2013年5月1日

棺に入れられるもの。

最近の納棺で、とっても質問の多い項目です。宗旨、地域、風習などによっても色々違います。岩手県なら、伊達藩と南部藩の違いもあります。葬儀は、地域でとても大切にしている所も沢山あります。そのような地域では、絶対的に宗教者の例えばお寺の住職さんが中心となり、深い死生観に出逢えて、死の意味をみんなで考えながら、法話を自分自身の人生に組み込みます。棺に安置する時、ご家族やご友人は故人に沢山入れて持たせてあげたいと考えることが多くあります。でも大切なのは宗旨として旅をする宗派では、お団子や六文銭など、あちらの世界で絶対に必要な物があり、旅をしない宗派では、阿弥陀様が迎えに来てくれる意味で何も入れる必要のないこともあります。本家さんや長老さんがお寺さんの代わりにそのように仕切られることがあります。そしてその意味と、伝統を次世代が引き継ぐ場でもあります。昔の人が伝えてくれた物の中に、子孫を思う気持ちが込められています。長老さんが納棺の時に言いました。『思いは遺さないように全部棺にいれるんだぞ。恨みつらみは入れるなよ。本人の荷物になってしまうから。』みんな真剣に聞きます。実際に火葬場の管轄が何処なのかなどによっても大きく変わる棺の中に入れてあげられるものは、基本燃える物と言う決まりがあります。エコの問題を考える火葬場も増えて来て、黒い煙の出る物は禁止の所もあります。おおよそ皆さんはお手紙や、折鶴、何枚かの愛用していた服や帽子などと好物を少しと言った感じで入れられます。その内容は急がなくても、出棺の日まで準備出来れば大丈夫です。点数の悪かったテストを隠して入れた子どもさんが居ました(笑)おばあちゃんが隠してくれても、閻魔さんには見つかるかも⁉しれません。『お手紙って言い切ってね。』って言って、ま、入れたけど(笑)納棺の時間に起こる感情の中で、形に出来る事はなるべく実行したいと、そう思います。日々知恵を積み重ねなくては‼と、思っております。