2015年7月19日

日総研さん大阪セミナー

日総研さん、大阪セミナーでした。台風11号の影響で、電車の運休と飛行機の欠航、様々な交通機関の事情がある中で、会場に到着出来なかった方々、遅れて会場入りされた方々もいらして、遠くは沖縄県からそして何とか辿り着いたと教えてくれる皆さんと、スタートしたセミナーでした。

ER(救命救急)、ICU(集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児治療回復室)、小児病棟、看護学校の先生など、主に赤ちゃん・子どもの治療に関わる専門職の皆さまに参加いただきました。

セミナーの内容としては、レジュメの内容の通り、テキストに沿った形で進めて行くものの、何せ質問が本当に多く出るので、テキストを進めながらも、質問の回答と同時に実践に向けた内容も、どんどん組み込みます。

セミナー終了後には、演台の方へお出でいただいた皆さんお一人お一人の質問に答えながらお話しを伺います。こちらのセミナーの場合の特徴としては、ずっと一人で抱えられていた悲しみを、涙をポロポロ流しながら、過去にご縁のあった赤ちゃんや、子どもさんのお別れの状況を、お話ししてくださる方が本当に多いこと。

「ずっと自分のために、答えを探し続けていてくれたから、きっと最愛のその子が、ここへ連れてきてくれたのかもしれませんね。」

会場の中には病院は違っても、同じ思いの方々が来られているから、共有いただけることはたくさんあると思います。

過去に、赤ちゃんを亡くしたお母さんがこちらのセミナーを受講されたことがありました。その方は、看護師さんだったのでこちらのセミナーを受講いただけたと思います。その方は、こう話されていました。

「私は、過去に赤ちゃんを亡くしました。家族も、関わってくれた医療者も、誰もかれもが、無理に私に関わろうとしたり、時に私を避けているように思えました。許せなかった。ずっと何年も、その気持ちで生きて来ました。でも、今日のセミナーを受けて知ったことがあります。自分は、お母さんとしての遺族心理だったのだと。そして笹原さんが「お母さんとして、親として、当然の心情なんだ」と言った時、私の気持ちは間違っていなかったのだと知りました。そうしたら、涙がポロポロポロポロ出てきてしまって、

許せなかったのは周りの人じゃなくて、自分自身だったのだと知りました。

やっと、亡くした赤ちゃんに、母として素直に話し掛けられる気がしています。会場の中にいる助産師さんたちが、ずっと縁のあった赤ちゃんを思い続けていてくれたこと、たくさんのお母さんたちに知って欲しいなと、思いました。ありがとうございました。」

死はその人の人生そのものです。死に携わるお仕事をされている方は、いのちの輝きを知っていて、見逃しません。そういう大切な想い出が、涙と言う形でつながりを深めてくれるのかもしれませんね。

セミナーでは、お別れの時間の中にある(復元含め)、そのプロセスの中にある、かけがえのない大切なことに、出会っていただけるように、お別れの現場からお伝えしました。