「お母さんに会いたい」
「おばあちゃんに会いたい」
「お父さんに会いたい」
「じいじぃー」
「会いたいよぉ〜」
と、子どものように泣いていました。正確には、泣きじゃくっていました。7年前〜昨年の経験者です。みんな、事故か自死、災害でのお別れを経験した子たちです。みんな、仕事に就いていて、勇敢な社会人。なんだけど、私の前では、いつもみんな、自由に悲しみを表現します。
ちなみに、今月ご縁のあった子たちのお別れの現場に、私はご縁が無かったのだけれど、勇気を出して、会いに来てくれました。大切な家族の状態が悪くて「会えなかった」又は、「棺を開けるなと言われたけど、会いたくてこっそり見たら、死後変化を見てしまい、トラウマになっている」ことで、笹原さんなら何か説明してくれるはずだと、してくれるんじゃないかと思っていたらしい。
話の流れの雰囲気で「多分じいじぃは、「やめてー!見ないでー!」って言ってたんじゃない?先ずは、じいじぃに見たことを謝ろうか?」からスタートすることもあります。
彼らから「大人には聞けなかったけど、どういう意味があったの?」と、聞かれることも多いので、ここで簡単に説明します。
発見現場に警察官がいっぱい来るのは、ちゃんと意味があります。
警察が状況証拠から最期がどうだったのかを特定してくれるのが、「検視」。その後、担当警察官の立会いで、警察指定医が「検死」して診断書を書いてくてるのが検案書(死亡診断書)。(監察医制度や法医学等があるので、地域やその内容により、少し異なります。ここでは控えます。)
誰も見ていなくて、確認していない「死」の場合は、法律に基づいて行われるんだよと、話します。事件性があるのか、無いのか。無いと確定されれば、直ぐに家族の体は帰って来ますが、何かしら事件性の疑いがある場合に、又は理由があって死因を特定しなければならないときなどには、警察官から説明があって、普通は1週間〜10日くらいは帰りを待っていることがあります。亡くなった人の尊厳と人権・権利を守るために、警察官が動いてくれたんだよと伝えます。警察官が見ているのは、亡くなった人が中心です。だって、亡くなっていても人なんだもの!心強いです。私の立場で言えるのは、ここまでくらいかな?詳しくは、警察にも市民の窓口があるから、聞いてみてください。あれこれと質問するよりは、「遺族です!流れを教えてもらえませんか!」の方が、わかりやすく教えてもらえると思いますよ。
トラウマは、きっとみんな持っているのだと思います。トラウマの中にも、とても大切な記憶があることも実はあるので、ていねいに聞き取ります。遺してもらったことを、大事に考えていけば一人一人がちゃんと見付けます。ステキな想い出を思いだしたその一瞬の微笑みこそ、亡くなった大切な家族が、遺してくれたものなんじゃないのかな?と、私は思う訳です。その微笑みが出たとき、私は皆さんの大切なご家族に会えた気持ちがするのです。
どう生きたのか
話してくれる家族は、いつだって頼もしいと思います。答えはちゃんと、自分の中にあるもんね。考えることも、悩むことも、遺してもらったものならば、全部、いっしょに大切に出来たら良いなと思います。
fight!!