2014年12月11日

3年9ヶ月

現代の納棺の時間には、「昔、納棺担当したよ。」と言う、地域のお年寄りが居ます。お年寄りのまわりに現場に居る子どもたちは集まり、その話に釘付け。伝統を受け継ぐ、時間ですね。

「昔はよぉ、体を冷やしてあげる保冷剤とかが無いから、みんな1日や2日ですぐに緑色になり、膨らんできて、臭いも強くて、元々の体の大きさの倍にはなる。死んだ人の想い出を話しながら女の人たちが手縫いで作ってくれた仏衣を、酔っ払った男衆みんなで着せたもんだ。右へ起こし、左へ起こし、口や鼻から、いっぱい色々出てくるんだぞ。昔の納棺は、そういう納棺。今とは色々違うけど、同じものがあるよ。死んだ人は、やっぱり大切な人なんだってこと。土に帰る前に、お礼を言わんとダメなんだぞ。」

昔の話を聞かせてくれるお年寄りは、子どもたちの人気者です。質問攻めにされても、おじいちゃんはニコニコ笑って、大切なことをちゃんと伝えてくれます。目の前の人を大好きな気持ちのままで良いんだということ、地域で育つと言うことを、感じる納棺の時間です。

今日は東日本大震災から3年9ヶ月の、月命日でした。岩手県大槌町の「子ども夢ハウスおおつち」の管理人である吉山くんと色々話をしながら、「地域」の必要性を強く感じていました。吉山くんは、連携をとても大切にしています。子どもたちの学校、保護者の皆さん、地域の人たち、寄付で夢ハウスをご支援いただいている皆さんへの思い、ボランティアさんとのつながり。まさに、地域そのものです。

ある、いのちの授業終了後にいただいた感想文が心に残りました。

「復興は、町が戻ることだけを復興と思っていました。笹原さんの授業の中で、夢ハウスの事を教えてもらいました。町を作ることと同じくらい、地域を守ることも大切で、そのバランスがとても大切なんだと、夢ハウスは地域を守る、みんなの拠り所なんだと思いました。」

子どもたちも、夢ハウスを支えてくださる地域の皆さんも、お一人お一人の背景があり、その中で子どもたちの健やかな成長を願い、お力を注いでくださいます。

今日の夕方に、夢ハウスの子どもたちとLINEをしながら名古屋に移動しました。名古屋の後は広島県に伺って、岩手県に戻ります。「名古屋良いなぁ〜」「広島県良いなぁ〜」ってみんな言っていました。色々写真を撮って
、夢ハウスのクリスマスパーティに行こうと思いました。

子どもたちは言います。

「津波で大切なものが、全部流されたんだよ。小さな頃の写真も、お家も、家族も。くっそー(夢ハウスを立ち上げてくれた藤原代表)が、これからでも写真をたくさん撮って良いんだって言ってたから、いっぱい写真を撮るんだ!」って。津波が来ても流されないように、二階に写真を貼っている子どもさんも、居ます。NHKで特集してもらった子ども夢ハウスおおつち。番組の中で、そのことも紹介してもらっていました。

子ども夢ハウスおおつち、皆さまの引き続きのご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。