2015年11月5日

二つの講演へ

昨日は地元北上市の翔南高校さんに、毎年恒例の一年生、今年は240名の生徒さんに向けて、90分の授業をさせていただきました。

東日本大震災に於いては、被災地であることを再確認してもらうこと(今時期は特に)、何故なら沿岸と内陸と手をつないでいくことを生活の中に組み込み、そこからそれぞれの立ち位置からの復興を知り、自分たちの地域の発展や守るべきことを含めて、つながっていく町づくりを考えました。

いのちに於いては、悲しみの現場からお伝え出来ることとして、普段の生活の中に意識しておくこと、それを実行する力を持つこと、心の中に色々溜め込まないこと、そしてその対処法の種類などを中心に、芥川龍之介のくもの糸や、菅原道眞が何故、怨霊と呼ばれるのか?などの話を組み込みながら、皆さんには一緒に悩んでもらうこと、考えてもらうこと、ドキドキしたり、悲しみの意味を感じてもらうこと、大笑いしてもらうこと(笑っていい話題といけない話題との区別も大事。)等々、人に備わった、色々大切な感情を体験してもらえたと思います。

授業終了後は、約40名くらいの生徒さんが控え室にワーッと集まってくれて、色々感想や現在の生活の出来事、悲しみを経験したことなどを、それぞれにお話ししてくれました。来年も、授業に伺うことになり、学校を後にしました。昨日の夕方のニュースで地元テレビ局のIBCさん、今朝の朝刊で地元新聞社の岩手日報さんが、その様子を伝えてくれました。ありがとうございました。

引き続き、「黒岩地区文化講演会」に伺いました。ずっとお申し込みをいただきながら日程がなかなか合わずに伺えず、3年目にしてやっとお邪魔出来ました。

以前、納棺にご縁をいただいたご遺族の皆さんも何人もお出でいただいていて(一般講演は本当に多い)、お声掛けいただきました。その後のお話も伺い、想い出話しに花が咲きました。さすが地元!母の幼なじみ(母は岩手県の人なので)の方もいらして、昔の母の話しや、私が生まれる前に亡くなった、会いたかったけど会ったことのない祖父の話しを教えてもらい、孫としては、おじいちゃんに会えたような気持ちになり、何とも言えない嬉しい時間でした。

質疑応答では、人生の大先輩の皆さまが、「生前予約したい」と言ってくださいましたが、弊社にはそのような制度がありませんので(やる気がない訳ではないのですが。違う形はあります。)、どちらかと言うと生きている内に、色んな知恵を残していただきたいので、その前に呼んでください。お茶っこしながらワイワイお話ししましょ!等々盛り上がった時間でした。様々な死の意識の形がありますが、昨日も、人生の大先輩から、色々と教えてもらって、沢山の知恵をいただいきました。と言うか、大変な盛り上がりでした。

まぁ、岩手県と言う土地ですから当たり前に「座敷わらし」の話にもなり、16代続いてるなんて話しも教えてもらいました。座敷わらしは、むかし間引きされた子どもたちです。幽霊にもなれず、この世にも居られない。生きたくても生きられなかった時代の、哀しい現実で、お経も上げてもらえなかった子どもたち。座敷わらしは仏間や仏壇の前で遊ぶのを好むと、座敷わらしが居る家の人たちが口を揃えて言うのは、そのせいなのかもしれませんね。だからちょっとくらい、この世でイタズラしても見逃して、可愛がってあげっから!と言うのがお年寄りの包容力。やっぱり素敵だなぁと、思いました。座敷わらしは、気に入った人にしか姿を見せません。座敷わらしの居る家の主は、わらしが気に入って住んでいる部屋をいつも掃除しておきます。座敷わらしの姿を見ると、とんでもない幸せが舞い込んで来ると言われていますが、お年寄りは幸せが欲しいとか、そういうことよりも、むかしのことを知っているから、ここが気に入ったのなら、ここに好きなだけ居ればいいと言うのが本音でしょうね。やっと居場所を見付けたた座敷わらしは、何の心配もなくお年寄りの愛情に包まれて、時代は変わってしまったけれど、穏やかな時間を過ごしていることでしょう。

どんと晴れ!☆彡