2016年11月11日

介護の日、講演

公益社団法人・北九州高齢者福祉事業協会様企画、介護の日(11月11日・良い日という意味)の啓発が前後2週間に主に行われるそうで、介護に携わるお仕事の皆さまと、一般公開の枠だったので、地域の皆さまに向けてお話しをさせていただきました。

舞台裏には、事業主であったり、普段チームリーダーとして活躍されている皆さんが、本当に素晴らしい雰囲気を作り出してくださって、終始和やかに行われました。

地域の書店さんも駆け付けてくださって、おもかげ復元師、震災絵日記共に準備いただきました冊数が完売、サイン会もさせていただきました。ありがとうございました。

福祉に携わる皆さんとお話しをさせていただいた中で、印象に残ったお話しを二つご紹介します。

『おばあちゃんと近所の若者』
高齢者施設の入所者さん。日課が、近所への挨拶回り。その日も普段通り、挨拶回りをしていた高齢のおばあちゃん。午前中に施設内に帰って来られ、横になり、

その日の夜に眠るように亡くなりました。

その施設には、納骨堂があります。身寄りのない方が、ご本人の希望で施設の納骨堂に入られるそうです。普段から納骨堂に、施設のお年寄りが皆さん、お参りされるそうです。

挨拶回りをされていたおばあちゃん。身寄りがないことで、施設の中でお通夜とお葬式を行なっていたそうです。

近所の不良と呼ばれていた子どもたちが突然施設にやって来て、

「お参りさせてください。」と言ったそうです。

「おばあちゃんが死んじゃったことを聞きました。「おはよう」って言われても、いつも返事をしていなくて、「あんたたちは、今日も返事をしてくれないんだね。」とあの日、言われました。あの日が最期になるのなら、ちゃんと返事をすればよかった。本当は、声を掛けてもらって嬉しかったんです。」

その後も近くを通ったからと、おばあちゃんのお参りに来てくれる子たち。

「あの時」という後悔の気持ちを持ったということは、その子たちにとって、おばあちゃんはかけがえのない存在になっていたと、いうことでしょうね。良いお話だなぁって、心がほんわかしました。


『化けて出てやる』
化けて出てやるという口癖のおばあちゃん。その言葉が出たときは、大好きな牛乳が飲みたいサインなんです。と、施設の職員さんが教えてくれました。

持病があったおばあちゃん、病院に緊急入院。入院中、早く施設に帰りたいと言っていました。少し落ち着いて、施設に戻りました。安心されたのか施設に戻り、みんなに見守られながら、ゆっくりと息を引き取られました。

そのおばあちゃんの死後の処置中。蛍光灯が

バン!!!!!!

と割れました。普通なら怪奇現象だと騒ぐかもしれないけれど・・・。僕たちはきっと、その方が「牛乳飲みたい!」と言っているように感じたんです。

全てのお手当を終えて、その方の亡骸に、大好きだった牛乳を供えました。で、言いました。

「蛍光灯を割るのだけは、勘弁ですよ。」

なんでステキな関係性なんだろう・・・。そう思いました。


色々なお話しを伺い、皆さんの普段のお仕事に向かう、現場での穏やかな奉仕の雰囲気を、教えていただいた時間でした。

お年寄りの笑顔を自然に引き出すステキな皆さんのアイデア、皆さまの益々のご活躍をご祈念申し上げます。ステキな時間を、ありがとうございました。