2014年1月8日

隠し銭は、消費税込みで書くの?

納棺の時間には、「隠し銭」を風習として行う地域がまだまだ多い。「隠し銭」は、仏様に支払う、胸の所にかけて持たせる頭陀袋の中に納める六文銭以外に、本人に持たせるお金のこと。隠す場所は足元の、足袋や靴下の中だったり、草鞋や草履に結び付けたりする。納棺の時間にも、「時代だなぁ。」と思うことがある。今日の納棺では、子どもさんたちに、「隠し銭は、消費税込みで書くの?」と聞かれた。「すごいなぁ、時代だなぁ。」と思った。「あちらの世界には、消費税があるのかしら?」と、大人の皆さんと真剣に悩んでみたりした。で、「どうしたいの?」と聞くと、「消費税を、持たせるお金に足して書きたい。」と。「幾ら持たせてあげるの?」と聞くと、「おばあちゃんのこと大好きだから、みんなで100兆円書く‼︎」と、子どもさんたち。集まられた親戚の方の中で会社の会長さんがいらして、子どもさんたちに消費税の計算法を伝授してくれたものの、何せ100兆円なもんで。そして子どもさんたち曰く「もう少しで、消費税が80%に上がるんだって!」って。「え⁉︎本当に⁉︎80%⁉︎」と私が聞くと、それを見て会長さん大笑い。そして、みんなも大笑い。「いまの聞いて一番、ばぁちゃんがめんこくてニコニコしてるかもな。」と、会長さん。今回の消費税や、他に人とつながる連携などの、社会の仕組みを子どもさんたちが教えてもらえるのも、納棺の時間には多い。認知症や年を取ることの気持ちも、子どもさんたちは、大人の話をよく聞いて学びます。一番困ったのが、「お釈迦様の住所を教えて!」と、小学生の子に言われた時。「サンタクロースと、同じ住所?」と聞かれ、「ん〜、たぶん違うと思うよ。お釈迦様に、お手紙を書くの?」と聞くと、「うん、そう。お母さんのこと、お願いするから‼︎」って。とっても可愛かったです。「私、お釈迦様の住所を知らなくてごめんね。お釈迦様にお手紙を書いたら、ご住職にお釈迦様に届けていただけるようにお願いしてみたらどうかしら?ご住職に相談してごらん。きっとお知恵をいただけると思うよ。」と言った。「うん、分かった!」張り切って、お手紙を書く後ろ姿は、益々愛おしく感じました。大切な家族が亡くなった時、遺された家族は、まだまだ手を尽くしたいことが山ほどある。それを、どう形に出来るのか、どの位気がつけるか、神経を集中させることは多くあります。亡くなった家族のために何かをしている時には、思いやりに溢れ、その人を思い、尽くされている訳なので、皆さん本当に穏やかな表情をされています。悲しみの時間の中でも、自分のペースをつかんだ時、ご家族自身の力が戻った時なのかもしれませんね。もちろん、みんな波はあります。価値観も、考えも、感じ方もみんな違う。だから、個性なんだと思います。個性はその人そのものだから、とても素敵だと、私は思います。