2014年10月29日

大分県に入りました。

新しい事務所になり、お客様もご遺族の皆様や多業種の皆様に本当に多く訪問いただいて、二つの応接室がフル回転で忙しいけれど、嬉しい限りです。おかげさまで、ありがとうございます。

遺族会や東日本大震災のパネル展示などのご要望も大変多く、現在準備を進めています。もう少しお待ちくださいね。

一昨日は、岩手県曹洞宗宗務所様からお声掛けいただいて、布教強化大会の中で「愛別離苦と向き合う」と言う演題をいただき、岩手県北上市の会場において、納棺の時間の様々なこと、それから東日本大震災の直後から活動されていらした僧侶の皆様と情報交換と、これからを考える時間をいただきました。

お寺の御住職は、会社で言えば社長さん。総代さん方は株主に当たります。檀家さん方々がお寺を支えてみんなで守る、それが地域を守ることに直接つながっています。地域を守る。それが、お寺の存在なのだと感じました。

先日「いのちの授業」で伺った中学校さんからいただいた感想文に、心に残る感想文がありました。「子ども夢ハウス」のお話を聞いて、感じたことを書いてくれました。その子は女の子で、お父さまが僧侶で住職なのだと感想文から教えてくれました。

「東日本大震災が発生し、私は復興のことばかりを考えていました。今日の笹原さんのお話を聞いて、町を作っていく復興も大切だけど、子ども夢ハウスのように被災地を守ることも同じくらい大切なんだと気が付きました。私の父は僧侶で、住職です。父は、いつも地域を守ること、みんなと話し合うことを大切にしています。改めて、父の姿を見て、尊敬の気持ちがわきました。私も自分のすぐ傍から、父に手伝わせてもらって、出来ることを探して進んで行きたいと思いました。」

被災地の子どもたちも又、大人の姿をよく見ています。子どもたちの周りにいる大人は、ある意味子どもたちの環境の一部であり、人生のお手本のようなもの。いやいや、私も身を引き締めて頑張らねばと思える、心温まる沢山の感想文、ありがとうございました。

過去に私が担当させていただいた納棺。地域に帰るまでを見守ってくださるお寺さんの存在を改めて、心強く感じました。老衰、病気、事件、事故、自死、死の迎え方は様々ですが、その背景をよく知り、その後も支えて、寄り添ってくださるお寺さんの存在は、私にとってもとても大きな存在です。それこら、ポプラ社さんから出版させていただいた「おもかげ復元師」「おもかげ復元師の震災絵日記」をずっとご支援いただいているお寺さんも多く、心に元気をいっぱいいただきました。

社会の事情が変わって、葬儀の時間は短縮されていますが、現場に居ながら感じることは、人の悲しみは昔の人が言う通り、約50日の間にご本人が居なくなられた生活を感じて偲び、その倍の100日で涙も枯れ果て、一年で心の波を知り、一生を掛けて自分の気持ちの波と上手に付き合って行く・・・。沢山のご遺族が、私に教えてくださったことの傍には、やっぱりお寺さんの存在があります。

岩手県曹洞宗宗務所様の布教強化大会の中のお話の内容については、宗教者と納棺師では当然全く立ち位置が違う訳ですし、伝わり方が違うと大変申し訳ありませんので、詳しくは宗派も宗旨も様々あると存じますので、皆さんの菩提寺に伺って教えていただいてくださいね。ただ、これだけは言えます。私たち一般人が持つ情報をはるかに超えた知恵と価値観が存在していました。マイクを持っていることもすっかり忘れて、僧侶の皆さんのお話に夢中になってしまった私でした。大変お世話になり、ありがとうございました。
今日は移動日、大分県に入りました。