2015年8月5日

小さなお星さまの会

2日、ちいさなお星さまの会に、お声を掛けていただくのは3回目になります。Dr.のM先生、助産師の皆さんとも、すっかり顔馴染みなりました。素敵な、素敵な愛情たっぷりのチームの皆さんです。

ちいさなお星さまの会は、弊社ホームページのトップページでもリンクでご案内させていただいています。

ちいさなお星さまになった赤ちゃんたちを、忘れずに、偲び語り合い、ずっと一人ひとりを大事にしている会です。

私も納棺の現場で、声を掛けていただくことがあります。大人の方の納棺に伺っても、子どもさんや赤ちゃんの納棺に伺っても、時々「赤ちゃんを、亡くしたことがあるんです。」と打ち明けてもらったり、「ちいさなお星さまの会でお話ししてきて、自分と同じ気持ちの親御さんたちと話せた」などの体験談、赤ちゃんに関する話しが、出ることもあります。

思い続けることは、生き続けること。どんなに小さないのちでも、一生懸命生きたいのち。生きている時間が短いと言われる赤ちゃんたちですが、その時間も彼らには生きた足跡のある、人生なのです。

お母さんのお腹の中で成長することの出来ない、何らかの理由が様々にあることも多く、「死の迎え方も含めてその子の人生なら、丸ごと受け容れることは出来なくても、現実の中に自分の子が居るから、親として受け止めるしかないのかなと、今はそう思っています。だって、親なんだもん。」

親としての心情を強く持つ、赤ちゃんを亡くしたお母さんが、私に話してくれた言葉です。本当に皆さん、悲嘆と共に生きている、素敵で頼もしい親御さんです。

なかなか世に出ない、ちいさなちいさな赤ちゃんたちの世界の情報は、専門のお医者さんや助産師、看護師などのチームの皆さんによってしっかり守られています。

ちいさなお星さまの会の、今回の集まりでも東北6県?の主に病院のNICU(赤ちゃんの集中治療室)に勤務する助産師さん方々が大勢集まられました。アンケートは、全員が「大変満足」と記載してくださったそうです。皆さんの気持ちと、私が現場で出会った赤ちゃんたちの気持ち、何よりちいさなお星さまの会の皆さんの気持ちがしっかと、つながった結果だと思います。

皆さまにお会い出来て、本当に良かったです。これからも、ちいさな赤ちゃんたちを、よろしくお願いいたします。

《こぼれ話》
2年前に、講演でお話しをさせていただいた時、会場に数名の看護学生さんが参加してくれました。講演終了後、学生さんが一人私に駆け寄って来て言いました。

「笹原さん、ちょっと来てもらえませんか!!!」

慌てた様子の子について行くと、その子と同じ年頃の看護学生の子が、泣きじゃくっていました。

彼女が高校生のとき、おばあちゃんを突然の死で亡くしていました。「棺の中を見てはいけない。」みんなにそう言われて、彼女はおばあちゃんの棺にすがり、「どうして自分を置いていったのか。力になれなくてごめんなさい。おばあちゃんのお餅がもう食べられないんだね。」と、対面出来ないけれど棺を抱えたまま泣き疲れて、眠ってしまったそうです。

その時夢を見たそうで、夢の中におばあちゃんは居なかったけれど、流し台やテーブルの上など、物が置けるであろう場所全てに、お餅が並んでいた夢を見たそうです。

おばあちゃんの死は自死。彼女は、周りの人から「自殺した人は、地獄に堕ちる」と言われたそうで、とても苦しんでいました。

彼女「おばあちゃんは、地獄に堕ちたのですか!!?」
私「そんな訳ないでしょ。こんなに孫が偲んで、想っているのに。昔の人は、自死も含めて大切な家族を亡くした時に、遺された心情が地獄のような苦しみだったことから、そう言われている風習もあるんだよ。風習には、ちゃんと意味があるから、全体を把握するとよく分かるよ。」
彼女「遺された人の苦しみは、こんなに苦しい物なんですね。」
私「だから、御本人の味方を精一杯出来るのは、その人を心から想う人だけが出来ること。これからも、人から色々言われても、おばあちゃんを信じて、味方で居てあげてね。」

菩提寺に行き、おばあちゃんの応援の仕方を教えてもらってね。と声を掛けたその子が、看護学校卒業後に大きな病院のNICUで、小さな赤ちゃんのいのちと向き合いながら、働いていました。

「一生懸命生きようとするいのち、一生懸命生きて欲しいと願う親御さんたちと、小さな赤ちゃんの看護をさせていただいています。すごく可愛くて、すごく一生懸命で、小さないのちから、たくさん色んなことを教えてもらいます。多分、おばあちゃんも一生懸命だっのかなと、今は思っています。」

涙をたくさん流しながら教えてくれた、色んなお話しを、私も胸に深く刻んだ時間でした。