2014年3月1日

納棺に走っていました。

早朝から、ずっと納棺に走っていました。一件一件、つなぐ現場の中で、その中に起こる様々なこと。移動中は問い合わせの応対や、御縁をいただいた死を迎える皆さんと、電話でお一人お一人とお話をする時間。ゆっくり、ゆっくりお話をします。現場に到着すると、社会問題には直面するし、周りの人たちと起こる気持ちのすれ違いの相談に乗ってみたり、現状から起こる様々なことも一緒に考える時間。目の前のことが解決出来ないと、悲しみに向き合っていただけない。だから、一つ一つを丁寧に考えていく。頭を使い、心を呼び起こし、何が起きているのかを観察する。処置をしている時に、親を急死で亡くした子どもさんたちが傍に来た。すごい勢いで走って来たから、「どうしたの?」と聞くと、「どうして色が黒くなったの?」と聞かれた。きっと、意を決して来たんだと思った。急死で親御さんは変色していた。「これから色を直すけど、一緒にする?」と聞いた。「うん!」小学生の三人が嬉しそうに言いました。「そうだよな、どうしてだろうって、大好きだからこそ心配する気持ちが起きるんだよな。」遺された家族がトラウマになるであろう現場は沢山ある。でも、大好きで大切な気持ちが心配に変わる。心配も、後悔と同じ、大好きだからこそ持つ心情なんだと思う。その気持ちが、トラウマに勝つ時がある。それが現場のすごさだと、いつも思う。一つ一つ知りたいと思っていることに答えながら、進めた。大泣きしながら、でも手を止めずに、一生懸命一緒にやってくれた。色が、はみ出せば笑いに変わる。それを繰り返して完成した。一心に集中する姿を、私は脳裏に焼き付ける。絶対に、この光景を忘れてはいけないと、そう思うから、大切な時間だと思う。昨日、子ども夢ハウスを立ち上げて下さった藤原茂代表が言っていた。夢ハウスのことを話していた時の言葉。「お空の上から、こちらは、どんな風に見えていますかぁ〜!」泣きそうになった、深く温かい言葉だった。今日は一件一件の現場で、それを思い出しては、窓の外の空を眺めてしまった。親を亡くした子どもたちが「何を見てるの?」と私に聞いたから、「お、そ、ら!」と答えた。三人とも窓の外を並んで見ていた。その後ろ姿を見て、また、泣きそうになった。「お空の上から、こちらはどんな風に見えていますか〜!」また、思った。死は、その人の人生そのもので、家族にとって大切なことを教えてくれる存在なんだと思いました。