2013年8月18日

魔法の言葉

テキストや出版をさせていただいている本は、普段現場で実践している技術と特殊なコミュニケーション法を出来るだけ分かりやすいように文章と図解入りで作ります。文章は私、挿し絵や図解は基本、愛弟子の恵っちが描いてくれます。実際の心情としては、出逢った故人お一人お一人との思い出がある大切にして来た技術なので、子供を世に送り出す気持ちです。学会や勉強会などで使用していただくことも多くなり、弊社としても使用許可もずいぶん出させていただきました。皆さんの時間の中に、私達が大切にして来た、いただいたご縁を生かしてもらっています。特に私の会社は、お一人お一人との出逢いの中で「復元」に挑み続けて来ました。現場は非常に難しい特殊な復元も多くあります。人の人生に出逢った責任を感じながら、自己中心的になって諦めないこと、自分に負けないこと、今の時間は精一杯向き合わせていただいて、自分が後悔するような内容にしないこと(ご家族の希望が叶えられないと後悔になる)。私も現場が終わるたびに、「もっと出来ることはあったのではないか」と、現場でも必死に考えるけれど、終わってからも必死に考えていることが多くあります。実は弊社にはマニュアルが無く、時間が決められている中で、大まかな流れは決まってはいますが、色んなことが実践できるように組んでいます。なので、同じ納棺は無く、故人やご遺族の心情に合わせた、一件一件、全くのOnly1納棺を目指します。「死」と言う存在がご縁となり、私達は生前予約以外は全く始めてお会いする方ばかり。私達に出来ることは、故人のお体がある火葬までの限られた時間の中で出来ることのお手伝い、技術を中心にきっかけを作らせていただいて、色んなことを成功に導く道のりを、自分の持つ情報の引き出しを必死に開けて、どんな困難なこともその場で考えて、結果一つでも多く叶えたと思っていただくこと、のお手伝い。どこまで臨機応変な対応が出来るかが、そこが本当の勝負です。現場が終わり、しばらくしてご遺族から、思いが沢山書かれた感謝のお手紙が届き、ご家族が集中して故人への思いと向き合えたことを拝読させていただいて、お看取りをしてくださった皆さんから引き継がせていただいて、葬儀担当者さん、宗教者の皆さん、お花屋さんや縁の下の力持ちで頑張ってくださった皆さんと共に、故人を送るお手伝いが出来たこと、チームの中の一つの納棺としてお一人の人生をお見送りさせていただくお手伝いをさせていただけたことを考えます。現場で大切なのは、これから故人との思い出と一緒に生きられるご家族の希望に添えたかと言うこと。自分達がどれだけ、その現場で一つでも多く気付くことが出来たか、を考えています。現場で求められる技術は非常に多くあります。困難なことに向き合わせていただく度に、日々、気付きと発見に出逢います。不思議だなぁ。と、思います。そういう現場の中で、ある子どもさんに教えてもらった魔法の言葉がありました。復元後に対面していただいた時のお話しです。「おじいちゃんがね、いつも言ってたよ。「ペトリフィカストラルス」って‼メモした方がいいよ。」で、私は言われた通りメモをしました。そして聞きました。「それは、どういう魔法なの?」そしたらお孫さん。「嫌だなぁ〜と思った人にその魔法をかけるとね、石になるんだよ。」「ヘェ〜、すごいね。」「おじいちゃんがね、みんな石にしたよ‼」「うわぁ、何人位?」「百人はこえたんじゃないかなぁ〜」「え〜‼」「その石はどこにあるの?」「道路だって‼ね、おじいちゃん‼」と、故人に生前と同じく話し掛けてくれました。聞けば、ハリーポッターの映画の中に出てくる言葉らしく、お孫さんはいっぱい魔法の言葉を覚えていました。亡くなられたおじいちゃんが生前、お孫さんを思う時、何かを伝えたかったのかもしれません。それは、ご本人しか分かりません。試しに私も時々となえてみるけど、誰も石にはなりませんでした(笑)お孫さんがそれを信じていた理由です。魔法の言葉の後に、おじいちゃんの右手から、いつも石が出てきたそうです。(なんて素敵なファンタジー〜‼o(^_-)O)ペトリフィカストラルス〜‼( ´ ▽ ` )ノふふふふ。フッ。(笑)