2017年3月24日

名古屋にて。

18日、名古屋に伺いました。当日の岩手県北上市の気温は、8℃で風があると寒さを感じました。名古屋の気温は、17℃で梅が満開、桜の花が色付き始めた話が出ています。

真宗大谷派名古屋教区22組同朋大会、200名の僧侶、坊守さん(お寺の奥さま)、門徒さま皆さまに、80分の講演をさせていただきました。

大切な人とお別れをするとき・・・。多くのお別れにご縁をいただき、私もご遺族お一人おひとりから様々なことを教えていただいて、今に至ります。出会うことは、想い出を積み重ねること。そういうことなのかもしれません。

私のご先祖さんの話しも、少しさせていただきました。

小さな頃から聞いて育った、父方の曽祖父(ひいおじいちゃん)。北海道の鰊で栄えた鰊御殿で有名な沿岸部の一つの町の村長でしたが、潮の影響で急に鰊がとれなくなり、町の人たちは急に生活が出来なくなりました。それはすさまじく、悲惨な光景だったと聞きました。

村長だったひいおじいちゃんが一番最初にしたことは、地元のお寺を守ること。村長は開拓と繁栄を、お寺は人々の生活と心を守ること、当時お寺さんと二人三脚だったのだと、私は聞いて育ちました。

母方の先祖は山伏、昔のお坊さんです。山伏が1人いると村が栄えたそうで、生活の基盤の土木工事、食べて行くための農業、薬草を煎じて病から救う薬学、人を慰める芸事も踊りや笛や太鼓に、様々な知識に長けていたと。本業はお坊さんなので、飢餓で苦しんだ時代には、飢えで野垂れ死なれた遺体を川で洗い、むしろを掛けて病気が感染しないように、お経を上げて焼いた(火葬)と聞いて育ちました。

子孫である私が今、こうして生きていて。成人してから、「あなたのひいおじいさんに」「あなたの先祖さんに」助けてもらったのだと声を掛けられることがあるということです。

知らない人から声を掛けられ、当時の話を昔話の中で聞くご縁。人を介して会ったことのないご先祖さんに、会えた気がする不思議な時間に巡り合っています。

人の魂がどうなるのかは、私には分かりませんが、人ひとりが起こした行動や思いは、時を経て巡るものだと、教えられます。

では自分はどうなのか。ご先祖さんのように、子孫に顔向けできるような、お手本になれるような、そんな生き方をしたいと思うのは、自然なことなのかもしれません。

自分に自信のない時は、「ご先祖さんの遺伝子に恥じないように」。と、遺伝子が、御守りになっています。

そのような内容で、お話しをさせていただきましたが、何せお寺さんに通われている高齢の皆さんは、普段の納棺現場もそうですが、勉強熱心なので色々な知識をお持ちです。ペーペーの私が、高齢者の前でお話しをすることは、実はとても大変なことなのです。が、みなさん熱心に聞いてくださっていました。

みなさんの温かい雰囲気に包まれて終えた、講演でした。沢山お声も掛けて頂いて、本当にお世話になりました。自分の人生を振り返る、ステキなきっかけをいただきました。ありがとうございました。