2014年10月31日

エフエムさいき様

エフエムさいきの皆様に、大変お世話になりました。なかなかスケジュールが合わず、お問い合わせいただいてから2年、大変お待たせしてしいました講演です。お昼過ぎに番組に出演させていただき、質問にお答えしながら様々にお話をさせていただきました。そのまま、夜の講演会場へ移動し、準備等をさせていただきました。

会場は、350名分の防災備蓄を備える地上17mの五階建て、避難所としての設備も整っている施設でした。こちらの地域では、過去の台風で海の水が町を襲った経験があるとのことで、非常に防災意識の高い地区でした。講演には多くの市民の皆様がお越しくださいまして、300席あった席もあっと言う間に埋まり、追加の椅子が出されていました。

私個人的には何の役にも立たないと思いますが、ご縁をいただいた、亡くなられたお一人お一人の「死」と言う存在の中にある「人生」は、きっと皆さんの人生の傍で必要なタイミングで、元気や勇気を沢山くださるのではないでしょうか。

講演終了後のサイン会では、高齢の女性に「私はね、あなたのことが大好きだよ。」と言っていただき、「あなたのお婆さんは?」と聞かれ、「どちらもこの世には居なくなりました。」と答えたら、「じゃあ、私が生きている間、私があなたのお婆さんになってあげるからね。」と言っていただきました。危なく号泣しそうになるほど、嬉しい気持ちになりました。素敵な方にご縁をいただいて、とっても心が満たされた時間でした。

「小さい時に両親を亡くして」「20までに父と母を亡くして」「今日の講演で両親を思い出して」と、講演終了後に皆様に声を掛けていただきました。「どうしてこんなに早く逝ってしまったのか」「何故、もっと生きてくれなかったのか」「どうして自分だけ置いて、逝ってしまったのか」と、皆さんが今日まで大切なご家族を思いながら、葛藤しながら生きて来られたのだと、お話をしてくださいました。

「自分を置いて行くことが、どれだけ不安で切ないこただっただろうか。」「大好きで大切な気持ちは今も変わらない。それに気が付いた。」「偲び方が、今日から変わる」等、講演終了後の思いを打ち明けてくださいました。

私個人的には、何も人の役には立てないけれど、亡き人と遺された方をつなぐ使命をいただいた時、その立ち位置の中ではお伝え出来ることが沢山あります。「死」と言う存在の中にある、その方の人生が遺してくれたもの、最期の思いを考えることが出来た時、「死」から「生」、生きることを教えていただいて、しっかり考えることが出来ると思うのです。

大切な存在だから忘れなくていい。
思い続けることで、その方が心の中で生き続けてくれる。

小さい時にご両親を亡くされた方が、今日の講演を聞いて・・・と、教えてくださいました。「自分のことを置いて逝った」と恨んだこともありました。でも今日、お話を聞いて思いました。「どんな気持ちで、自分を置いて逝かなければならなかったのか。」それを考えていたらふっと思いました。両親は自分の好物を知ってくれているのだと思いますが、自分は両親の好物さえ知りませんでした。恨む気持ちが無くなった今日、それを知ることからスタートしたいと思います。今日から、両親と自分の関係を新たにスタートしてみたいと思います。」

「死」から「生」を教えてくれる、それを実感させていただいたお話しでした。お空の上に居られる皆さんに、「色々と遺してくださって感謝します。」とありがとうの気持ちをお伝えした、昨日の夜でした。