2014年12月7日

日総研岡山県セミナー

朝の10時〜夕方16時までのセミナーでした。赤ちゃん・子どもに関する技術や、遺されたご家族と共に過ごす時間の中での様々な心情について、質問もたくさんいただいて、回答しながら皆さんと現実の現場の中にあることを一つ一つ、考えて行く有意義な時間を共に過ごさせていただきました。

ICU(集中治療室)
NICU(赤ちゃんの集中治療室)
ER(救命救急)
小児病棟
子どもホスピス
看護部を統括されている看護部長
小児科医

岡山県と近隣、山口県、四国、九州、東京からも多くのプロの皆さんにご参加いただきました。

与えてもらったいのちの時間を精一杯生きた、赤ちゃん・子どもたち。小さな体の赤ちゃん・子どもたちも、「生きたよ」ってね、私たちに遺してくれた大切なものが、あるんです。

それから虐待等の社会問題も、あまり知られていないけれど、小さな体で全部背負って病院に運ばれることもあるのです。そこでいのちを終える子どもたちの数は、年々増加しています。関わるプロだって、みんな苦しいのは当然です。どう動いたら良いのか、心を何処に持って行ったら良いのか、みんな現場で悩むことは山ほどありますね。

皆さんから引き継いで、私たちの現場には、宗教者が居ます。私たちは現場をお預かりしてその後、委ねられる先があります。それは、遺されたご家族が最も求める死生観のある場所、信仰に帰って行く時です。お寺や神社や教会は、地域にあります。地域に帰るためには、地域の力が大事なんです。葬儀は無くなりつつあるなんて言われる現代ですが、そんなことは無いのでは?現実、葬儀を大切にしている現代の方は、まだまだ多くいらっしゃいますよ。

子どもケアと言う日総研さんの定期購読雑誌に6回の連載をさせていただいていますが、多くの社会問題も含めて悩み悩み、寄稿させてもらっています。皆さんのお役に立てている様子を全国回らせていただいて、聞かせてもらえて、思い切って書いて良かったと今、思っていました。

今に至るまでの道のりは、私も苦しかったし、切なかったし、散々悩んで来たし。今も悩むことは多くありますし。死の世界には答えの出ないものも多くて、でも現場に居ると、人の温かさがそこにはあり、「本性」と言う一見ネガティヴなイメージを持つ言葉だって、内側からの視点から見れば現実の中では情けが含まれているものなんだと思うくらい切なくなることもあり、「生」と「死」に境界線なんて本当は無いのではないかと、死の世界に生かしてもらって、いつも思う私です。

死を迎えた人が遺してくれた、色んな課題を私たちはきちんと大切に拾い、それに向き合って形にしていくこと、それが出来る自分であるか、そういう自分になりたいと、苦しみもがきながらも、でも、ご縁をいただいて出会えたからこその「今」があるんだ、出会えたから大切なんだと思えます。

セミナーが終了してから、涙ながらにお話しして下ったプロの皆さん。いつも心の中に「患者」を超えた、一人一人の赤ちゃん・子どもたちの人生が、存在があるんだと、今も共に生きてもらえてるんだと、親御さんが聞いたら嬉しいだろうなと、そう思いながらお話を伺っていました。

だけど、ER(救命救急)の皆さんの質問は、完全に復元の技術が必要な内容でした。「元に近い状態で、家族に返したい」思いが同じであることに、私も心が動かされて、技術をお伝えした時間もありました。

帰り際皆さんが、「早く病院に戻って、患者である子どもたちを抱きしめたい。」と口を揃えて言っていました。素敵な人たちにご縁をいただけたこと、心から患者を申し上げます。

追伸、
「いのちの授業」「被災地の復興教育授業」を優先してスケジュールを組んでいるので、病院へのセミナー・講習会の受付は現在行っておりません。日総研さんのセミナーで全国7カ所を回らせていただきいただいておりますので、是非、そちらの方のお申込みをいただいて、会場でお会い出来ることを楽しみに致しております。日総研さんでは専門書、通信講座も御座います。ご活用ください。以上を御理解いただければ幸いです。

復元納棺師、笹原留似子より