2013年9月26日

岩手県被災地、大槌町の今

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防波堤の状況は、あの日のまま。全てを片付けて、取り除くことが解決なのか、このまま残して震災のことを、ここでみんなで話し合う場とするのが、良いのか・・・、ここへ来て、いつも色んなことを思い出しながら、現地の人たちと何度も話しながら、今日もまた、考えていました。

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色んな相談に乗ってもらったり、色んな「今と昔」のことを話して聞かせてくれた、高齢の男性が亡くなった。肺炎だった。「仮設住宅は、とっても寒いんだよ。」いつも、そう聞かされた。年寄りには冷え込みがこたえると、冬はじゅうたんの上にいくつも毛布を敷いていた。会いたいと思った時にの今、もう居ない。「人はよ、どう死んだかじゃない。どう生きたかが大事なんだ。」あの笑顔は、忘れたくないな・・・。と、やっぱり何故か、空を見る。みんなのこと、これからのこと、きっと見守ってくれるかな・・・。なんとなく、そう思った。岩手県で、現在仮設住宅に住む方は、30641人。それが現実。

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満潮になると、水が沢山入ってくる場所。この町は、未だ400名以上の方が行方不明。岩手県全体では、1145人が行方不明。内、行方不明の子どもが30名弱と言われている。「ここを掘れば、誰か出て来てくれるかしら・・・。」少し砂を掘ってみても、大変な労力。捜索してくれた、見付けて出して運んでくれた、自衛隊や警察、消防、消防団などの皆さんの姿を思い出した。「こんなに大変な労力だったんだなぁ。」感謝の気持ちがまた、高まった。そして今も、捜索は続けてくれています。

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ここの地域の人たちが言う。「自慢の砂浜だったんだよ。」「今だって、きっと気持ちは変わらないでしょ?」と聞くと、「そりゃ、そうだぁ〜‼‼」って。現在も、沖から沢山の生活用品が流されて来ています。

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魚を干していた網。他、生活用品。

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毛布、醤油差し、歯ブラシ・・・等々。

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ビニールシートもあった。

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現在、テトラポットが沢山海岸付近に準備されている。沖に流されたテトラポットを、これから海に入れるのだと思う。山の木が伐採されて、復興住宅の建設が行われる。町は、少しずつでも動いている。でも、東日本大震災は、まだまだ終わっていない。それが現状だと思う。大切な家族が見付からないことは、大変なことだと思う。諦めろったって、諦められる訳がない。そんなの、当たり前のことだ。でも、誰かがその気持ちを知っていてくれることで、遺された家族は少しずつ頑張れると思う。最後の一人が見付かるまで、私も諦めていない。どうか、みんなの所に帰って来てくれますように。それぞれの立場で、一人一人の悲しみの形も感情も違うので、絶対に誰かと比べずに、ゆっくり、今の自分を労わってあげて欲しいと思います。自分を大事にしてあげること、まわりを慰めてあげること、亡くなった人がきっと見守ってくれているから、いつかきっと、せめて夢の中で会えますように。いつかきっと、帰って来てくれますように。