2016年2月19日

動物たち 1

お家で飼っている動物が普段通り過ごしている中で納棺を行うこともあります。犬や猫やウサギ、時にはイグアナ(!!)等々、ステキな動物たちに出会うこともあります。

鳥が部屋の中を飛んでいて、巫女時代に頭に付けた「かんざし」と「のし」の間に空を飛んでいるカラスにウンチを落とされて大変なことになった経験を持つ私は、今この時もウンチが落ちてくることを覚悟しながら納棺を進め・・・、結局、故人のおでこに鳥が止まって「・・・。 」ということもあります。このような場合は冷静に、静かに。手を出すと手に乗ってくれるので、棺のヘリで見守ってもらいます。後で聞いたら、頭に止まるのが好きなインコだったそうで。故人の頭に、よく乗っていたのだそうです。いつも通りのことだったんですね。

猫ちゃん・・・。メイクボックスを開けたまま作業中、その中ですっかりくつろいでいたり・・・、びっくりして2度見しました・・・、可愛すぎます。泣いているご家族の気持ちが落ち着いてからと思って、棺の蓋を開けたままにしておいたら、入ってしまっていた・・・ということが度々あります。お布団から棺に移動した時、棺に入った猫ちゃんに誰も気がつかず、体を納めたら故人の重さで「ニャー」みたいな・・・。

「猫って、箱が好きだから〜♬」

さっきまで泣いていたご家族を、笑顔にしてくれる猫ちゃんは、すごいです。

「本人が可愛がっていた猫だから、一緒に入れてやるべ〜(いたずらっ子の目)」と言うお年寄り。(ジョークですよね⁉︎)

箱が好きだから・・・そっかぁ、棺も箱だもんなぁ〜。

感心させられる場面もあります。私は動物が大好きなので、動物が居ても全然苦になりません。

犬が棺の中を覗き込む姿には、故人を偲ぶ姿なのかなと、犬が納得するまで覗き込んでもらうこともあります。犬は、故人が痛かったところを教えてくれたり、私の腕の上に前足を乗せて色々とアプローチをして、何かしらを教えてくれることがあります。いつも通り「ん?どうしたの?」と声を掛けたら、すごい勢いで尻尾を振り、顔をなめられて、押し倒されて、結果メイクが取れたこともありました(笑)可愛すぎます。

家族という意味は「人」だけじゃなくて、一緒に苦楽を共にして生活をした、いのちあるもののことを指すんだなぁと、学びます。現場で故人を偲び心配しているのは、動物たちもみんな一緒です。真っ直ぐな気持ちで飼い主を信頼する彼らの姿は、人が持ち合わせていない忠誠心、彼らの歴史の中で培われた優れたheartを持っているのではないかと、いつも思ってしまう私でした。