2016年11月29日

福岡セミナー

27日は福岡県の会場にて、日総研さんのセミナーでした。

前回予定していたセミナーの日が台風の影響により延期となり、この時期になりました。ずいぶんお申し込みいただいた人数も増えていました。会場内では、日総研さんから出版させていただいている専門書がありますが、当日用意していただいていた冊数が完売致しました。

恒例のセミナー終了後のサイン会、質問時間にも多くの皆さんに並んでいただき、質問にお答えしながら、皆さんの素敵な笑顔にも出会えました。

現代は、どのようなお仕事でも、社会問題に直面します。その中でも、人の生と死に直接携わるお仕事は多くありますが、今回は医療・介護職の皆さんと一緒に、様々な課題について考えました。

「情報や知識を持つと、全部提供したくなるものかもしれしれません。でも、その中にもしかしたら相手が求めていないことがあるかもしれません。

今の時間は二度と戻らない価値があるからこそ、あれもこれもと息切れしていると、きっと心はつながりません。一つ一つの項目にいのちを吹き込み意味のあるものにして、

今日お伝えした項目の中で何か一つでも、一番大切な時間の中で、たった一つでもいいので求められていることをチョイスして活用いただいて、

皆さんお一人お一人の手で、誰かの笑顔につなげてもらえたらと思います。」と、お伝えしました。

「エンゼルケア・死化粧」の演題のセミナーは、主要都市6ヶ所を回らせていただいて福岡会場で最後でした。次回は、「赤ちゃん・小児のエンゼルケア・死化粧」(軽度復元含む)の演題で、全国主要都市を回らせていただきます。

皆さまお一人お一人の、益々のご活躍を応援しています。

2016年11月25日

マンツーマンセミナー

茨城県から、4度目の受講でした。復元コース・3日間のマンツーマンセミナーを終えました。

お持ちになられた課題を解決しながら、新たな情報を組み込み、様々な現場と状態に応用出来るように、特訓の連日でした。大変、お疲れ様でした。

悲しみの深さは、
もらった愛情に等しい

そう教えてくれた、ご遺族がいました。

大切な人を亡くして、
とても悲しい。
でもそれは、
当たり前のことだと気が付いた。
だって、
そのくらい大切な人だったんだもの!

そう話してくれた、ご遺族がいました。

考えて悩むご遺族の傍で、色々なお手伝いをさせていただく中、ご遺族の涙の意味が変わって行く瞬間にも出逢えます。

涙の中にある笑顔は、亡くなった人が教えてくれた笑顔だと思うし、亡くなった人と共に過ごしたときと、同じ笑顔なのかもしれません。

求められた技術に応えられたとき、深い信頼関係がスタートします。あくまでもスタートですから、その後には当然進めて行く流れがあります。その参加型納棺を、毎回、マンツーマンセミナーで課題に合わせて持ち帰られます。

それにしても沢山のご縁があり、ものすごい深い三日間でした。益々のご活躍を、応援しています!気を付けて、お帰り下さいね!本当に、お疲れ様でした!

2016年11月22日

お知らせ

全国各地、多くの皆さんからご連絡いただいております。ご心配いただき、ありがとうございます。

朝8時現在、沿岸地域では津波注意報から、津波警報に変更になり、すでに到達している津波の潮位が上昇中です。

子ども夢ハウスおおつちは、管理人からのお知らせにより、本日の地震発生において、お休みとなります。

町から避難指示が出ており、津波注意報が発令されていることから、大槌町内の学校は、全校休校。夢ハウスもお休みで、各自避難することとなっております。

現在も沿岸全域に、避難指示が継続中です。宮城県、福島県では避難指示から避難警報、避難勧告に変更され、発令中です。

たくさんのご連絡をいただきました。取り急ぎの、現在の状況とお知らせとさせていただきます。

2016年11月21日

北上市更木地区講演

北上市更木地区交流センターに於いて、4回ある講座の、人生塾の最終回として、お声掛けいただきました。

人が持つ「悲しみ」の中にあるものについての理論と、その関わり方、体験談、様々に組み込みまして、最終講座を担当させていただきました。

さすが地元!母の親戚が居たり、弊社顧問の先生が居られたり、納棺に伺ったご遺族が何人も来て下さっていたり、

終了後には、相談から始まって生前予約が発生したり、

交流センターのお部屋には、資料が足りなくなってコピーに走っていただいたりして、予定した人数×三倍の方がお越しくださったそうです。

私のような若輩者を、皆さんのあたたかい包容力で包み込んでいただいて、穏やかで安心出来る雰囲気の中、とても癒していただきました。

平均年齢は、何歳だったんだろう?会場の中には、納棺を担当させていただいたご遺族の小学生の子が来てくれて居たのですが、上は93歳?

面白かったこと1
まだ、何も話して居ないのに、すごく盛り上がっていたことが数回。お年寄りって、カッコいいね。でも、私、何も話して居ないのに⁉︎

面白かったこと2
大変な盛り上がりで終了し、さて、お部屋を出ようとしたとき!履いて来たはずのスリッパが無い!

私「あれ?」

そこに居たお年寄り「誰か、食っちまったか?」

みんな、爆笑!

機転のきく知恵が満載の、ステキな時間でした。さっすがぁー!


近所だから又、何処でお会いすると思います!今後ともよろしくお願いします!

明日から、3日間のマンツーマンセミナーです。頑張りましょう!


花巻地区保育連盟さま講演

19日は、2回目のお声掛けをいただきました、花巻地区保育連盟さま講演を、宮沢賢治の世界に包まれながら、記念館内のホールでの講演となりました。

「笹原さん、次郎(二郎⁉︎)分かった?」
突然、保育園の先生から声を掛けられました。

思い起こせば3日前・・・湯本小学校のお話の中で、トイレの花子さんを例にあげてお話しを進めようと、

私「みんなの学校のトイレには、誰がいますか!」(私は花子さんと言って欲しかった)

一人の男の子「次郎さん!」

私「じ、じろう?次郎さん⁉︎・・・次郎さんって、誰⁉︎」

その男の子「学校のトイレには花子さんと、次郎さんが、いまーす!(めっちゃ元気一杯!)」

私「次郎さんのこと、みんなに会える次の時まで、勉強して来ます。時間をください!」

みんな「いえーい!」「はーい!」などなどの反響

ということがありました。

私「まだ、次郎さんのこと、分かりませーん。調べてみます!」声を掛けてくださった保育士さんは、湯本小学校の生徒さんの保護者だったそうです。「期待してまーす」そんな会話からスタートして、とてもステキな雰囲気に包まれながら、あっという間の90分を終えました。

講演中、こんな話しを組み込みました。

「子どもたちとする、手遊びうたのなかで「上がり目下がり目」の歌がありますね、

上がり目♬=死後変化で考えるところの、怒っているとか、怖いとか思わせるようなラインです。

下がり目♬=死後変化で考えるところの、優しく見えるラインです。

くるっと回って猫の目♬=まんまるお目々なら良いですが、それが横の真っ直ぐなラインになると、死後変化では無表情を指します。

恐らくこの歌を作った方は、もしからしたら造形心理学に長けていた方なのかもしれませんね!死後変化は、亡くなられたご本人の意思で表現されているものではなく、安置されている様々な条件が重なった時に起こる自然現象。それを「本人の意思ではありませんよ」と、死後変化を安心出来るように表情を直して、皆さんに安心していただくために、私たちが居ます。

あっという間の90分。講演終了後には、沢山の質問もいただき、大盛り上がり。

子供の世界って、やっぱりステキ!

先生方々から描いて欲しいと、絵本のリクエストもいただき、ちょっと頑張ってみようと思いました。

皆さまの益々のご活躍を、ご祈念申し上げます。ありがとうございました。

2016年11月18日

授業と講演

14日は、地元の江釣子小学校の5、6年生に向けて「いのちの授業」

16日も、隣の花巻市の湯本小学校で、

もちろんその期間中も、納棺の現場に走りながら、

17日の昨日は、何度もお声掛けいただいている、国会議員の先生や、会の会長さん方々にいつも相談に乗っていただいています、盛岡看護連盟さんの講演が夜から。こちらも、会場の定員をはるかに超えての超満員の熱気の中、約2時間お話しをさせていただきました。

小学校の「いのちの授業」でも、みんなに考えてもらう時間もあります。大変な盛り上がりになりますから、

私「はーい!静粛(せいしゅく)に!」

みんな「わーわー」「キャーキャー」静粛にが通じない⁉︎

私「はーい!静かに〜!」

みんな「シーン」あ!通じた!

私「どんな風な答えが出ましたか?」

みんな「はーい!」「はーい!」「はーい!」

元気いっぱい、手を上げてくれました。年齢に合わせて、言葉を変えていくことも勉強になる中で、子どもたちの真剣なまなざしに、私も元気をいっぱいもらいました。

死の世界の中の一部でも感じ、知ってもらって、生きることの術(すべ)や意味、価値をみんなに考えてもらいます。大切な人を亡くす経験は、大人も子どもも一緒です。

先生方々、PTAの保護者の皆さんの愛情に包まれながらのいのちの授業は、考えることの大切さを知ってもらい、優しさを探す術を伝えつつ、それはもう、大変な盛り上がりの中、「またね!」大きく手を振り合いながら、授業を終えました。

学研さんが出版している、全国の小中学校向けの道徳の教科書に、私の活動を取り上げていただいているご縁も、大きく関係しているそうです。普段は学校で道徳の時間に、防災やいのちについて話し合っているそうで、子どもたちの防災意識が高いことも感じていました。

校長先生や学年主任の先生方々の同級生、子どもたちの保護者の皆さんの中には、東日本大震災で御尽力された、警察官、自衛隊、消防のプロの皆さん、教育関係者も多く、東日本大震災を直接知っている皆さんから、当時の現場でご縁をいただいた皆さんから、「是非、いのちの授業に」と、希望が多くあったそうです。私でも何かお役に立てることがあるなら、有り難いことだなと、思います。

演台に立ち、お話しをさせていただく時にいつも思うのは、今日のこの日まで一生懸命準備をしてくださる方々が居られるということです。チームの中の一人として、縁の下の力持ちの皆さんに感謝を忘れず、精一杯努めさせていただくことを旨として、皆さんと共に、ここにいる皆さんの笑顔に出会えるように・・・。それは、納棺や復元の時間と変わらないことを感じながら、皆さんとお会い出来たご縁に感謝を致しておりました。

皆さまお一人おひとりの、益々のご活躍をご祈念申し上げます。ありがとうございました。

2016年11月14日

いのち新聞

13日、いのち新聞の会議が開かれました。東日本大震災から5年8ヶ月。

現在も県内の新聞やテレビなどの報道に於いて、毎日、東日本大震災関連のニュースが取り上げられています。

毎月11日の月命日には、警察や自治体主体で、遺体捜索が行われています。未だ大切な家族の帰りを待つ、遺された家族にとっては、気持ちを支えてもらえる、心強い姿です。いのち新聞のメンバーの中にも、家族の帰りを待っている人たちが居ますが、みんないつもその姿に、涙を流して感謝しています。

来年の3月11日について、これから募集していく記事の検討会、前回の会議から今日までにあった震災関連の出来事を中心に、本日の会議で話し合われました。

岩手県では白鳥が飛来し、いよいよ本格的な冬を迎えます。冬は日の入りが早くもなり考え事も増えるけど、寒さが厳しくなると、星もきれいに見えるようになり、それはそれで癒されます。日本の四季を感じながら、今日もみんなで、話し合いをしていました。

新しい新聞が出来たら、またお知らせ致します。愛読していただいている皆さまに、感謝を申し上げます。

いのち新聞は、国立国会図書館から提出依頼をいただいていて、国の図書館に保存していただいています。

子ども夢ハウスおおつち

NHKクローズアップ東北で、
11月18日、
19時半〜

放送されることになりました。是非、ご覧ください。

2016年11月11日

介護の日、講演

公益社団法人・北九州高齢者福祉事業協会様企画、介護の日(11月11日・良い日という意味)の啓発が前後2週間に主に行われるそうで、介護に携わるお仕事の皆さまと、一般公開の枠だったので、地域の皆さまに向けてお話しをさせていただきました。

舞台裏には、事業主であったり、普段チームリーダーとして活躍されている皆さんが、本当に素晴らしい雰囲気を作り出してくださって、終始和やかに行われました。

地域の書店さんも駆け付けてくださって、おもかげ復元師、震災絵日記共に準備いただきました冊数が完売、サイン会もさせていただきました。ありがとうございました。

福祉に携わる皆さんとお話しをさせていただいた中で、印象に残ったお話しを二つご紹介します。

『おばあちゃんと近所の若者』
高齢者施設の入所者さん。日課が、近所への挨拶回り。その日も普段通り、挨拶回りをしていた高齢のおばあちゃん。午前中に施設内に帰って来られ、横になり、

その日の夜に眠るように亡くなりました。

その施設には、納骨堂があります。身寄りのない方が、ご本人の希望で施設の納骨堂に入られるそうです。普段から納骨堂に、施設のお年寄りが皆さん、お参りされるそうです。

挨拶回りをされていたおばあちゃん。身寄りがないことで、施設の中でお通夜とお葬式を行なっていたそうです。

近所の不良と呼ばれていた子どもたちが突然施設にやって来て、

「お参りさせてください。」と言ったそうです。

「おばあちゃんが死んじゃったことを聞きました。「おはよう」って言われても、いつも返事をしていなくて、「あんたたちは、今日も返事をしてくれないんだね。」とあの日、言われました。あの日が最期になるのなら、ちゃんと返事をすればよかった。本当は、声を掛けてもらって嬉しかったんです。」

その後も近くを通ったからと、おばあちゃんのお参りに来てくれる子たち。

「あの時」という後悔の気持ちを持ったということは、その子たちにとって、おばあちゃんはかけがえのない存在になっていたと、いうことでしょうね。良いお話だなぁって、心がほんわかしました。


『化けて出てやる』
化けて出てやるという口癖のおばあちゃん。その言葉が出たときは、大好きな牛乳が飲みたいサインなんです。と、施設の職員さんが教えてくれました。

持病があったおばあちゃん、病院に緊急入院。入院中、早く施設に帰りたいと言っていました。少し落ち着いて、施設に戻りました。安心されたのか施設に戻り、みんなに見守られながら、ゆっくりと息を引き取られました。

そのおばあちゃんの死後の処置中。蛍光灯が

バン!!!!!!

と割れました。普通なら怪奇現象だと騒ぐかもしれないけれど・・・。僕たちはきっと、その方が「牛乳飲みたい!」と言っているように感じたんです。

全てのお手当を終えて、その方の亡骸に、大好きだった牛乳を供えました。で、言いました。

「蛍光灯を割るのだけは、勘弁ですよ。」

なんでステキな関係性なんだろう・・・。そう思いました。


色々なお話しを伺い、皆さんの普段のお仕事に向かう、現場での穏やかな奉仕の雰囲気を、教えていただいた時間でした。

お年寄りの笑顔を自然に引き出すステキな皆さんのアイデア、皆さまの益々のご活躍をご祈念申し上げます。ステキな時間を、ありがとうございました。

2016年11月8日

じじ、84歳

俺もむかしは、イケメンだったと語るじじ。そして言う。

「言うだけ、ただだから!(笑)」

そんな我が家のじじも、84歳になりました。

昔の人だから、家のことをきちんとしないとダメだという厳しい人なので、どんなに忙しくても炊事、掃除、お客さんへのおもてなし等々、実は昔からけっこう厳しい。٩( ᐛ )و

だけど、お料理もお掃除もプロ並みに、何でも出来るじじ。本当は口出ししたいことも山ほどあると思うけど、やりたいようにやらせてくれて、ちゃんとやっていれば文句一つ言わない。(自分が頑張っていることは、訪問診療の時に言うのが楽しみみたい(笑))

歳を取り、重たいものが全然持てなくなったので、

買い物に行っても1リットル以上のものは、買うの禁止。何故って、買い物袋を持って歩いていたら前のめりになって、止まらなくなって、

「大丈夫ですか!」

って、何度もお店の人に助けてもらっているから。ありがたい、ありがたい。

「昔みたいに歩幅がさぁ・・・、グッと足が前に出ないんだよ。踏ん張れなくなったぁ。」結局、重たい物を持って、助けてもらって、最終的に落ち込むから。1リットル以上のものは、禁止。

なので家の中では、じじが転んで怪我をしないように、段差を出来るだけ無くすように気を付けている。

先日のことだ。

「ピンポン鳴っても、間に合わない。」と、じじが言った。

ピンポンが鳴る
じじの部屋から急いでスタート。
玄関に着く
鍵を開ける
誰も居ない
辺りをキョロキョロ
やっぱり居ない
ポストにご不在通知が!

年寄りの居る家は、玄関に出るまで時間がかかる。歩幅が狭く、ダッシュすると転んでしまうけど、頑張って急いでいる。でも、それを誰も知らない。

いつもの宅急便の人なら待っていてくれるけど、違う人が来た時は、いつもこんな感じ。だから私は言う。

「じいちゃん・・・、どんまい!」

先日のことだ。

納棺現場を終えて携帯を見ると、

「着信   じじ」

とあった。何かあったのかな?と心配になった。だから、じじの携帯に電話を掛けた。

私「もしもし?」

じじ「あ、じじだよ!」(私の心の声→いや、そうだよね。だって、じじにかけたんだもの!)

私「どうしたの?何かあったの?」

じじ「あ、ケチャップとマヨネーズ買ったから!」

私「(心の声→えっ⁉︎今⁉︎)ありがとう。」

じじに買い物を頼むと、何故か台所のテーブルの上に、それはもうきれいに品物が並んでいる。

本当は言いたい・・・。片付けてくれたら良いのに。でも、言えない。じじの顔が、買い物行って来たから!的な、どうだ!みたいなドヤ顔になっている・・・。だから私は黙って、静かに、片付ける。私、えらい。

ちょっとすごいところもある。

我が家の3匹の猫が、きちんとじじの言うことをきく。というより、じじの動きに合わせて、気を使っているようにさえ見える。これは、まさに魔法に違いない!

じじ「はい、掃除するから、これに入りなさい。」

と、猫のゲージの戸を開ける。猫たち3匹、次々と別の小さなゲージに入る。

じじ「はい、ちょっと待っててね。」

小さなゲージの扉は開けっ放し。私が同じことをしたら、きっとチャンスとばかりに逃げられる。が、猫たちはそのまま中にいる。

じじ「はい、終わったよ。どーぞ、お帰り。」

猫たち、次々と言うことを聞いて猫小屋に入っていく。なんとも・・・、素晴らしい魔法だ。

それから「育爺(いくじい)」と呼ぶと、喜ぶ。言い過ぎると、怒る。(笑)

お孫さんを亡くした祖父母の心の援助の希望があることも多く、納棺の現場の後で、アフターに行く前に、おじいちゃんの気持ちを相談することもあります。ゴーゴー泣きながら教えてくれるじじのアドバイスは、実はとても為になる。現場から戻り、祖父母の方々の心の深さを伝え、相談に乗ってくれた御礼に、じじの大好きな羊羮をプレゼント。

「年寄りでも役に立つことがあるなら、いつでも声掛けろよ!」

と語るじじの後ろ姿を見て、相談したことが嬉しかったのか、羊羮が嬉しかったのか・・・。きっと、誰かの表情が穏やかになってくれたことを、共に喜んでくれたのだと思います。が、完全にゴーゴー泣いたことは、棚に上がってる。年寄りは、何でも棚に上げるのが上手なのだと、じじ談です。

小さくなった背中に、頼もしさを感じました。

そんなじいちゃん、5日で84歳になりました。私がブログで勝手にじじのことを語っているのは知りません(笑)。じじのファンが意外に多いことに驚かされます。いつも温かく見守っていただき、ありがとうございます。ずっと元気でいてもらいたいものだと、思います。







2016年11月7日

横浜市立大学病院公開講座

地域の癌の拠点病院としての役割も担っていますと、担当の先生から説明を受けました。

師長さんや看護学部の皆さんが主体となり行われた今回の公開講座は、横浜市立大学病院で初の試みとなる記念すべき第一回目だったそうです。担当してくださった看護師さんが、岩手県出身の方でした。お母様も岩手県で看護師をされているそうで、何度も私の講演を聞いてくださっていて、お母様からの推薦だったそうです。ありがとうございました。

終了後、高齢の男性が私の所へ満面の笑みで駆け寄って来られました。

「私は、大切な家族を亡くしましてね、それからずっと家から外へ出ずに過ごしていました。今日の公開講座のことを聞いて、とても楽しみにしていてね、昨夜寝られず、結局、今日遅刻しました。(笑)

中盤からしか聞けなかったけれど、来てよかった!今度は、最初から聞きたい!(是非!)」

嵐のように去っていかれた、その方の名前を伺えず・・・。

確か後半にお話ししたのは、

「どのような死を迎えたのかは、遺された人の気持ちとして当然のことであり、時に苦しい気持ちに押しつぶされそうになりながらも、きっと誰もが通る通過点なのかもしれません。

その気持ちを通過したとき、その方がどのように生きたのかの時間に、出会います。それは、私もご遺族に教えていただきました。」

という内容だったと思います。亡くなられた大切なご家族との、ステキな時間を想い出していただいた様子でした。あの方をあの笑顔にしたのは、亡きご家族のお力でしょうね。

二泊三日のマンツーマンセミナーを終えた翌日5日に、横浜市立大学病院にお邪魔しました。横浜の気温は18℃。大学病院では、学祭が賑やかに行われていました。岩手県に帰って来て、気温は5℃。この時期の出張時の服装に、やっぱり少々悩みます。

講演、講習、セミナー、いのちの授業、納棺の現場が続くので、体調管理も大事な仕事の一つであることを再度意識する、風邪も流行る寒い時期の到来です。

皆さまも、お体を大切にお過ごしくださいませ。

現実を見るって、どういうこと?

「現実を見るって、どういうことですか。」

最近、特に10代前半の子どもたちからの質問が多い。このブログも、若い子たちも沢山読んでくれていますので、ちょっと語ります。

「夢を持て」
「いのちを大切に」

という大人は多い。頑張っていると、

「現実を見ろ!」

と言われることがあるという。理不尽だと、彼らは言う・・・。(まぁ、そうかも。みんな、それぞれの立場でものを言うからね。相談を受けた内容から考えると、例え大人でも、決して目の前のあなたの価値観や視点から言っていないこともあるかも。その判断が大事ね。でも、ステキな大人も多いよ。)

夢を持つことも、いのちを大切にすることも、その方法を教えてもらえないのに、それをどう解釈すれば良いのか、難しいと言う。

世の中を生き抜くために、どのような考え方を持てば良いのか、分からないという。



以下、普段の私の説明法です。

うーん、例えば、私はイルカが好きですが、

「イルカに会いたいなぁ」

と思うでしょ。水族館のイルカも大好き。でも、大自然のイルカに会いたいなぁと思ったら、それが夢になるでしょ?その夢に向かって色々と動いてみて、やっとイルカに会うことが叶うと、人は次のステップに進むことがある。

「イルカと、泳いでみたいなぁ」

イルカに会えたことが嬉しくて、イルカが大自然の中を自由に泳ぐ優雅な姿を見て感動して、次のステップに進んだ時、

「あ、私は泳げなかった!」と、現実を見る。だから、泳ぎたいこと自体が、叶わない。

自分がイルカと泳げるくらいの力があれば、それは想像。

私は全く泳げないので、例え私が一緒にイルカと泳いでいる姿を想像しても、現実には溺れてしまってありえないので、妄想となります。

妄想は、想像の中でしか叶わない、現実にはありえないはずのことを思っているので、妄想となります。

(その中で自他を攻め始めると、重症になる可能性があるので、理解してくれる人に、ちょっと話してみましょう。)

でも、本当はイルカと泳ぎたい。

妄想を通過した時、厳しいけれど現実を見て、今を知る。現実を知ればそれが、目標になる。

イルカと泳ぐという目標が出来たら、その目標のために、泳ぎを覚える。では、どんな泳ぎを覚える?

先ずは、イルカにつかまって泳ぐ

次は、横に並んで泳ぐ

それから、イルカのように泳ぐ

いよいよ、イルカが私をイルカと間違えるくらいの泳ぎをしてしまう

これが、ステップです。

だけどね、現実に叶っていないので妄想傾向です。(笑)

海の中を泳ぐためには、海の知識を学ばないといけない。沖に出るためには、船に乗せてもらわないといけない。沢山の人達から、支えてもらっていることを知る。

専門的なことの教えを請い、夢が現実になったとき、夢を叶えるために支えてくれた人たちに心から感謝することを知る。自分の身を守り、色んなことに気付き、チャレンジして、振り返り反省する。それが、きっといのちを大切にすること。

生きることって、大変なこと。疲れたら、休めばいい。でも、ダラダラと休まないように、どの位休むのかを決めて休んだ方が良い。人は、楽な方を選ぶ性質があるけれど、そこには本当の幸せは無いと、私は老婆心ながら思います。

やりたいことをやるのは、誰でも出来ること。やりたくないこともやれて、夢が叶うんだと思う。スポーツ選手も、アーティストも、人の見えない所で沢山のやりたくない、みんながしたくないことをやっているから、周りに支えてくれる人が沢山いるんだものね。そして、夢を叶えたときに沢山の人が一緒に喜んでくれる。

目標が出来たら、自分でステップアップを志して、上を目指すということ。物事には、段階もあるということ。上には上がいるということ。

現実を見たとき絶望しても良いけれど、現実を見ると、出来ることも増えていく。

現実を知り、目標を見つけ、それに向けて努力を積み重ねて、実行してみる。٩( ᐛ )و

その経験をしてみると、頑張っている人を応援出来たり、見守ったりが出来るようになるものです。

いのちを大切にすること、
夢や目標を持つことは、

生きている現実を意識すること。

私「あなたが考えていることは、想像?妄想?」

子どもたち「どっちも!(笑)」

まぁ、若いときの妄想は、思考回路を育むことになるから、良いとは思います。

シュミレーションと、
イメージトレーニングと、
妄想は、

使い分けてね٩( 'ω' )و

皆さんからの質問、ありがとうございました。٩( ᐛ )و

2016年11月3日

幸子、もう寂しくない⁉︎

事務所の二階、セミナールームが賑やかになっています。

マンツーマンセミナー中・・・

ピヨピヨ🎶、ピヨピヨ♬

鳥が巣を作り始めていました。

鳥の種類を確認しようとするも、動きが早すぎて、未だ種類は未確認。

来客も続いていて、二階のセミナールームはここの所ずーっと使用していたので、暖房が入っていてとても暖かかったこともあるのか、鳥が巣を作る場所として、選んでくれたようです。

「なんか、ほんわかしますねぇ。」

すると!

二階のセミナールームには、二つ換気扇がありますが、もう一つの換気扇からも、鳥の声が!

「わぁ、こっちにも作り始めてる!」

「良い場所があるよって、教えてあげたんじゃないですかね!(笑)」と、今、マンツーマンセミナーを受講されている方の言葉でした。

弊社の納棺師のMくんが、巣が壊れちゃうから換気扇を回せませんね!と、コンセントを抜き、それぞれの換気扇に張り紙を貼ってくれました。

いつも、一人でお留守番をしている幸子。思いがけない、鳥のお友だちの到来!!淋しさを癒してもらっているようでした。

全国、幸子のファンのみなさまへご報告でした!

良かったね、幸子!╰(*´︶`*)╯♡

(何故か幸子、すんごく人気あります。なぜだろう?(笑)可愛いからかな?だけど顔は、無いのですけれどね(笑)

「あまりにもファンが多く、可愛がっていただいているので、解体するのをやめました。」幸子の母、当時新人だった、弊社の納棺師Hちゃんより。

幸子誕生秘話⁉︎としては、Hちゃんの練習のために、作られた幸子だったのでした。)



 

2016年11月2日

先生、ありがとう。

5年前にいのちの授業を担当してくれた、中学校の先生が亡くなりました。癌でした。

子どもたちを遺す、親の気持ちは如何なる心情だったのでしょうか。

この死の世界は答えを求めても、死が現実にある限り、亡くなった人の気持ちを一生懸命みんなで考えても、答えが明確に出ない事が多くあります。

遺された側が大切なことをしっかり握りしめ、遺されたご遺族が見せてくださる、とても素敵な表情に出会ったとき、この世の中ではなかなか出会えない雰囲気に、包まれることがあります。






以下、私なりの亡き先生への報告です。




「私がもし死を迎えるときは、笹原さんにお願いしたい。」

あのとき、笑顔でそう言っていた先生の言葉。今考えると、本気で言っていたんだということを、今になって知りました。あの時に気が付かなくて、本当に申し訳なく思っています。恐らく、そのときに癌である告知があったのかもしれない、先生は様々なことを考えて居られたのでしょうか。

最初の段階で、子どもさん方には、先生の体の説明をしました。私は遺体の専門職ですから、きちんと伝えなければいけないことがあります。

関わり方の説明をすると、真剣に聞いてくれました。

火葬までの5日間、3人の子どもさん方は本当に頑張って、私が伝えた通りに先生の体を守ってくれました。安置から5日目の火葬の日、

「よく、頑張ったね。家族にしか出来ないことだったんだよ。本当に、えらかったね。」と声を掛けました。

毎日通って、子どもさん方と色んな話しをしました。教えてもらうことが、ひとつまたひとつと増える中、毎回、涙がこみ上げてくるのを我慢しました。

火葬の日、出棺の前に最期のお別れをしました。

「お体に触れられる、最後になります。」と説明をしました。

「やりたい!」

一番下の小学生の子が言いました。

先生の手のひらを、一人ひとりの頰に当てて、ゆっくり静かに家族全員がお別れをしました。

一人ひとりの目から、涙が流れました。

私は、少しのお手伝いしか出来ないけれど、逝く側も、遺される側も、お互いを思っていることをゆっくりと色んなことを思い出して、感じていただけたかもしれません。

私が最後に行なったあのことは、きっとこれからその意味が理解できると思います。一番下の小学生の子が中心になって、みんな、笑顔になって、一生懸命やってくれました。

私が伝えたかったこと。

死を迎えても、関係性は変わらないこと。口には出さなかったけど、感じてもらえていると良いなと思っています。

毎日、先生の子どもさん方、涙を流したり、先生に話し掛けたり、考え込んだり、一生懸命お世話をしてくれたりの姿を見せてもらいながら、先生のお話しをたくさん聞かせてもらいました。

火葬の日まで、傍を離れずみんな過ごしていました。

安置3日目、先生のお母さんが涙を流しながら、部屋の中を飛んでいるハエを「殺さないで!本人かもしれないから!」と、みんなに言っていました。

私は、遺体の専門職なので、ハエが先生の体についたら大変だから、退治しようと思っていたけど、言い出せませんでした。そうしたら一番下の子が、

「どうして?」

と聞いたので、私が

「昔から、納棺中にツバメやスズメなどの生き物が入って来ることがあって、「本人が皆んなにお別れをしに来た」と言われていて、納棺中には、生き物を殺さないことになっているんだよ。」と、説明をしました。そうしたら一番下の子が、

「えー!違うでしょ!本人は、ハエじゃないし!何処かに止まったら、ハエ、やっつけるし!」

って言って。皆んなで、大笑いしました。可愛かったです。

そうそう、子どもさんたちが、夢に出てきて欲しいと言っていました。みんな待っているので、先生が少し落ち着いたら夢に出てあげてくださいね。

お体は楽になったでしょうか。一生懸命働いた分、少し休んでくださいね。とは言っても、先生は働き者だったから、きっとそちらの世界の子どもたちに、もう授業をされているのかもしれませんね。他の先生方と、そう話していました。

先生の子どもさん方の、学校の先生に報告しています。みんな頑張って先生とお別れをした懸命なその姿と、お別れの後は、応援体制に入りますと、お伝えしています。

先生のご家族、お一人おひとり、皆さんからお手紙をいただきました。ご夫婦で東日本大地震に御尽力されたこと、心に留めながら、お手紙を拝読して号泣しました。

先生が求めるようなお別れの形に、少しは近付けたでしょうか・・・。微に入り細に入りを心掛けたつもりではおりましたが、力不足の所も多々あったとは思います。その点はどうぞ、お許しいただければと思います。

お盆やお彼岸に、もし時間があったら私の所にも寄ってください。美味しいお菓子を用意して、お待ちしています。

先生・・・、ありがとう。
本当に、お世話になりました。




毎日、たくさんのお別れにご縁をいただきます。目の前の故人も、ご家族一人一人も、この世に一人しか居ない、二人といない存在です。死を持って、生きていること、生きていくことを教えていただく深い時間に、感謝を申し上げます。

岩手県は、冷え込みが厳しくなりました。その分、晴れた日は夜空の星が綺麗です。

「あの世は何処にあるのかな?って、夜に綺麗な星を眺めて、娘のことを想っていたら風邪を引きました。」と、ご遺族からご連絡をいただきました。

「笹原さん、星を眺める時は、厚着して寒くないようにしてね。」

みんな、優しくて思いやりの深い方々です。私も何となく星を眺めて、亡くなられた方々と過ごした時間を想い出しています。プラス、夜空を見上げて、UFO(後日詳しく)や流れ星を見付けるのも、大好きです。時々、見付けるまではとムキになっている自分が居ます(笑)

星空を眺めていると、亡き人と会えた気持ちになれるのは不思議だねと、ご遺族とよく話します。

私自身、自然に歯向かって生きたいことが、自然の一部になったかのような、不思議な気持ちになるものです。

ちょっと長くなりました。今日のブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。