2016年4月9日

お肌がキレイ!!

故人のお顔に触れた時、「あ、お肌がキレイ」と思うことがよくあります。高齢の方に多いので、どうしてかなぁ〜?と思っていました。

教えていただくことの中に、キーワードが出てきます。「日本酒が好き」「焼酎が好き」「ワインが好き」と言う、お酒情報。なるほど、お酒がそうさせているのか?

次に、「化粧水にこだわっていた。」又は、「自分で化粧水を作っていた。」「乳液にこだわっていた。」時に、「エステに行っていた。稼ぎの全てをエステにつぎ込んでいたので(笑)当然といえば、当然。」なんて話も聞きます。

それから、「お水で顔を洗っていた」の情報が飛び出す方は、ダントツお肌がキレイで、何より張りもある。触りながら、(うらやましい・・・)と心の中でつぶやいたつもりが、声に出ていたらしく、「ですよね〜」とご遺族に言われて、目を合わせて笑ったこともありました。

「触りたくなる、いつもの感じ」

亡くなられた方の現在の死後変化から、自分で触れたい若しくは、気が付いたら触れていたという状態までの肌を仕上げるためには、その人に合わせた工程を進めなければなりません。どのくらい、手を掛けてもらっていたのか(その逆も)、実は死後の変化が教えてくれます。生きていたことを教えてくれる死後の変化は、何より強い味方だと、いつも思います。

「お肌が、とてもキレイですよね。」と、とてもキレイだだったのでいつも通り申し上げたら、

「あらぁ、本当だ!」

と、さっきまで大きな声で泣いていたご家族が近寄り、故人に触れました。

「プリプリしてる!」と、涙を拭きながら言った、若年代の男孫さん。

「いや、プルプルだから!」と、涙を流しながら突っ込みを入れる、若年代の女孫さん。そして、みんなで笑う。

「いつもなにで、お顔を洗ってたんだろうねね?」から、会話が弾みます。

「何だろうね」とみんなで話し合いが始まりました。そして、「本当は、洗ってないかもよ!(笑)」と皆さん笑顔に変わり話しながら、「何で洗ってたと思いますか?」と質問されたので、

「ご本人のお肌の感じだと、お水でお顔を洗っておられた可能性は、高いかもしれませんよ。」と、私。

故人といっしょに住んでいたご家族が、「そう、いつも水でしたよ!」と教えてくれた。

「だけど・・・」と話が続き、「実は、3日に一回しか洗ってなかった(笑)」と教えてくれました。

お水・・・は、今までもあった情報。3日に一回は、初めてです。確かに、以前皮膚科の先生とお話をしていたとき、「皮膚細胞の働きと交換を考えると、乾燥の時期は特に、お風呂は2日〜3日に一回がベストで、夏は匂いのある所は石けんを用いて洗い、それ以外はぬるま湯で汗を流してあげるくらいがちょうど良いわよね。肌にハリを持たすなら、冷水で仕上げる又は冷水で浸したタオルで皮膚を仕上げると良いわよ。」と話されていました。

生活の知恵から、実践していた方が居られたという現場のお話でした。

以前、大変修行の厳しい宗派の高名なお坊さんが言っていました。「髪を剃っている坊さんはね、水で頭を洗うと頭にシワが出来ず、ハリが出るんだよ。お湯で洗っている人は、シワが出来るんだよ。」の言葉に、驚いたことがありました。その時に居られた6人のお坊さんが、お湯を使っているのか、水を使っているのか、百発百中で当てていたことに、更に驚き。ちなみに、ほとんどのお坊さんが、お水で洗っておられました。

という情報を持っているのにもかかわらず、私は水で顔を洗う勇気のない、ちっぽけな自分と毎日、向き合っているのでした。(`_´)ゞ