2013年8月5日

沖縄で教えてもらった死生観

エイサーは、とても有名な民族芸能。今回の沖縄でも見せていただきました。「今、踊られているエイサーは、とても軽快で楽しいエイサーですが、本当のエイサーは静かなゆっくりとした、踊りなんですよ。」と、教えてもらった。「亡くなった人を送る目的、亡くなった人の魂を鎮める目的、本当のエイサーの意味は、そういう意味なんです。」全国の民族芸能は、ほとんどがそういう意味を持っている。この時期に民族芸能のお祭りが多いのは、お盆だからと言う、亡き人を思い手を合わせることの意味を持つから、こそなのだと言うことを、また思い出していました。

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琉球舞踊を見て、「すごい芸能だなぁ。」と心奪われながら、エイサーの意味を思い出しました。沖縄の久高島は「神の島」と呼ばれているそうで、現在も風葬が残り伝えられていることを教えてもらいました。一年間故人を風葬で安置し、一年後にお骨を洗骨してお墓に納めるそうです。人が亡くなると沖縄では、体と魂が離れると考えられているそうで、亡くなった場所から故人を他の場所に移す時に「ヌジファー」と呼ばれる儀式のようなことが今も伝えられているそうです。ヌジファーは、亡くなった人の魂に向かって話し掛けて、頑張って生きたことを含め「亡くなったんだよ、一緒に帰ろうね。」と体が移動しても魂だけがそこへ残らないように、声を掛けて移動するそうです。沖縄のお墓はとても大きくて、その意味は「少し前まで棺を置いていたから」と理由を教えてもらいました。棺はお墓に7日間安置され、その毎日「ナーチャミメ」が行われるのだそうです。「ナーチャミメ」とは、毎日墓場に行き、棺を覗き、故人の体の上に置いた小さな位牌が倒れていないかを見る係りの人のこと、その行動を指す言葉なのだそうで、7日間倒れていなければ死を確定し、葬儀を始める文化があるのだと教えてもらいました。沖縄の死生観は、独特なのかもしれないけれど、大切なこのような伝統には「生きる」ための情報が沢山ありましたので、守り伝えられることを願いながら、今回行けなかったガシュマルの木に思いを馳せていました。沖縄の死生観、伝説の一つに「ガジュマルの古木」に住む「ギジムナー」と呼ばれる子供の妖精が居ます。ギジムナーに気に入られると、幸せが沢山やってきて、良いことが沢山あるのだと言われています。東北のザシキワラシに似ています。子どもたちの妖精は、なんとも不思議でホッとする、そんな気持ちになるもんです。次に沖縄に来れたら、ギジムナーに会えるかしら?楽しみを一つ残して、明日は岩手県に帰ります。お世話になりました皆さんに、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。