2013年11月11日

思い出した。「ヤクルトどろぼう」

岩手県に戻って来て、今回の講演を振り返っていました。今回も、素敵な出逢いをいただきました。印象に残ったことは幾つもありますが、その中でも、吉野川PTA連合会会長さんと、講演後に一階外で立ち話をしていた時の一コマ。「おじちゃん!ジュースおごってぇ!」と、小学生の男の子が三人、会長さんにジュースをおねだりに来た。目の前に、自動販売機があった。会長さんはすかさず、「ジュースは買ってやる。でも、自転車にまたがったまま、頼むやつがあるか!ちゃんと自転車から降りて、頼みなさい!」すると子どもたちが、なんと!ちゃんと自転車から降りて、「おじちゃん!ジュース買って下さい!」と、言ったではないか‼「よし、どれが良い?」と、和気あいあい。買ってもらった子どもたちが「おじちゃん!ありがとうございました‼すごく美味しい!」と言っていた。会長さんは「飲み終わった缶は、ちゃんとゴミ箱に捨てろよ‼」子どもたちが「はーい‼」と。この光景を見て、何だかとっても懐かしい気持ちになった。私は、小学校に上がる前、近所の同じ年の友だちと「ヤクルトどろぼう」をしていたことがあった。みんなで、色んなお家のヤクルトを飲んだ。そりゃ、もちろん色々みんなで怒られた。その内の一件は、みんなが怖がっていた雷おやじの家だった。「こらぁ、おまえら、ちょっと来い!」と言われて、逃げられないと思った私達は、雷おやじの所に言った。「ヤクルトを飲んだら、ごちそうさまって言うんだろうが‼」と、怒られた。チンプンカンプンの私達。「⁇」怒っていたのは、そこ⁉「ヤクルトでも何でも、誰かに美味しいって言ってもらうために、誰かが一生懸命作ってるんだぞ。黙って飲んだら「どろぼう」だ。だから、今度からは、「ヤクルトを飲みに来た」と、堂々と言いに来い!人数分、用意しておいてやるから!」当時、悪いことをしたら地獄に行くと、お年寄りから散々教えられていて、自分達が、どろぼうと言われて始めて気が付く「オイタ」だった。私達は雷おやじに言った。「どうしよう。地獄に行くかもしれない。」と。雷おやじが言った。「怒られて、ごめんなさいって言ったから、地獄には行かない。爺さんが、閻魔様に頼んでおいてやる。」そう言われて、雷おやじは、ずっと閻魔様の友だちだと、私達は思っていた。この件で、けっこう大人の人との関わりがあった。雷さんは、地域に沢山居たもんでした。そして、この件をきっかけに、近所の人たちが私達のために、ヤクルトを用意して待っていてくれた。みんなではしごした。こっそりヤクルトを飲む「はしご」から、ヤクルトがあるお家を訪ねて歩く「はしご」に変わった。大人の世界は未知の世界だった子どもの頃。会長さんと、雷おやじが重なって見えた。地域のつながりって、こういうことなのかなぁ。って、思いました。地域が子どもを育てる。私も育ててもらっていたんだなぁと、思い出しました。私も心掛けよう。心掛けなければ、きっと何も始まらないんだと思いました。頑張れ私!目指せ!雷おばさん!