2014年3月31日

火葬場のおじさん

「笹原さん、家の子どもがお空に上がるところを妻と見ようと思って外へ出たら、今の火葬場って、煙突も無いし、煙も出ないんですね〜。」最近、よくお話しをいただく内容です。昔は、みんなで煙突を見て、お空に上がっていく黒い煙を見ながら手を振ったものでした。「‼︎」この黒い煙と言うのが現代では問題になっており、ECOの問題に取り組むべく、棺の中に入れて持たせて差し上げるものも、地域により、どんどん制限が出てきました。黒い煙の出るものは入れられない!だから、お線香の意味も、みんな知りたい時代になりました。亡くなった人が登っていくための道しるべとも、亡くなった人の最高のご馳走だとも、向こうの世界に先に逝っている家族に会わせてくれる、仏様の所に導いてくれる、お線香の煙は、そういうふうに、とても大切に語り継がれています。子どもたちの骨を、小さな赤ちゃんの骨を、火力を調整して残してくれる火葬場のおじさんがいます。形が残るように、お父さんお母さんに、拾ってもらえるように、おじさんの深い思いは、なかなか遺族には知られない所ですが、私は知っています。子どもの形が残っているお骨を見たら、お父さんお母さんは号泣します。火葬場のおじさんは、その意味の大切さを知っています。みんな、誰かとつながっている。知らない所で、思いを持ってくれている人がいる。そういうことも、あるのです。おじさんは職人で、とってもシャイです。でも、いつもあの火葬場の窯の火の向こうから、故人と家族を見守ってくれているのです。ありがとう、火葬場のおじさん!