2013年7月13日

お年寄りのお話し

納棺の時間のお話の中で、よく「人生の壁」と言う話になることがある。お年寄りが教えてくれる話をまとめると、目の前に立ちはだかる人生の壁は、一見、大きく見えるのだけれど、「待てよ」と思う気持ちにより、一歩も二歩も引くことで、「あ、この位の大きさなんだ。」と気が付けることがあるそうだ。そして目を凝らすと又は、その時の視点が変わると、その周りの光景が目に入り、「あ、様子はこうなのか。」と雰囲気をつかめるらしい。壁は越えずに、横から回れるものがあり、それを回り道と呼ぶのだそうだ。回り道は、決して無駄な事など無く、回り道をした事で得られる事は非常に多いと言う。壁の向こうからロープが出て来て、つかまると引っ張ってくれる人が居て、壁のてっぺんに上がると階段があり、大きな壁を容易に降りて行ける。その全てはそれぞれの人に支えられていて、それを地域や社会、人とのつながりと呼ぶのだそうだ。人の悪口をすれば必ず自分に倍になって帰ってくるもので、自分から発した事が帰ってくるのは当然と考えるべきだと言う。そうする事で「浩然の気を養う」ことにつながるのだと教えてもらった。大きく広い気を養う事を積み重ねた素晴らしい存在が、年寄りなんだと言う(笑)さすがだ。堂々と言い切る凄さ(笑)でも、確かに、お年寄りは何事にも動じず、ゆったりとした心持ち、愛情深く、寛容で、親しみやすい。納棺の時間に出逢うお年寄りは、浩然の気を養って生きて来られたんだと思う。天晴れ(あっぱれ)です。