2014年10月11日

鹿児島県JA経済連葬祭部納棺セミナー

離島からも沢山の葬儀担当さんが参加されました。

旅支度は宗教・宗旨により様々です。御遺族が最も大切にされることが、その中にあります。地域のしきたり、昔ながらの日本独自の送り方の中に、いのちの大切さや、生きること、死を迎えること、遺された人たちがどう生きるべきか、葬儀の中には、大切なことを次世代に伝える、宝物がたくさんあります。

私の職種は、よく言えば専門職。普通に言えば、自然の流れで生まれた職種。納棺業は、その立ち位置にあります。時代に合わせて新しいものをどんどん取り入れる納棺業もあります。事業だから、自由だと思います。「お〜!時代だなぁ。すごいなぁ。」とかも思う。

どちらかと言うと私の納棺は、
10年前に小学生の子どもさんに「お母さんは死んでない!帰ってくるんだ!」と納棺に伺った現場で、目の前に安置されているお母さんの遺体を前に言われた現場で始めて挑んでみた「参加型納棺」。岩手県の地で、昔の納棺のスタイルをお年寄りから教えてもらって、今の参加型納棺に、現場で育ててもらいました。

「僕のじいちゃんなのに!」「お母さんに触りたい!」納棺の時間にどうしても子どもは排除されてしまう傾向にある現場の中で、「どうしたら家族である子どもたちが、故人の傍に居ることが出来るんだろう」と悩んだあげく、「参加型死化粧(身だしなみ)」を現場で苦戦しながら、今の形にやっと持って来れた。

結局、私の納棺は全然新しいものではなくて、どちらかと言うと原点回帰。昔から守り伝えられて来たことを守りたい。昔の納棺から、ヒントが欲しいと、悩んで悩んで、いつも悩んで、そんな風に進んで来たのかもしれない。

技術も、「違う人みたい」と言われた10年以上前の現場で、どうしたらその人に戻るんだろうと苦労して、苦労して、独学で勉強して、答えは故人が持っているんだ!と言うことに気が付いて、何とか今になっている。

納棺は、葬儀の中のほんの一部。でも、その納棺の中に最も大切にしていることがあるんだと、御遺族がとても大切にしています。葬儀の中には、生きるために必要なことが山ほどあります。昔ながらの守るべきものは、守らなければならないし、新しく取り入れて良い部分は、それで良いと思う。微笑ましい怪奇現象は納棺の時間は日常茶飯事だし、人の感情もストレートに体当たりで来るのも、この時間。
現場は生きているから、その都度都度で考えないといけない。
生きるって、本当に大変なこと。

今日のセミナーでも、皆さんと様々に現場の中で起こることを一つ一つ考えて、実践に向けて取り組みました。さすがに4日連続は私も、自分の体力の衰えを感じてしまいました。(笑)

色物を使う変色復元の講習中、「男性の方は特に、ワイシャツに口紅やファンデーションを付けて帰らないように気を付けてくださいね。過去に、家に帰って夫婦喧嘩になり、奥さんにビンタされたと(笑)ラブラブなお話を伺ったことがあります。」と話したら、「家なんて、気が付いてももらえない・・・」と参加された葬儀担当さん(笑)みんなから、「ファイト!」「頑張れ〜!」と応援の声が飛び交っていました。

台風の影響で、離島に帰らなければ帰られなくなる皆さんは、途中で船に乗るために帰られました。熱心に取り組まれた皆さんの少しでもお役に立てたら嬉しいです。益々の御活躍をお祈り申し上げます。お疲れ様でした!