迎えに来てくれる、先に亡くなったあの世の身内や知人のお話しを、本に記されたお医者さんも居られます。「大切なことだから、せん妄で片付けられては、ナンセンス!!」と、お話ししてくださる先生方も多いです。ステキです。

先日のお話しの中でも、とても印象的だったお話しがありました。そのお医者さんは救命医療のお医者さんですが、普段から不思議な体験は色々あるけども・・・とお話ししてくれました。

10年以上前はポケットベルと言う、移動中である人に連絡を取るために呼び出す、手の平サイズの通信機がありました。ポケットベルに、連絡を入れて欲しい電話番号や、数字でメッセージ(例えば4649←「よろしく」と読む)などを入れたりします。

現在は院内用PHSですが、当時お医者さんは、ポケットベルを病院内外に持ち歩いていました。ある時、先生のポケットベルがいつものように鳴り、ベルが受診した番号へ、電話をかけたそうです。

一回目、誰も出ず・・・
二回目、誰も出ず・・・
三回目にかけたら「はい」と看護師さんが電話に出たそうです。だから先生、「何かありましたか?」とベルが鳴ったので電話をかけたけど、二回も誰も電話に出なかったことを伝えると、

「先生、その番号は間違いないですか?」と看護師さんに聞かれたそうです。

「え?間違いないですよ。」と先生が答えると、

「先生、誰も出ないはずですよ。だって、ここは霊安室ですから。」

と言うことがあったよと、先生が話してくれました。

「昔はポケットベルのことを、ポケベル」と略して呼んでたんだよ。」と、この話を高校生の子どもたちに話したら、ポケベルのことをみんなが「ペケポン」と言ったので、ポケベルの説明の方が長くなり、結局話は最初からやり直しでした。(笑)

次回は、「幽霊になった友人に会った、おじいさん」(予定)の話をお届けしたいと思います。どーぞ、お楽しみに。

2015年7月19日

日総研さん大阪セミナー

日総研さん、大阪セミナーでした。台風11号の影響で、電車の運休と飛行機の欠航、様々な交通機関の事情がある中で、会場に到着出来なかった方々、遅れて会場入りされた方々もいらして、遠くは沖縄県からそして何とか辿り着いたと教えてくれる皆さんと、スタートしたセミナーでした。

ER(救命救急)、ICU(集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児治療回復室)、小児病棟、看護学校の先生など、主に赤ちゃん・子どもの治療に関わる専門職の皆さまに参加いただきました。

セミナーの内容としては、レジュメの内容の通り、テキストに沿った形で進めて行くものの、何せ質問が本当に多く出るので、テキストを進めながらも、質問の回答と同時に実践に向けた内容も、どんどん組み込みます。

セミナー終了後には、演台の方へお出でいただいた皆さんお一人お一人の質問に答えながらお話しを伺います。こちらのセミナーの場合の特徴としては、ずっと一人で抱えられていた悲しみを、涙をポロポロ流しながら、過去にご縁のあった赤ちゃんや、子どもさんのお別れの状況を、お話ししてくださる方が本当に多いこと。

「ずっと自分のために、答えを探し続けていてくれたから、きっと最愛のその子が、ここへ連れてきてくれたのかもしれませんね。」

会場の中には病院は違っても、同じ思いの方々が来られているから、共有いただけることはたくさんあると思います。

過去に、赤ちゃんを亡くしたお母さんがこちらのセミナーを受講されたことがありました。その方は、看護師さんだったのでこちらのセミナーを受講いただけたと思います。その方は、こう話されていました。

「私は、過去に赤ちゃんを亡くしました。家族も、関わってくれた医療者も、誰もかれもが、無理に私に関わろうとしたり、時に私を避けているように思えました。許せなかった。ずっと何年も、その気持ちで生きて来ました。でも、今日のセミナーを受けて知ったことがあります。自分は、お母さんとしての遺族心理だったのだと。そして笹原さんが「お母さんとして、親として、当然の心情なんだ」と言った時、私の気持ちは間違っていなかったのだと知りました。そうしたら、涙がポロポロポロポロ出てきてしまって、

許せなかったのは周りの人じゃなくて、自分自身だったのだと知りました。

やっと、亡くした赤ちゃんに、母として素直に話し掛けられる気がしています。会場の中にいる助産師さんたちが、ずっと縁のあった赤ちゃんを思い続けていてくれたこと、たくさんのお母さんたちに知って欲しいなと、思いました。ありがとうございました。」

死はその人の人生そのものです。死に携わるお仕事をされている方は、いのちの輝きを知っていて、見逃しません。そういう大切な想い出が、涙と言う形でつながりを深めてくれるのかもしれませんね。

セミナーでは、お別れの時間の中にある(復元含め)、そのプロセスの中にある、かけがえのない大切なことに、出会っていただけるように、お別れの現場からお伝えしました。

2015年7月15日

現在の岩手県海岸

岩手県の被災地沿岸の海岸には現在、すごく時間の経った衣類、洗濯バサミなどの生活用品、家の壁などの一部、お茶碗の欠片が波にもまれて丸くなった物などが、沖から流れ着いています。いつも、海岸をきれいにしてくれるボランティアさんに、感謝です。先日は、内陸の中学生の皆さんと先生と、子ども夢ハウスおおつちの子どもたちと、海岸清掃をしたそうです。


話し合う場

出張から戻って来て、地元の子どもたちに声を掛けてもらって呼ばれた時間がありました。

子どもたちが話し合っている内容は、「いじめ」についてでした。

ほとんどの子が、いじめられた経験がありました。担任の先生が間に入って解決してもらっていました。その時、保護者にも連絡が入っていたそうです。

家族には自分の弱さを知られたくないと思ったけど、今振り返れば良かったと、口々に言っていました。

数日前にみんなそれぞれ、「いじめ」についてのアンケートを学校で記入したそうです。実に、今の自分と向き合う意識が高くなる、今の自分の立場から考えることの出来る、質問の内容だったそうです。アンケートを振り返って、

「スタートは、お互いの価値観の違いから、起きるものなのか?」

「いじめている側は、もしかしたら気が付いていないものかもしれない。」

「そういう時は、周りの誰かから言われたら、気が付くんじゃないか?」

「もし、泣くまで追い詰めている人を見たら、先生に相談しよう。」「いや、そうなる前にじゃないか?」

「もしかしたら、今の自分がいじめている立場になっているのではないか?と考えながら色々行動しないといけないね。」

「学校に来なかった子が学校に来て、声を掛けれていないけど、本当に良かったと思った。」

みんながそれぞれ、言葉や態度を振り返っている時間でした。部活を通しての練習試合や大会など、他の学校と交流することも多いから、挨拶したり、声を掛けたりしながら、お互いに相談出来る仲になって、他校の友達も増やしたいと、話し合っていました。

続いて「貧困」についての話になり、

「ご飯が食べれない人が居るらしい」

「弁当を持ってきてない人は、もしかしたら持ってこれない事情があったということか?」

「そうだね、クラスメイトに家庭の事情は誰だって知られたくないからさ、プライドを傷付けないように、さり気なくだね。」

「弁当を持ってこれる人は、自分の弁当から、黙って忘れた人に分ければいいんだな!」

「先生に言った方が良いな?」

「給食って大事だなぁ。」

「大人になったら、ご飯が食べれない子どもにさ、みんなで炊き出ししよう!」

「おいしいものを食べてる時って、幸せだよね。」

「おいしいもの、作る練習をしなくちゃね!練習からじゃない?」

「何、作れる?」

「目玉焼き」

「たまご焼き」

「たまご、ばっかり・・・。」

「もうちょっと家庭科、真剣にやろうぜ。」

「そうしよう!」

自分たちの生活の中にある事がらについて、無意識だったことが、意識する方に向いている、そういう時間だったと思います。相手を知ろうとすること、思いやること、その行動の方法、自分を振り返ってみること、よく考えていたと思います。地域にいる私たち大人が、どこまで子どもたちを見つめ、気付き、自立出来るように支えて、しっかり見守れるのか。私も、考えさせてもらえた時間でした。



2015年7月14日

鹿児島マコセエージェンシー様講演

鹿児島県にある広告代理店の会社。オリジナル会葬礼状などの事業で、いろんな所で遺族からのアンケート回答評価、No. 1!を得ている、マコセエージェンシー様講演。2年連続で、お邪魔しました。

伺えば、本当に色々なお勉強をされていて、こちらの皆さんの凄さは、それを自分の仕事の中に落とし込む力。トライして開拓して、力を付けていく。だから、一人一人がonly oneなのかなぁ。

そして何と言っても、どこからそのアイデアが湧いてくるのか??と思わせる、人が思い付かないようなことを、爽やかに実行する力・・・素敵すぎる。毎回、驚かされます。

会葬礼状は、一般的には葬儀に参列されたり、葬儀には出席出来ないけれどと、その前にお別れに見えた方にお渡しする御礼状のことですが、お品物(返礼品)とセットで渡すことが多くあります。納棺が終わった時に、遺族が納棺に集まられた方に、お渡ししている姿を拝見することがあります。

元々、皆さんはご遺族とお話をするお仕事ですから、私からお伝え出来ることは納棺の現場でのご遺族の心の移行や、その中で想い出がどのタイミングで出るか等々お伝えした訳ですが、打ち合わせの中でも、色々お話しをしました。

私が伺った現場で、たくさん泣いていたご遺族が、傍に居られた100歳近いお年寄りに、

「おばあちゃんこそ、あちらの世界で、会いたい人がいっぱいいるでしょ?」と聞きました。

「みんな逝っちゃったから、寂しいと思うこともあるけどね、あちらの世界でみんなに会えたら、冥土の土産がたくさんあるもの。土産話しでは先ず、

飛行機が飛んでいるということでしょ!空を鉄が飛んでるのを知ったら、みんな、腰抜かして驚くよ!

それから、ガスがあることと、電気があること。しかも、スイッチ一つだよ〜!ご飯がスイッチ一つで炊けるんだから、みんな、えー!って驚くよ〜。

うふふ、みんなの驚く顔が見たいよね。だから、みんなによろしく伝えてね。先ずは、ゆっくり休んでからね。」と、亡くなられた方に話し掛けていらっしゃいました。

仕事の都合なども考慮して、日数が短くなっていることで慌ただしいと言われる現代の「葬儀」を支えている人は、プロも地域の人も含めて沢山いて、そのみんなの気持ちは、心残りのないお別れをしてもらえるように、実はみんなそれぞれに、色々後悔した経験なども含めて活かしながらであること、だから説得力があって、頼れるのかなと思いました。

葬儀の中の「お別れの言葉」の時間の文章に、頭を悩ませる大人と子どもたち含めた皆さんの姿に出会います。構成や文章のつなぎ方など、会葬礼状がマコセさんだったら、少し相談してみても良いかもしれませんよ。すごいアイデアマンだから。(いや、私、今、勝手に言ってるだけですから聞いてみてくださいね。)でも、お別れの言葉はね、ちゃんと悩んで、考えて、完成させてくださいね。悩んだ時間も、想い出になったと、ご遺族が教えてくれます。

マコセエージェンシーのSさんが今度、岩手県にお越しになります。何と言っても、only oneの文章のプロだから、夢ハウスの子どもたちの夏休みの作文を見てもらえたら良いな〜なぁんて、「作文講習会」として、吉山くんに相談してみようと思った、子ども夢ハウスおおつちの用務員のお姉さん(*おばさんではない)の、私でした。まだ、マコセさんのSさんにも相談してないけど(笑)これから、ご相談させていただきます(´Д` )よろしく、お願い致します(`_´)ゞ

*\(^o^)/*






2015年7月13日

日総研さんセミナー

日総研さんのセミナーで、医療・介護職の皆さまを対象として、11日は岡山県と12日は九州福岡県の会場に伺いました。

病院・医療の皆さんとして、急性期、慢性期、ICU(集中治療室)、NICU(赤ちゃんの集中治療室)、ER(救命救急)、緩和ケア、Ope室、OT・PT(リハビリ)、薬剤師。

地域の福祉・医療として、訪問診療、訪問看護ステーション、高齢者の専門の皆さんとして、グループホーム、ケアハウス、特別養護老人ホーム、介護老人(医療)福祉施設、介護療養型医療施設、OT・PT(リハビリ)、薬剤師。

普段から地域の中で社会を守り、つながり、作ってくれているアイデアマンのプロの人たち。患者さんや利用者さんを、心底想い続ける多くの皆さまに御参加いただきました。

今回の2会場共に、「思いついた!」と、ものすごく良い笑顔で、声を掛けていただくことが本当に多くありました。「早く仕事に戻りたくなった!」と口々に、セミナーの中から色々見付けられたと教えてもらいました。予想もしていないことが起こるのが、現場。そういう現場の中でご活躍される皆さんは元々、地域に居られるアイデアマンですから、きっとセミナーの中でお伝えしたことを、ご自身の現場にしっかり落とし込まれて、患者さんや利用者さんの笑顔のために、益々ご活躍されることと存じます。

日総研さんのセミナーは、医療・介護職の皆さんが対象ですが、小中学校の先生が生徒さんを想い参加をしてくださっていたり、「引きこもりです!」と言う中学生の子たちが参加してくれていたり、セミナー終了後に時間を作ってお話をさせてもらいながら、死から生きることを、亡くなった人たちが生きている人たちを支えてくれていることを感じています。

引きこもっていた子(本人が色々と教えてくれた。ありがとうね。)は、初めてセミナーに参加してくれた後、バイトを始めたそうで(偉いぞ〜!)、お金を稼ぐことの大変さを学んだと教えてくれました。前に会った時より、とっても敬語が上手になっていて、年を重ねる度に涙腺が緩くなってきている私は、この子の荒波に揉まれながらの成長を感じながら目がウルウル。「いつか、笹原さんの弟子になりたい!」と宣言をされました。「老いた証拠に弟子が出来る」と言われたことがありましたが、老いることは悪くないかもと(まだ、お姉さんだけど)最近は老眼に悩む私の心に(コンタクトレンズの素晴らしさを実感!)この子は元気のパワーを注いでくれたのでした。

私も、失敗を積み重ねて進んできました。どんなに評価が良くても、自分では納得できないことが多くありました。失敗をする度に嘆き、苦しみを抱えました。でも、その苦しみに気が付いてくれる誰かと、必ず出会いました。私は、そういう人たちに支えられて生きています。だから、私もそういう人になりたいと、ただただ、そう思いながら生きているだけです。

以下の言葉は、納棺の現場でお年寄りの女性が、遺族にお話してくれた言葉です。おばあちゃんの言葉に遺族は、安堵したように涙を流していました。

死の存在はショックが大きいほど、何かを心に遺してくれる存在であると言えます。その遺してくれたものが、自分に知恵や考える時間を与えてくれて、心を養ってくれるのだと思います。自分の心の中に居る、自分が大切と思える亡くなった人の存在は、血がつながっていようといなかろうと、忘れない限り自分の中に生き続けます。だから今から、私の心の中に、一生いっしょに生き続けるよ。

本当は方言が入っているので、素敵な雰囲気なのですが、多分文章にすると分からないので、方言を訳しました。一番最後の文章が、どれだけの意味を含んでいるのかを考えると、私の胸がギュッとなります。

おばあちゃん、天晴れ!
ドンと晴れ!

2015年7月10日

子どもたちとの時間

入院しました、調子が悪くて、私の車。納棺業も又、ものすごい距離を走ります。オイル交換はもちろん、日々の点検は実は欠かせないもので、何故って現場に向かう途中に車に何かあると、到着出来ず迷惑を掛けてしまうから・・・。車も良き、buddyです。

自分の身体も同じこと。時々は体と心を客観的に見てあげること。調子が悪いかな?とか、今、ちょっとここが弱ってるかな?とか、少し休ませてあげないとダメかな?とか、いやいや踏ん張るときかな?とか、角度を変えて考えてみようかな?とか、誰かに話しを聞いてもらおうかな?とか、メンテナンスをしてあげないといけないこと、色々あるんじゃないかなぁと、思うよ

と、ここのところずっと内陸、沿岸、現場とその他の所で、小中高生とじっくり話すことが、とっても多くありました。

学校のこと、お家のこと、部活のこと、友だちのこと、色々みんなと話します。「復興教育授業を聞きました!」「いのちの授業を聞きました!」と色んなところで声を掛けてもらうことも、とっても多くなりました。「復興教育授業を聞いたときね、実はこんなことがあってね。」等々、話して聞かせてもらうこともあります。

先生がつないでくれたご縁ですから、いつでも声掛けて、訪ねてくださいね。私の周りには、とーってもステキな人たちがたくさんいるので、つながってくださいね。世界って実は、もっともっと、すご〜く広いのです。

みんなと色んな話しをしました。生きるためには、ルールがあるよ。それは、相手の立場に立って考えたり、みんなが笑顔になったり、一緒に考えられるようにしたり、

言いたいことを伝えることの中には、

そのまま伝えることもあるけど、
(ポジティブなことならオッケー)

グッとこらえることも、
(腹が立ったら3数える)

言葉を変換して伝えることも、
(嫌い→苦手)

例えばの話しをしてからとか、
(分かり易く流れを作る)

相手の表情を見ながら、
(表情に相手の答えがあるよ)

伝えた方が良いこと、
伝えなくていいこと、
(思っていることを分類して)

何を伝えたくて、
(知って欲しいこと)

それによってどのような流れになるのか(思いもよらない方向へ行ったときの覚悟と対策も)
等々考えながら、

一番大切なのは、善悪の判断ね。大人も間違うことはあるし、間違っちゃいけないということではなくて、間違っときにきちんと向き合うことが大切です。同じ間違いをしないように、エスカレートしないように、ちゃんと悩んで考えて、時には誰かに相談して、結論を出すこと。と、色々な話しをしました。

みんなと話して気が付いた。みんなちゃんと考える力を持っていて、私の子供の頃より、ずっと自立してる。すごいなぁと、思います。だけど、今どきの言葉が分からない私(笑)
おけつ→オッケーのことらしい
w  →(笑)のことらしい
等々、解説してもらいながら(笑)

特に死だけじゃなくて、悔しかったり悲しかったりの経験をした子は、とても優しい。同じ時代に暮らすもの同士、力を合わせて行こう!40も過ぎたお姉さん(おばさんでは、決してない)は、そう思うのでした。


2015年7月6日

マンツーマンセミナー

昨日から、三日間のマンツーマンセミナー、山口県の看護師さんです。ようこそ、お越しくださいました。

多くの患者さんとの時間の中で、お一人お一人の看取り期に入り、患者さん本人やご家族から出る、切実に求められる希望を叶えたいと言うことで、お看取り前後に関わる内容を中心に、熱心に技術習得に励まれています。今日は2日目を終えました。

高度医療の進歩と共に、私たちにも求められる技術が高度に、様々に複雑になりつつあります。時代に合わせながらも温故知新、地域のしきたりや死生観の中にある、いのちや悲しみとの関わり方を大切にしながら、お別れのお手伝いの時間を進めます。

山口県内には、70年前に戦争で亡くなった人を運び、山を掘って埋めた場所があるのだと教えてもらいました。70年間、語り継ぎ手を合わせ続けている地域の人たちのお話しを伺いながら、一つ一つの歴史の中にあるいのちの、深い話が胸を打ちました。

河童、座敷わらしなどの子どもたちの話しが多く伝わる岩手県のむかし話しも、お話ししました。飢餓で苦しかった時代に、間引きされた子どもたちは、今もみんなの心の中にその時代の、どうにもならなかった現実と共に語り継がれ、生きていること。妖怪と呼ばれる子どもたちの存在の、背景にあるものを知ると、妖怪だとか生きているとか、死を迎えているとか、そういうこと以前の問題で、いのちと、どう関わるかの方が最も大切になること。

昔の苦しみからの課題が、今の時代を作ってきたこと。私たちが生きていられるのも、誰かの存在があるからこその「生」であり、

今日までを様々な困難の中で積み重ねてくれた沢山の方の、忍び開拓して来られた人生があるからこその、今。

「死」に携わる時間の中で現代に求められること、「死」は遺された人の生きることに直接つながるから、これからを考え、伝えることを含めて話す時間もありました。

明日で最終日。明日は少し難しい復元の技術習得になりますが、今日までの2日間の合格ラインを基礎として、頑張ってもらえればと思います。

山口県と言えば、子ども夢ハウスおおつちを立ち上げてくださった藤原代表のお膝元。大学で藤原代表の講義を受けたことがあるそうで、すごく引き込まれる講義だったと話されていました。つながってますね〜!


2015年7月5日

DVD教材発売のお知らせです。

お体が中心になります、DVD教材発売のお知らせです。

さくらの納棺(60分)
〜参加型納棺のポイント〜
1.硬直解き
2.拘縮解き
3.着衣の脱がし方
4.仏衣の着せ方
5.仏衣の着せ方(参加型)
6.棺の安置(参加型)

税抜き18000円
(税込み19.440円)

今月下旬頃発売開始まで受付中です。
《先行予約特典》
1.代引き手数料無料
2.  付録
(商品番号1か2のどちらかお選びください)

発売のお知らせのハガキをご希望された皆さまへは、昨日発送させていただきました。


肩から上のお手当て、身だしなみ(死化粧等々)ご希望の場合は、

さくらの納棺(61分)
〜復元納棺師の参加型死化粧〜

をお勧め致します。
詳しくは、弊社ホームページのトップページを参照ください。

2015年7月4日

夢ハウス、7月4日

沿岸納棺の当番で、走っていました。被災地沿岸納棺の中では、東日本大震災の話題が上がります。遺された皆さんお一人お一人が、今を生きておられることを伺いながら、故人が遺してくれた大切なものを確認し、納棺を進めさせていただきます。

今日は、多くの皆さまにご支援をいただいております、子ども夢ハウスおおつちに行ってきました。

上着を一枚羽織ってちょうど良い気温の中、特に男の子チームは元気に外で遊んでいました。

女の子チームを連れて、私は買い出しに出ながら、皆んなと色々話します。

津波で亡くなった家族のこと、
見付からない家族のこと、
そして、東日本大震災の安置所の質問(なかば柔らかく責めにされる私)。
復興のこと、
学校のこと、
友達のこと、
これからのこと。

女の子チームの会話です。
「昔の町がよかったな。」
「そうだねー。」
「復興って戻るのかな?」
「新しい町づくりじゃない?」
「そっかぁ。」
「てもさぁ、大槌町には全国各地からね、すごい人が集まってるでしょ?」
「うん、うん。」
「だから、これから先は、大槌町が世界の中心になるんだよ!」
(えー!そうなんだ!!←私の心中)

素晴らしい。なんて、ポジティブな会話でしょうか。のびのびとした会話が繰り広げられます。一人一人の背景には、一人一人が大切にしていること、被災地の環境の中では、我慢して耐え忍ばなければならないことも、多くあります。彼らの未来に光が当たるように、大人の責任は重大だなぁと感じました。

しばらく来れなかったので、久しぶりに会った子どもたちは、みんな身長も伸びていて、気持ちを伝える言葉の使い方も、とても上手になっていました。そして、夢ハウス農園が発足されていて、子どもたちがしょっちゅう農園に来ては成長を見て、世話をしたりして(だけど急に虫とりの時間になることも)、見事でした!(スズメをとるための仕掛けも、農園にあったりした!でも、人が引っかかってた!)

度々、自分の気持ちと向き合って決断しなければならない状況が、彼らの生活の中にも起こります。家族、地域、学校、夢ハウス等々、大人の人にしっかり見守られながら、子どもたちは少し落ち込んでいる友だちを誘い、夢ハウスにやって来ます。夢ハウスに来る度に、新しいお友だちが増えていて、古株の子どもたちが、新しいお友だちのお世話をしていました。感心で、たいしたもんだと思います。

そして、夢ハウスオリジナルかき氷を考案したHちゃん。ブルーハワイに練乳をかけて、なんとウインナーを入れたかき氷を「夢氷」と命名していました。(ビミョ〜)

用務員のお姉さん(おばさんではありません)の私としては、藤原先生、吉山くん、横ちゃんに感謝しながら、今日も又、学びの多い1日となりました。


2015年7月2日

黒くて長い虫⁉︎

納棺の現場に到着すると、ご家族が玄関で慌てたように待っていらした。

「すみません、急いでください!」

そう言われて、どうしたんだろうと思いながら、案内されるまま故人が安置されているお部屋へ到着。

「黒くて長い虫が、首のところから出ていて、誰も近付けません!」

と、おっしゃるご家族。

(黒くて長い虫・・・?と私、考える)

お身内の方なのか、

「前に身内を亡くしてるんですけど、亡くなった体からゲジゲジ一匹出てきて。今回も、虫が付いているみたいなんです!」

ゲジゲジが故人から出てきたことは、実は私も経験があるのですが、処置の内容が合っていないと虫が付いてしまう可能性は高く、そういうことなのかな?と思いつつ、

(黒くて長い虫は、10,000人以上の納棺のご縁をいただいた中で、初めての経験だなぁ。どんな虫何だろう?と、又考える・・・私)

私は黒くて長い虫を、確認。ご家族に声を掛け、故人に対面していただきました。確認のとき・・・(なぁるぼど・・・。と思いました。)

私「結論から、お話ししますか?先に確認されますか?」

家族「け、け、結論をお願いします!」

私「では、今、私、それを手に持ちますので・・・」

家族「はい!(目をしょぼしょぼ)」

私「結論ですね、黒くて長い虫の正体は、ご本人が着ていらっしゃる、パジャマの紐ですね。」

家族ご一同様「ヤァダァ〜!うそぉー!えー!(まじまじと紐を見る)本当だ〜!ヤダァ〜!あー、びっくりした!全然、悲しめなかったー!」

家族「なんか、本人の最後っぽいね。いつも、イタズラばっかりしてたから(笑)もー、本当にびっくりしたぁ〜!」

その後、故人の想い出はなしを中心に、和気あいあいと納棺が進んだことは、言うまでもありません。でも、そのくらい、身内の死は慌てるものなんです。色んな先入観や、固定観念から始まることもありますし、少しずつ分解して様々に考えながら進めるのが、参加型納棺ですから、どのような形で始まっても大丈夫です。

当然のことながら、どうしても慌ててしまうことはありますから、だから大切なお別れの時間は、家族といっしょに考えてくれる、他人である誰かの存在が、必要なのかもしれませんね。

2015年7月1日

シリーズ怖いはなし 3

怖いはなしシリーズを始めてから、何が本当に怖いはなしなのか、ちょっと分からなくなりかけていた(笑)結局、毎日子どもさんたちとの出会いの中で聞いてみる。

「やっぱり、こう、ゾクゾクってくる感じのはなし!」

「わぁ!って、驚く感じのはなし!」

「ドキドキして、ビックリするはなし!」

なぁ〜んて、教えてもらいながら、ヘェ〜って感心したりします。で、みんなに色々聞いてもらって結局、

「紐」  却下、
「足音の正体」  却下、
「緑色の幽霊」  却下、
「蜘蛛の巣」 却下、
「かごめかごめ」  却下、

etc、ことごとく却下。私の体験談は怖すぎるから、ダメなんだそうだ。だけど「みんなで聞きたい〜!」とのことで、夏休み企画で怖いはなし大会をして欲しいとまで言われ・・・(笑)検討中。私も、怖いはなしが聞きたいとねだる、そんな子どもの頃があったような気がします。内容により、その解説により、実は怖いはなしから色んなことが学べるものです。

子どもの頃、年寄りに付いて行って遊んだ場所と言えば、お寺が多かったから、一緒に遊んでくれるお坊さんが、私たち子どもに、よく怖いはなしをしてくれました。その解説が、子どもに合わせた宗旨だったのだと思います。ただ怖いだけじゃない、グッと引き込まれて身になる、怖いはなしでした。

おじいさんもおばあさんも、お地蔵さんとお坊さんに、同じく手を合わせるもんだから、昔の私は、お坊さんをお地蔵さんだと思い込んでいたので、「いつ、蓮の花に帰るの?」と訳の分からない質問をしたりしてね(笑)お坊さんは、「ん、そうだね、もう少ししたら。」と、話を合わせてくれました。優しいぃ〜。

でも、怖いはなしには、おまけが必ず付いていて、みんな一人でトイレに行けなくなるから、付いていかないとならないのです(笑)あはははは〜(´Д` )

みんなが気に入ってくれた、はなしを一つ。

「火の玉」

幼少のころ、近所のおばあちゃんから聞いた話です。4才〜10才くらいまでの小さな頃、火の玉をよく見ていたそうです。決まって、墓場や山付近で、夕方から夜にかけて、オレンジ色だったり、青い色だったり。

怖いという感情はなく、それはとてもきれいに見えて、捕まえてみたいとさえ、思ったそうです。

ある時、火の玉の近くまで行ってみたそうです。火の玉の中をよく見ると顔が見えて、こちらを向きかけたとき、目が合っては怖いと思い、逃げたそうです。それから、火の玉は気が付いたら見なくなっていたと、言っていました。

骨の中には「リン」と言う物質があり、何らかの反応により「火の玉」になるそうで、墓場や山の付近には動物の亡骸から出るリンがあり、火の玉になっていたのかなと。その中に顔が見えた科学的根拠のある解明はしていませんでしたが、「そこは、はっきり言ってグレーで良いんだ。何でもかんでも結論付けなくて良いのさ。」と言っていました。だから、私もそれで良いと思います。

中学校の修学旅行のときの旅館で、夜に同室の8人くらいの同級生みんなと、先生の言うことも聞かず夜中まで話をしていました。それも、やっぱり怖いはなし。

「何か怖いから、窓を閉めようか。」

と言い出した友だちの言葉に、皆んなで窓を見ると、窓の外に何やら物体が飛んでいる。火の玉か?皆んなで数珠繋ぎで手をつなぎ、開いている少しの窓を閉めようとした瞬間、それが部屋の中に入ってきた!ものすごいスピードで、天井や壁にぶつかるたびに角度を変え、予測できない動きで部屋の中を飛び回る、少し大きめの火の玉。

「ギャー!!!」

みんな、叫び声を上げて泣き叫ぶ人さえいた。先生が

「何やってんだ!」

と入ってきたときには、もう居ない火の玉。あっと言う間に、外に出て行ってしまった。みんな口々に、「火の玉の中に、顔があった」と言っていた。私は布団をかぶりながら、その動きを見ていました。

あれは、なんだったんだろう?と、この年になっても時々思い出しながら、火の玉を見た!と言う老若男女問わずに、それを語る人の話しを、自分の体験は話さないまでも、熱心に聞くと、やっぱり火の玉って同じ動きをしている。あの動きの意味は何だろう?納棺の現場で、火の玉の話しになり、見たことがあると言う男性のお年寄りが言っていた。

「火の玉も慌てているんだよ、きっと。お互い様かもね。」

おばあちゃんに言わせれば、「グレーで良いんだ。」のところなのかな?と思いつつ、何百年もむかしからある「火の玉目撃談」は、近代化社会と言われる今でも変わらず存在するんだなぁ〜と、思っている今日この頃でした。

でも、火葬が主になった現代では、火の玉目撃談も、めっきり減った気がします。

以上、火の玉研究発表でした。