2014年5月8日

こだわらない、こと。

「いのちを大切にすること」って、
どんなこと?
「悲しみから解放される」
って、どんなこと?等、
悩み多き子どもさんたちに、
納棺の現場でも、よく聞かれる。
だから、今の時点で思うことを、
とても素直に答える。
物を大切にする人は、
いのちを大切にしている人。
人の気持ちや、
言葉や、
行動や、
挨拶を大切にできる人は、
いのちを大切にしている人。
人の行動を、
どうのこうのと評価したりせず、
「きっと意味があるんだろうな」
「きっと、理由があるんだろうな」
と、見守れることが出来れば、
いのちを大切にしていることに
つながっていると思う。
「ご遺族」と呼ばれる人は、
実はみんな、「見守り」が
とっても出来る人。
悲しみを本気で経験した人は、
そういうことが出来る。
だから、ご遺族のことが私は大好き。
悲しみから解放される
ということは、私には難しいけれど、
「悲しみの中にある、
「こだわり」が
こだわりでは無くなる瞬間」に、
実は納棺の時間って、
いっぱい出会えます。
気持ちの中にある、
頑張って、こだわってきたことが、
何か大切なことへと意味が変わって(移行して)、
こだわりでは無くなる。
だから、人って、本当はすごいんです。
悩みとか、
考え込んだりとか、
そういう経験と
向き合ってみようと、
努力することは、
人の気持ちを理解しようとする、
そういう心を養うから、
結果的に、
自分のいのちも、
他の人のいのちも、
きっと大切にしていると思う。
だけど、
願うなら、
悩んでいる時にこそ、
理解してくれる誰かに、
相談出来るといいね。
でも、自分から
人に相談出来るときって、
本当はどん底から少し上がってきた時。
かもしれないね、たぶんね。
みんな、世の中の、ほぼ全員の人が、
悩んだり、
苦しんだりの経験があると思う。
だから、
自分が苦しんだり、
悩んだり、
悲しんだりの経験があると、
そっと、
傍に居てあげることが出来るよね。
その気持ちを持ち続けるのも、
とても大事だと思うよ。
等、色んな会話をします。
もう一つ、よく質問されること。
「笹原さんの、小さな頃の夢は?」
って。(笑)
「私の小さな頃の夢は、
イルカショーのお姉さんになること!」
だったと、本気で答えてみる。(笑)
「聞いて、笑わない?」と、
前置きすることもある(笑)
そして、
子どもさんたちが言ってくれる。
「イルカショーのお姉さんは、
無理かもしれないけれど、
イルカショーの
おばさんになら、
今からでもなれるよ!」
子どもさんたちは、
本気で言ってくれる(笑)
優しいでしょ。
こんな私の気持ちを、
尊重してくれるんです。
可愛いでしょ。

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「じゃあ私、
諦めないで頑張ってみるかな?(笑)」
悲しみを知っている子どもさんたち、
深い思いやりを、
大切な、亡くなった家族から、
ちゃんと遺してもらっています。
優しくて、
頼もしくて、
でも繊細な、
小さなご遺族。
きっと、
素敵な大人になるんだろうな。
と言うことを思いながら、
納棺の帰りの車の中で一人微笑み、
ふっと隣の車の人と目が合って、
変な顔をされても気にならない、
笹原さんでした。