「前回のセミナーに申し込んだけど、緊急が入って来れなくて、今日やっと来れました!」
日総研さんにお世話になって四年目、全国主要都市を、1年に1つ〜、年によっては2つの講座を掛け持ち、まわりました。会を重ねるごとに、そう声を掛けていただくことも増えました。
今回ご参加いただきました皆まは、看護学校校長・教員、緩和ケアチーム・緩和ケア病棟・ER(救急センター・救急救命室)等々。大学病院、国立病院、県立病院、総合病院、訪問診療・看護、介護施設等々。飛行機や新幹線に乗り、片道2〜3時間掛けて来たと教えてくださった方々も、居られました。
仕事をしていると、自分の人生を変えるような出会いがあったり、言葉に出会ったり、忘れられない人が居たりするものです。今、ご縁をいただいている方のことを思い、夜勤明けでこのセミナーに参加してくださる方も居られます。
セミナー終了後のサイン会&質問timeには、参加された半分以上の方が並んでくださり、少しずつではありますが、皆さんお一人お一人とお話をさせていただきました。
その中で三分の一は認知症や介護の話しになりました。現代は認知症も介護も増加傾向にありますが、一般講演に伺えば、家族単位で悩んでおられる方も大勢居られます。どうか、医療や介護のプロの人たちとつながっていただいて、関わり方や、生活のリズムの作り方を教えてもらって、穏やかな時間を過ごしていただけたらと、思っています。私も、母の介護のときは本当に色々なことがあったけど、いっぱい助けてもらいました。
認知症の患者さんを担当する、看護師さんのお話し。
「お誕生日会があったんですよね、その時の写真が出来上がったので、お届けしたんです。「写真が出来ましたよ」って。そうしたら、ご本人がね、
「この人、だぁれ?」
って聞くんです。だから、言ったんです。
「素敵な方が、写ってますね!」
って。そうしたら、
「本当にね、素敵な笑顔の人だね。」
って、喜んでおられましたよ。」
「そういう素敵な切り返しが出来るのが、プロですよね。私、そういう切り返し、大好きですよ。」と、私もお伝えしました。
認知症についても近所の高齢者施設や、行政の窓口、保健センター、病院や診療所など、地域には専門とするプロの人たちが居ます。どうぞ、力を借りてください。お互いの気持ちが通じる時間が訪れますことを、心よりお祈り申し上げます。(私も母の介護で、いっぱい助けてもらいました)
小学生の男の子が、おじいちゃんの介護をお手伝いしていたと教えてくれた納棺の現場がありました。彼は、教えてくれました。
「人は怪我をすると、そこをかばおうと体が反応するんだって。人同士も、同じなんだよって、じいちゃんが言ってたよ。」
彼は介護を経験しているので、車椅子でお別れに来られた方を迎えに行き、自然の流れの中で手伝ってみたり、泣いている人にティッシュをさり気なく渡してみたり。
そして、誰も居なくなった時に棺のスライドする窓を開けて中を覗き、おじいちゃんの頭を撫でていました。介護は心がつながれば、人の思いやりの心を育ててくれるものなのかもしれません。私は亡くなられた彼のおじいちゃんに、彼の思いやりある姿から、色んなことを教えていただいたと思います。
セミナーでは、実体験の中から様々に、皆さんの現場に合わせてお伝え致しました。1つでも多く、技術をお持ち帰りいただけるように、そしてその技術が、誰かの笑顔や安心につながることを願い、たくさんいただいた質問も組み込みながら、進めさせていただきました。これからも、皆さまの益々のご活躍をお祈り申し上げ、10時〜16時(その後サイン会&質問time)を終えさせていただきました。大変、お疲れさまでした。また皆さまにお会い出来ますことを楽しみに、私も研鑽して参ります。ありがとうございました。
追記、
さすが大阪。質問用紙の内容は、質問の次に突っ込みが入り、終わりにはオチがある。患者さんや利用者さんを深く思い、守りたい気持ちがよく伝わってくる、何とも素敵な質問用紙を拝読しながら、時々クスッと笑いが出てしまう、温かくも微笑ましい気持ちになりました。