2014年1月5日

怖い話⁉︎

「俺さ、稲川淳二さんより怖い話出来るよ。」と言うお年寄りが、最近現場には本当に多い。で、「私は無いんですけど、稲川淳二さんの怖い話って、聞いたことありますか?」と伺うと「無いんだけどね。(笑)」って。(笑)「子どもたちの人気者になれていいなぁって思った(笑)」と、チャーミングです。だけど、聞かせてもらうと、けっこう怖い。身の毛がよだつ・・・、とは、このことだと思う。効果音も、演出もない中で、声の抑揚と表情で話し切るお年寄りは・・・、やっぱりすごい。

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『墓場の掘り起こしと、しゃれこうべ』
小学校二年生の時の話です。戦後、自分たちの学校が建つと聞いて、とても嬉しかったけれど、墓場の跡地が学校の建設予定地で、そこを整備しないと工事は始まらない。そこで、墓場を掘り起こすのは、子供たちの仕事となりました。あの時は、学校が建つことが嬉しくて、墓場をみんなで掘り起こしたけれど・・・。(不思議なことが起こるもんなんだ・・・。の、不思議なことが怖い話であり、ご本人の持ちネタとのことで、公開は差し控えたいと思います。しゃ、しゃれこうべが・・・。なな、なんとっ。)掘り起こしの時は、やっぱりお坊さんがお経を上げて下さったそうです。だから、全然トラウマにならなかったそうで、「人は死を必ず迎えるもので、そして、みんな土に帰るんだよ。」と死生観を教えてもらったそうです。そして、お年寄りの幼少の体験を、孫の世代の子どもたちが聴く。めぐり、めぐって、時代はこうして次世代に引き継がれて行くんだなぁ、と、思いました。


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『戦友が蝶になって帰ってくる時』
何故か、僕たちの世代は『蝶』や『蛍』は、あの世に行った大切な人の様な気がしているんだよね。それは、日本に昔から伝わるものの一つなんだよね。戦友が死ぬとね、昔から駅に迎えに行っていたものなんだよ。汽車に乗って帰ってくるもんだと、みんなそう思っていた。体は帰って来てはくれないけれど、心はみんなの所に帰って来てくれるって、そう信じて迎えに行ったもんだよ。夏は、どうしてそういう気持ちにさせるのか、蝶や蛍を見ると、とても嬉しかった。虹も、鳥も、そうかもしれない。『お帰り』って、声を掛けたもんだよ。旅に行った先で、その土地の文献や伝統の記述を見ると、蝶や蛍に亡き人が宿り、会いたい人に会いに来る昆虫であると記述があってね、嬉しくて泣いてしまったこともあったよ。こうして人はね、自然と共に生きていることを感じます。僕も毎年願いを込めて、花壇に花を植えて、今年も来てくれると良いなって、思っています。廊下に誰も居ないのに、歩く音がすることがあるでしょ。「驚かせないなら、ま、いっか。」って思います(笑)


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『百鬼夜行図』 もののけが意味もなく現れる訳がなく、怨霊だの、幽霊だのと人は自分と違うものに対して、いちいち文句を言うけれど、彼らだって言いたいことや伝えたいことがあってね、出てくるんだよ。向こうからすれば、こちらが意味のわからない生物かもしれないじゃないか、ということにも気が付いていない。だとしたら、お互い様なんだよね。百鬼夜行図は妖怪辞典だけれども、生活と密着して、生活とはこうあるべきだということを伝える、気付かせる、昔ながらの知恵だから、生きるヒントがずいぶんあるんだよ。生きてる人間の方がやっかいで、怖いんじゃないの⁉︎(笑)


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お年寄りが教えてくれる怖い話は、なんとも温もりも含まれるお話が多い。夕方、現場を終えて会社に戻る時、社長室長から電話が鳴った。「怪奇現象が起きているから、高速で早く会社に戻って来て下さい!」ちょっと慌てていた。とっても珍しいなぁ。と、思いつつ会社に戻って話を聞いた。「音楽が聞こえるものなんて一切無い奥の部屋から(私の部屋)、音楽がずっと聞こえてきて、しかも、走り回っている足音がする。」と、言う。年末、手前の事務所の部屋から、奥の座敷に私の部屋を移したので、そのせいかな?と思いつつ(私のことが相当好きな座敷わらしが、会社には二人居るので。)「ところで、二人が騒ぐような心当たりは?」と、もっと話を聞くと、「あ、そういえば、一人でお菓子食べてた。おれ。」って。「あぁ、間違いないわ。だいたい、一人でお菓子食べてたら、そりゃあ騒がれても無理ないわ。だって、二人も食べたいんだから。」で、一件落着。新しい奥の座敷には、まだお菓子もオモチャも置いていないので、明日は朝早くから納棺なので、事務所に戻れる夜には、お菓子とオモチャを置いて置こうと思います。座敷わらしは子どもなので、動きはけっこう自己チューです(笑)気に入られた人は、姿が見れますよ。不思議なもんで、二人のことを一言も言ってないのに、知らないのに、見た人は同じ子どもを見ています。会えた人はもちろん、幸せをたんまりもらっているようです。会えるか、会えないか、それは座敷わらしの彼ら次第であります。あ、お伝えしておきますが、彼らは気分屋です。(笑)


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ちなみに、会社に居る「座敷わらし」のことは、会社内ではいつしか「座敷ワラビー」と呼ぶようになっています。ま、まだたぶん修行中の座敷わらしっぽいので・・・。ということで、そう呼ぼうか、と言うことだったと思います。気に入られた人が事務所に来てくださった場合、玄関の鈴がとても鳴りますよ。岩手県は座敷わらしがたくさん居ますから、どうぞ可愛がって下さいね。