2015年3月25日

様々に

満月と新月は、やっぱり納棺の件数は多く、何かとっても深すぎて、地球と宇宙の関係を、首を傾げながら考えてしまうこともあります。引力の作用と潮の満ち引き、人間の多分血液の動きと心の働き、誕生と死と、何か関係があるんだろうなと、今月も考えさせられる満月と新月でありました。

毎日、下を向きっ放しで、
いつも死のことを考えている。

と言うと人に心配されるけれど、職業上、いたしかたないことなのです(笑)下を向かないと施行出来ないし、死の現場に居れば、人が生きることで当たる、様々な壁や背景や環境を考えさせられます。

昨日から、花粉に続き黄砂と、雪が降っています。とても寒いから、納棺の時も遺された御家族が、故人を心配されて「靴下を履いた後に、足袋を履かせたい」と希望されることもあります。故人を心配して、遺された家族からの希望はたくさん出ますから、御家族にとっての、今の一番のベストを尽くしていただけるように、お手伝いをします。

現場によっては、御家族の心情に配慮して、状態や状況の申し送りが無い中で、入ることがあります。もちろん、カルテもありませんから、故人のお体の状態から、読み取るわけです。死は、色んなことを教えてくれますから、ありのままの真実と、関わらせていただきます。

東日本大震災で大切な家族を亡くし、その後にまた、大切な家族を亡くし、大切な友人や知人を亡くし、それでも大切な人の死から、遺してくれた一つ一つを確認して、踏ん張って生きている方に、たくさんお会いしています。

故人に対して、周りの人は様々な評価をするもので、家族は「人は自分の好きなように言う」と嘆きます。「故人の味方が出来るのは、故人の苦労を知り、悲しみを知り、それでも笑って生きていた、それを知る人だけが味方になれるのだと、私は思います。見えているところだけ見る人と、全体を見てくれる人と、指紋が世界中の人一人一人違うように、世の中には様々な人がいますから。

どう死を迎えたのか、他者はそればかりを気にします。家族も、そこからスタートすることは少なくありません。でも、家族は悲しみの中で悩み、考え、苦しみながら、心の移行が起きています。家族を亡くした悲しみが癒えないうちに、他者からの言動で嘆きが何重にものしかかることがあります。その一つ一つのきっかけを、気持ちが納得出来るように関わりの中で、そっとお手伝いが出来ないものかと、現場でいっしょに考えていくのも御縁に全力で尽くすことだと思い、大切にさせていただいています。

体が無くなる前の、納棺。御家族の「最期に」の言葉は、絶対に聞き逃さないように、自分の心に入れて、大切に形に出来るようにしています。

花粉に続き、黄砂と雪。納棺の現場は、マスクをされている方が、今時期は多くいらっしゃいます。花粉と、黄砂と雪、早く落ち着くと良いけれどと、願わずにはいられません。明日から、高校生の皆さんがインターンシップ(職業体験)で来社します。最終日まで、頑張りましょうね!お待ちしています。