2014年11月20日

「先生さま」と言う風習

私の住む北上市には、「先生さま」と言う昔ながらの風習がある。はるか昔、土地の歴史の中で、隠し念仏を大切に守り伝えてきた地域の人たち。町に死人(しびと)が出ると、空が暗くなって、みんなの1日の仕事が終わってから、その家に集まり町人大勢でお念仏を唱える。

お念仏の先導をするのが町の顔である立場の人、大本家、有力者で、町の人たちに選ばれた「先生さま」と呼ばれる人たち。主に納棺後、火葬された夜等に現代でも昔からの風習は守り伝えられています。

何故、先生さまと呼ばれるのかは私は分からないけれど、「先生」も「さま(様)」も敬う言葉で、それが2つつながっているのも、昔の人の思いを引き継いでいるのかもしれません。

その後、お寺さん等の宗教者が葬儀を司る訳です。だから、納棺師が登場したからと言って、そのまま納棺が出来る訳ではなく、だけど納棺の時間はとても大切にされている時間の一つで、宗教者や先生さまが見守る中で納棺をお手伝いさせていただくこともあり、その現場の中にある大切なことを大切にし、そこに集まられた皆さんみんなで死生観を又、死の意味をしっかりと見つめ、捉える大切な時となっていることには違いありません。