2013年10月21日

「夢」

納棺に走る道中、季節が変わっていく様子を色々感じること多く。「秋の訪れだなぁ。」そう思いながら走っていました。栗の実がなり道路に落ちていたり、稲刈りが終わった田んぼの横を走っていたり、リンゴの収穫の時期を迎えていたり、川には白鳥が来ていたり・・・。「日本にはね四季があるからね、どんなに忙しくしていても、季節の変わり目は肌で、目で、感覚で感じる様にね。それが生きてるってことなんだよ。」生前予約でご縁をいただいた皆さんから遺してもらったこと。一つ一つ、大切に思い出しながら走っています。毎日、多くの納棺のご依頼があります。最近は何件も重なることも多く、お時間のご相談をさせていただくことも多くなりました。亡くなることが分かっている子どもさん達も、急死で亡くなる子どもさんもみんな最期まで夢を持って生きています。納棺の時間は、ご本人が持っていた「夢」を語り合うことも多くあります。今日の子は「警察官」になることが夢だったんだって。子どもさん達が憧れる職業に多い警察官。お巡りさんもそれを知ったら、きっと会ってくれる方は多いと思います。「夢」は、人をワクワクさせてくれます。そしてそれは、遺された家族の宝物のお話になります。それを大切に持って生きる。私たちも同じで、お見送りをさせていただいたお一人お一人を、思い出します。出逢いは不思議だと、いつも思います。亡くなっている方から、生きている私たちは、納棺の時間にその方の人生から、学び、教えられ、生きる勇気をもらい、様々なことに気付き、得て、力に変えて行く。「死」は、終わりを意味するものでは無くて、私たちとつながる「何か」が必ずあります。思い出が支えてくれて、生きる力に変わる。大好きで、大切なのは、そのまま残ります。「夢」は叶えることも、とても素敵だけど、それを追いかけている姿は、私はもっと好きです。納棺の現場の度に、お空に逝かれた皆さんに、「今日もお迎え、宜しくお願いします。」と、お願いして手を合わせる自分の心の中に、ご縁をいただいたお一人お一人が存在してくれていることに、感謝します。