2013年9月3日

生前予約

最近、本当に多くなりました「生前予約」です。亡くなる方から直接ご連絡をいただき、会いに伺います。病院に居た時に、医療従事者として、お看取りをさせていただいた時間。悲しくて、結局、私は逃げ出したのかもしれない。でも、今、亡くなる方からご連絡をいただいて、同じところに戻った気がしていました。当時気が付かなかった御家族の気持ち、亡くなるご本人が、どんなことを思っていらっしゃるのか、遺してもらえる知恵と知識をお守りにして、私もまた、生かしてもらっていることを感じます。当時抱えた悲しみは、決して無駄にはならなかったのだと、今は思います。後悔したからこそ、悩んで苦しみの中で得た「今」。復元の現場は、その繰り返しです。御家族が期待されている現場で、絶対に失敗出来ない怖さと一緒に居るわけです。自分に負けずに、出逢いに向き合わせていただいて、今をとても大切にする時間。復元は、御家族が評価をしますので、現場の厳しさは、そういう所にあります。ずっと下を向く仕事なので、ずいぶん肩も凝りますが、それも想い出とつながります。想い出は、色んなタイミングがきっかけになります。

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収穫前の稲を見て、「あぁ、あの時に棺に入れて持たせて差し上げたなぁ。」とか、

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明日から出張なので、持ち帰った仕事をしながらカレーを作っている途中、「あぁ、あの時の納棺で、カレールーを三つも入れて持たせて差し上げたなぁ。」とか、そういうことは、何かのきっかけで想い出すものですね。コンビニでポテトチップを見ても、ビスコを見ても、日本酒を見ても、みんな、あの時とつながっている想い出です。死と生はセットです。人生はもちろんですが、亡くなられた方の傍には、沢山生きている人が居ます。想い出を胸に生きていただけるように、亡くなられたご本人と御家族をつなぐ、そういう納棺になれるように、力を尽くします。人に出逢って、すごいことですね。と思っていた今日でした。( ´ ▽ ` )