2016年4月25日

日総研さん、仙台セミナー

23日は、「看護・介護職が行うエンゼルケアと死化粧」仙台セミナーでした。

青森県、岩手県、秋田県、宮城県、福島県、山形県から、医療・介護職の皆さまが会場にお越しくださいました。

「死」の現場から、「生きる」ことの様々なことを学ばせていただいている時間の中から、セミナーを受講してくださった医療・介護職の皆さまに向けて、必要と思える情報を選び、お伝え致しました。

私は現役で現場に走っていますが、当然、復元納棺師と言っても全ての人が知っていて、好かれている訳でもありません。もちろん到着の時点から、色んな不安な要素を相談されることもあり、待っていてくださる方も多く居られますが、「来るなー!帰れー!」と叫ばれることからのスタートもあります。死が現実になってしまうから、自分の家族を納棺する人なんて、大嫌いで当然だと思いますし、でも共有の時間を過ごさせていただく中で、最後には心がつながることが出来るので、「帰れー!」の最初にお会いした時の言葉は、全然気にしません。

大切なのは、その言葉を発しなければならない、その心の奥底にある気持ちと行動。こちらがきちんと、それを理解しているか、気持ちに添って動くことが出来ているのかということだけ。

人には、それぞれの表現の方法があるので、それで宜しいと思います。悲しみ方や、その思いの持ち方をどのようにしたら良いのかと、ご遺族から聞かれる度に、一緒に考えて持っている情報をお伝えし、これまで一つ一つの悲しみと丁寧に向き合ってきました。

セミナー中に、皆さんと色々な現場の課題を考え、進めさせていただきたながら、想い出した現場がありました。

「うちのおじいちゃん、バリケードが得意だったんです。」とお孫さんが教えてくれて、(バリケード?日曜大工?)と悩んだ現場がありました。

孫「こうやって、カーンて、コンコンコンって、上手いこと穴に落ちるんですよね。」
私「・・・、んー?・・・!それ、もしかしたらビリヤード?」
孫「あー!それそれ!ビリヤード!ビリヤーーード!(笑)」

号泣していたお孫さんたちが、笑顔に変わる瞬間には、「おじいちゃんが、良い顔で生きていたとき」を想い出して、心の中に想い出と一緒に居てくれることを確認出来たとき。

そんな様々な体験談を踏まえて、現場からお伝え出来ることを、いただいた時間の限り、お伝えしました。

セミナーの中でお伝えした情報が皆さまの現場で一つでも多くお役に立てますように、皆さまのことを支えてくれますように、皆さまの益々のご活躍を、心からお祈り申し上げます。お疲れ様でした。

全国6ヶ所を回らせていただく、今回の演題のセミナーです。来月は、名古屋の会場に伺います。