2014年6月11日

雨ニモマケズ

「雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい」
農家の納棺に伺うと、
腰の曲がったおばあちゃんが、
「お礼だぞ」って、
ニコニコと、
方言たっぷりで、
暗記された
宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を
縁側で聞かせてくれます。
忙しない毎日の中で、
いっぱいいっぱいの多い日が
続いていたから、
すごく、穏やかな気持ちになりました。
いっぱいいっぱいを
時間のせいにしていたけれど、
いっぱいいっぱいなのは、
自分の気持ちだったんだと、
おばあちゃんのお陰で気が付きました。
穏やかな気持ちの、おすそ分けです。
頑張るぞ〜!