2014年7月27日

どうして置いて行くの?

お二人の、
山あり谷ありの人生の歴史。
ご夫婦の、お別れの時。

「どうして自分を置いて行くの?」
と、故人に話し掛けられる方は多い。

私の現場は大人はもちろん、
子どもさんたちの参加も多く、
お孫さんやひ孫さんと、
旅支度や私服のスーツ等を、
お着せすることも。

故人の手を握った瞬間、
皆さんそれぞれの表現で、
今の時間を過ごされます。

多く「想い出」と言う過去に、
帰ることの多い納棺の時間は、
様々なことがたくさん起こります。

そして御遺族が知りたいことが
多くなるのも、
納棺の特徴かもしれません。

勝手に踏み込んではいけない、
宗教の世界。
宗教をとても大切にされる御遺族が
多いからこそ、
勝手にあれこれは、話しません。
「御住職に伺ってみてくださいね。」
等と御提案します。

旅支度も宗旨の違いがあり、
お別れの形も違い、
大切にしている死生観も違う。

しきたりや、
伝統を重んじながら、
「死」を感じて、
向き合う時間を大切にしながら。

「お寺さんがもうすぐ来て下さるよ。」
頭を撫でて、頬に手を当てて、
故人に話し掛けられています。
「どうして置いて行くの?」
誰もが持ち得る感情を前に、
大切なことを教えていただきながら、
猛暑の中で納棺に走り続けていました。
明日も、暑そう。頑張ります。