2017年3月5日

七回忌

〈七回忌の法要〉

「法要を終えたよ。」

東日本大震災では、15000名以上の方が亡くなりました。

「沢山の人が亡くなったから、みんな順番。」

命日より少し早い七回忌の法要が、各家庭で行われています。

命日を前に、その準備と、今の気持ちを多くの皆さんからご連絡をいただいて、色々と教えていただいて伺っていました。

行方不明の家族の帰りを待っている被災者の皆さんが教えてくれますが、「自分で捜索してみたけれど、とても難しくて、大変で、分からなかった。」と、自分でやってみた捜索の体験を教えていただくこともあります。

みんなが感謝しているのが、

私たちの住む岩手県では、3月11日の命日にも、毎月の月命日同様、岩手県警察の警察官の皆さんが、東日本大震災に於いて行方不明となっている1100名強の方の捜索を、各沿岸地域で行なっていただけることになっています。

「ありがたい。」

警察の皆さんの捜索の姿を、今年も見守るご遺族が、多く居られることと思います。

毎年、2時46分に各沿岸地域では、黙祷のサイレンが鳴ります。

その後の1時間くらい、ずっと海辺に立っている方々が居られますが、津波によりご家族を亡くされた皆さんが、沖に向かって偲ばれています。見掛けた時は、静かにそっと見守っていただければと思います。

被災者の方々の経験として、もう1つ言えることがあります。

「まだ、そんなこと言っているのか?」

と言われた経験がある人が多いこと。

大切な故郷を失くし、
大切な家を地域を失くし、
大切な家族を亡くした経験は、

色々な答えを探しながら、
沢山のことを考えて、

涙が流れ、
何回も同じ後悔もし、
その中に又、
大切なことを1つずつ見付ける作業は、

生涯を掛けて、その問いと一緒に生きることになります。

災害という経験の中に、とても大切なことや、大切な人が存在しているのですから、一人ひとりが真剣に考えています。

ニュースや新聞記事で東日本大震災の色々なことを知っていただくとき、

「一度経験した悲しみは、決して消えることなく、生涯を掛けての問いと向き合って生きているんだな。」と思ってもらえれば良いねと、今日は被災者のIさんと話していました。

今日は、いのち新聞の集まりがあり、3月11日と、12日に行われるパネル展・写真展の準備をします。

岩手県警察本部からお借りした70枚の写真を大切に拝見しながら、当日の準備を行います。

後援、協力をいただいた皆さまに、深く感謝を申し上げます。