2014年11月20日

新人看護職員研修会

秋田県立衛生看護学院、看護学校を会場として「新人看護職員研修会」の二部の3時間を担当させていただきました。一部は、緩和ケア・ホスピスケアの講義だったそうです。平均年齢は、23歳。excellent!

春に新人ナースとして医療に従事して、現在は約半年経っている皆さん。日々の業務に追われながらも、毎日たくさんの患者さんと向き合われていました。私が巫女として奉職させていただいていた時、新人の時にご縁をいただいた、一人の方との出逢いによって、私の巫女としての心構えが大きく変わりましたと言う話からスタート。それから、納棺師を志した時の、ショッキングな遺体とのご縁の話へと続き、現場の話へと進めていきました。

今、ご縁をいただく限り、全国の看護学校の講義に回らせていただくことも増え、以前学生の時に講義を受けてくれていた皆さんも、いらっしゃいました。嬉しいなぁと、心から感じた時間。ご縁をつないでくださった、看護学校の先生方々に感謝を申し上げた時間でもありました。

今日の講義を終えて帰ろうとした時、後ろの席の方から走ってきてくれた一人の看護師さん。「以前、関東の看護学校での講義で一番前の女の子が、走って会場を出たことを覚えていますか?」「うん、覚えてるよ。とても心配していたよ。」看護学校を回っている現在、たった一度、号泣しながら会場を出て行った子が居ました。「良かったです!実はその人、私なんです!」「!!!えええええ〜!?本当に!?」「はいっ!」

あの時、会場を出た心情を話してくれました。「卒業を間近に控えて、私は父を亡くしました。震災のあった二ヶ月後のことでした。私は、すごく混乱していました。葬儀が終わってから、私は父の死に触れないように、考えないように、心に蓋をして生活をしていました。

笹原先生が講義の中でお話しされた、遺族の心情がそのまま自分に当てはまりました。父の死に触れない、考えないようにとしていたけれど、その蓋が一気に開いた気がしました。父の笑顔の思い出がいっぱい思い浮かんで、それから亡くなった日に父の布団に一緒に入って添い寝をして、棺に入ってしまった父の棺を抱えたまま、うたた寝をしてしまったこと、色んなことを思い出しました。

そうしたら涙が止まらなくなって、我慢していたら過呼吸みたいになって、このままなら周りの人に迷惑を掛けてしまうと思って、会場を飛び出しました。あの時、泣き止んでから会場に戻って講義の続きを聞きたいと、心配してくれて傍に居てくれた学校の先生に言いました。でも、今日は帰りなさいねと、心配してくれた先生が言いました。あの時、思い出した父の顔は全部笑顔でした。苦しい涙ではなく、父の笑顔をたくさん思い出せて、あの時の涙は、とっても嬉しい涙だったんです。

今日は絶対に、笹原先生の講義を最後まで聞きたいと思って、昨日から緊張して今日来ました。私、最後まで今日は聞けました。聞けて、良かったです。大好きな患者さんのことを少しでも支えたいと、そう思っています!」彼女は、プロの顔をしていました。頼もしいなとも、思いました。「お父さん、とっても素敵な方だったんだね。お父さん似?」「はい!よくそう言われます!」

彼女は、出身の看護学校の先生方々に支えられ、多くの友達に支えられ、お父さんの思い出と共に生きていました。きっと、素敵な看護師さんになるんだろうなぁと、可愛くて可愛くて仕方がありませんでした。若い子と話して、可愛いなぁと思う自分に、年を取ったなぁと感じた今日でした。ご縁ってすごいですね。今日の講義にお声を掛けてくださった秋田県立衛生看護学院の先生方々に感謝を申し上げながら、帰路につきました。