2014年6月3日

何だったんだろう?


せん妄に出逢うことが多くなって、
一体、何でこんなに悲しい現象が
起こってしまうのだろう。
知っている今までと、
全然違う様子になってしまう。
叫んだり、
怒ったようになったり、
暴れたり
と、思ったら元に戻る。
納棺に伺うと、
亡くなる時の、
息を引き取られる少し前のお話を、
教えていただくことが多い。
「せん妄だったのかもしれないな・・・。」
そう胸の中に思いながら、
お話を進めていくことがある。
「お世話になった医療の方に、
詳しく教えてもらうと
良いと思いますよ。」
葬儀が終わってから、
ゆっくり教えてもらえることもある。
お医者さんがお話しされる、
市民公開講座などで
そういうお話の内容に
触れてもらえることがあるので、
参加してみては、如何でしょうか。
きっと、あの時を
知ることが出来ると思います。
私の母も、
寝たきりになる前、
せん妄になりました。
クタクタになって仕事から帰ると、
怒鳴られ続ける、
夜から朝方まで、
ずっとヒステリックになっている、
人格も変わってしまう・・・
一体何なんだろうと、
毎日毎日悩みながら、
それが毎日続くので、
さすがの私もダウン。
その後、手術で、
そのまま寝たきりに・・・
失語になって話せなくなった母に、
「あの時のこと、覚えてる?」と聞いたら
笑顔で首を傾げる。
ま、いっか。(笑)
って、今は思う。
私もあの時は、とても苦しくて
泣き出してしまうほど、辛かった。
病気が重篤化したり、
死の間際に起こりやすいこと
そういう時は、
病院に行って良いんだよ。って、
そうお医者さんに詳しく教えてもらって、
「そうだったのか、
誰も悪くなかったんだ。」って、
ホッとして、やっと肩の力が
抜けたことがありました。
納棺の時間に、お話を伺いながら、
だから、真剣に一緒に考える。
「大変でしたね。」って、
ゆっくりお話を伺います。
だからこそ、
死んでしまったから終わりとか、
そういうことではなくて、
その背景に何があって、
どんな人生で、
好きなことと嫌いだったことから
性格を感じて、
最も、その人の存在自体が重要で、
亡くなった人と生きている人を
区別すること無く、
亡くなった人も
生きている人と同じ価値があるはずだから、
そういう気持ちが大事なんじゃないかと
深く思う訳です。
復元も重要だと思う。
でも、同じ位大切なのは、
心のつながりだと思う。
そうやって、今も私は現場で、
育ててもらっている一人です。