2014年1月5日

納棺

納棺の時間には、個別にお話を伺うととても良い方なんだけど・・・。ものすごく嵐を巻き起こすタイプの方⁉︎、言うだけ言ってみたい方‼︎、等々、時に様々な方がいらっしゃる。まとまらないし、協調もしてくれない時もある。さて、そういう時には、やっぱり、ご住職に相談するのが一番です!東北は地域のしきたりや伝統が本当に深いので、お寺さんは強いです。どんなやんちゃな方でも、ご住職のお話は、ちゃんと聞いてくれます。

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今朝の納棺では、大変強いお姑さんがいらっしゃいました。悲しみが深い分、地域のしきたりに則った形で、大切な家族を送りたいと言う思いでいらっしゃいました。何世代も揃うと、とてもスムーズにいくこともありますが、そうでないことも実はけっこう多いものです。その間に中立な立場として、皆さんに満足をしていただけるように、お話を伺いながら納棺を進めます。火葬までの限られた時間の中で、亡くなられた方のお体があるうちに出来ることは沢山あります。目的は、葬儀の時間をきちんと迎えるためと、言えると思います。

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親子のお別れのお手伝いをさせていただくことが、ここのところ非常に多くありました。小さな子どもさんたちも、色んな事をちゃんと考えて思っていて、しかも、きちんといろんな事が出来ます。信じて、一緒に進める時間は、短い時間ではありますが、信頼関係で成り立っていると言えると思います。着付けを終えて、子どもさんが言いました。「僕が安心出来るためには、どうしたら良い?」不安な気持ちを表現している言葉である事を示していますから、そういう時は、こう答えます。「手を合わせてみて。お母さんのことを考えてみて。今、お母さんは何を思っていると思う?」と。「僕たちのことを、心配していると思う。」と答えてくれることが多くあります。そして葬儀の意味と、宗教や宗旨に合わせて、お寺さんであれば、ご住職が上げてくださるお経の話をします。そして、もう一度手を合わせてもらいます。「気持ちに変化はあった?」と、聞きます。「心の中の、重たいのが気持ち良く何処かへ行った気持ち!」と答えてくれます。ご住職が上げてくださるお経の前に、そういう色んな準備を整えます。葬儀のその時間に故人を思い、葬儀に心を込められるか。自分の足で立ち、生きていくためには、故人を思う気持ちが、きっと人生の支えになってくれるから。どんなに小さな子どもだって、葬儀の意味が分かれば、叱られなくても、指示されなくても、正座をして、ちゃんと手を合わせて、耳を傾けることがちゃんと出来ます。後ろからその姿を見守っていると、手を胸の前で合わせて、心を込めているからこそ少し猫背になっている小さな背中が頼もしく見えます。そして私は、棺に御安置した故人に心の中で話し掛けます。「どんなに子どもさんたちを心配して旅立たれたことでしょうか。お母さん、お子さんを、こんなに立派に育てられましたね。小さいけれど、頼もしい背中ですね。」と。